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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「スカイスポーツ」が問題提起。「ペップが抱える真の課題は、CBの強化なのか?」

「スカイスポーツ」が、興味深いレポートを配信しています。「ペップ・グアルディオラは、2016年のプレミアリーグ参入以来、DFの獲得だけで4億ポンド(約544億円)以上を費やしている」。なるほど。さっそく振り返ってみましょう。2016-17シーズンはエヴァートンにいたジョン・ストーンズに4750万ポンド、翌シーズンの夏はカイル・ウォーカー、ダニーロ、バンジャマン・メンディ、エリック・ガルシアに1億2200万ポンド。CBが足りないと判断した1月には、アイメリク・ラポルテに5700万ポンドを投じています。

2018年の夏の即戦力はマフレズだけでしたが、翌年はジョアン・カンセロを6000万ポンドで引き入れつつ、アンヘリーノを540万ポンドで買い戻し。今年のマーケットでは、ボーンマスのナタン・アケに4000万ポンド、ベンフィカのルベン・ディアスに6500万ポンドを支払っています。すべて足し込むと、確かに4億ポンド。CBだけで2億ポンド(約272億円)以上の投資となります。ヴァンサン・コンパニが抜けた穴は大きく、プレミアリーグ3連覇を逃した昨季はフェルナンジーニョがカバー。レスターに2-5で大敗した後に獲得したルベン・ディアスは、多大な期待を背負っています。

さて、金額が整理できたところで、「スカイスポーツ」の問題提起を確認しましょう。彼らが指摘しているのは、「お金をかけすぎ」「最終ラインの補強がうまくいっていない」といったことではありません。記事のタイトルは、「Is Man City’s defence really the problem?」。2019-20シーズンにプレミアリーグで9敗を喫し、今季も開幕直後に不安を露呈したチームの根本的な問題は、最終ラインのクオリティではないのではないかといっています。「最新の『Pitch to Post Review podcast』にて、マンチェスター・シティの構造上の問題を分析した」と前置きする記事の主張を列挙してみましょう。

「彼らの問題の多くは、ボールがDFの近くに届く前に発生している。シティの本質的なキャンプはファイナルサードにあり、ボールを美しくまわしながらパスを通す穴を探す。彼らはしばしば、敵陣深くに居座るアタックに8人をコミットさせる。FWとMFは全員、そして2人のフルバックだ」

「人数による強さ。誤解しないでほしいのだが、通常はこれが非常に機能しており、マンチェスターはプレミアリーグでベストのフットボール集団であり、無敵に見える。しかし、それはトップがヘビーになっているともいえるのだ」

「日曜日にペップがいっていたが、レスターのように深く構えるチームに対して、彼らは焦りを募らせることがある。ジェイミー・ヴァーディーのようなスピードとクオリティを兼ね揃えた選手が自陣にいると、フェルナンディーニョ、あるいは守備的MFが誰であろうとやり過ごして侵入しようとする。シティのフルバックが、前のシーズンと同じようにコミットできるかどうかはわからない。対応すれば、彼らの攻め上がりは殺される」

「世界じゅうから、どんなCBを2人配するかは問題ではない。この状況に直面すると、個々のミスによって、突発的に速攻やペナルティを招いくという構造上の問題が発生する」

破壊力を上げようとすればするほど、2人のCBが危険に晒され、そこにいるのがファン・ダイクであろうと無名の選手であろうと、ちょっとしたミスがゴールやPK献上に直結してしまうというわけです。この分析に続く言葉が、記事が最も伝えたいメッセージです。

「フェルナンジーニョは、このカウンターを止められる最高の存在だったが、昨シーズン以来、守備的MFとしては6回しかプレイしていない。ペップがDFを入れなかったため、CBとして37回出場している」

ロドリについては、落ち着きのある素晴らしいパサーと評しながら、チームの崩壊を食い止める壁としては機能していないと喝破しています。ペップのチームに必要なのは、コンパニの後釜よりもフェルナンジーニョの後継者ではないのか?と。

「これこそが、グアルディオラにとって大きな懸念事項だと思われる。DFに4億ポンドを費やすことができても、守備的なMFのポジションに適切な補強をしなければ無意味だ。ギュンドアンとフェルナンジーニョが、そのポジションに入ることになる今シーズンは、ロドリがどれだけの出場時間を得られるかに興味がある。日曜日のゲームでは、フェルナンジーニョが53分にオフになった後、シティは降伏した」

ルベン・ディアス獲得の最大の効果は、35歳になったブラジル人をアンカーとして起用できるようになることなのかもしれません。ペップの采配とマンチェスター・シティの今後の強化に、ますます興味が湧いてくるおもしろいレポートでした。


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