イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ハーランドは通常運転、しかし…マンチェスター・シティがゴールと決定機を減らした理由。

プレミアリーグ2023-24シーズンは、まだ10試合を終えたばかりですが、これは「異変」といってもいいでしょう。マンチェスター・シティの得点力に関する話です。ペップの2年め以降、6シーズン連続で最多ゴールを記録しているクラブが、今季は6位に留まっています。

リーグTOPはニューカッスルとアストン・ヴィラの26ゴール。アーセナル、トッテナム、ブライトンが23ゴールで続き、22ゴールのマンチェスター・シティはその下です。10節終了時点で、33ゴールをゲットしていた昨季からマイナス10。シーズンを通じて38%だった「ハーランド率」は、50%に跳ね上がっています。

ゴールという結果だけでなく、xG(ゴール期待値」においても、過去7シーズンでTOPを逃したのは1回のみ。4冠をめざしていたリヴァプールに僅差で敗れた2021-22シーズン以外は、ランキングの頂点に立っています。しかし今季は、ニューカッスルの24.8、リヴァプールの23.7に次ぐ22.3。チャンスの数は明らかに減っています。

「アスレティック」のサム・リー記者は、例年よりパフォーマンスが低下している理由として、ベテランの移籍とキーマンの負傷リタイアを指摘しています。昨季プレミアリーグにおけるチャンスメイク数を見ると、チーム1位のデブライネが98、マフレズ51、グリーリッシュは50、フォーデンは43、ギュンドアンが37。新シーズンは、TOP5から2人が退団となりました。

残る3人のうち2人は、負傷によって出場時間を減らしています。デブライネは23分しかプレイしておらず、208分のグリーリッシュは全体の試合時間の23%。元気なのはフォーデンぐらいで、6位のロドリは1発レッドで3試合を失い、7位ベルナルド・シウヴァは57%です。ハーランドやフリアン・アルバレスが健在でも、決定機を創れなければ、おのずとゴールは減ってしまいます。

チェルシーから加わったコヴァチッチは優秀なパサーですが、ギュンドアンのようにゴールとチャンスメイクを頼むといわれると厳しいでしょう。ジェレミー・ドクが、マフレズの域に達するまでには時間が必要です。ハーランドとフリアン・アルバレスが共存する布陣は、未だ発展途上。ジョン・ストーンズの負傷も、ペップから選択肢を奪ったはずです。

この状況からいえることが2つあります。ひとつは、「デブライネの復帰後、マン・シティは確実に強くなる」。もうひとつは、「ハーランドへの導線を遮断すれば、マン・シティの得点力はフツーの強いチームレベルになる」。わかりやすくいえば、ゴールマシンとベルナルド・シウヴァを何度もフリーにしたマンチェスター・ユナイテッドは猛省が必要ということです。

ライバルクラブが最初に考えるべきは、「ロドリのパスコースをいかに限定するか」でしょう。1試合あたりのロングフィード6.6本は8位で、GK以外で唯一のTOP10。ボックス右に走り込んだ選手に、ピンポイントで合わせるボールを出させてはいけません。加えて、サイドにCBが引っ張られないよう、左右のMFとSBの連携も重要です。

シュート4本に抑えたアーセナルのように、ペップの戦術チェンジに対応してプレスで殺しにいければいいのですが、普段と違うことをしなければならなくなるチームにはおすすめしません。前線の選手がロドリを追いかけまわし、後方はスペースのケアとハーランドのチェックに徹するのが得策でしょう。

「言うは易く行うは難し」ですが、デブライネ不在のチームと戦えるチェルシー、リヴァプール、トッテナムには、優勝争いを盛り上げていただければと期待しています。まずはロドリ、そしてフォーデンとベルナルド。さらにフリアン・アルバレスとハーランドも抑えて…いや、書いていて仕事が多すぎることに気づきました。もとい、とにかくヤツを止めましょう!(雑)


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す