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得点力ダウンのマンチェスター・シティ、2大理由はキーマンの離脱と補強の失敗?

プレミアリーグ29節を終えて、63ゴール。1年前の29試合75ゴールから、12も減らしています。マンチェスター・シティの得失点差は35で、46のアーセナルと40のリヴァプールを下回っています。ペップ・グアルディオラの就任後の最低は、3位に終わった2016-17シーズンの41。残り9試合で16ゴール以下なら初年度の80発に届かず、最も得点力が低かったシーズンとなります。

アグエロ、スターリング、サネ、ジェズスが2ケタゲットの2017-18シーズンは106ゴール。デブライネが13ゴール、マフレズが11ゴールの2019-20シーズンは102ゴール。偽9番で戦っていた2021-22シーズンも、99発を積み上げています。マン・シティはなぜ、決められなくなってしまったのか。やはり気になるのは、過去2年の補強と売却です。

ハーランドを獲得した2022年の夏は、最盛期の主軸だったスターリングとジェズスがアウト。昨年は、ギュンドアン、マフレズ、コール・パルマーがチームを離れています。最も痛かったのは、ギュンドアンの移籍でしょう。83ゴールで優勝した2020-21シーズンは、12月のWBA戦からの2ヵ月で12戦11発という無双状態に突入し、独走態勢を築く15連勝に貢献しています。

昨季のギュンドアンはプレミアリーグ8ゴールで、マフレズは5ゴール。ハーランドが36発という驚愕の数字を残し、前年は15ゴール8アシストだったデブライネが7ゴール18アシストとチャンスメイクにシフトできた理由として、前線に厚みをもたらすギュンドアンの攻め上がりは欠かせない要素のひとつでしょう。

一方、ハーランド以外の新戦力を見ると、ジェズスの後継者は2022年1月に加わったフリアン・アルバレスで、スターリングとマフレズのポジションにはジェレミー・ドク。2023年が終わるまでは順調だったフリアン・アルバレスは、年明けはバーンリー戦の2発のみで、90分あたりのドリブル成功数N0.1のドクの2ゴール5アシストは、11節のボーンマス戦までの数字です。

デブライネは前半戦の出場ゼロで、ハーランドも12月からのプレミアリーグ5試合を欠場。トレブルのシーズンは、2人合わせて43ゴール28アシストだったエースとプレーメイカーは、19ゴール10アシストと数字を落としています。グリーリッシュは停滞、ベルナルド・シウヴァは通常運転。フォーデンの孤軍奮闘では、前年から12ゴールのダウンも甘受するしかありません。

直近2シーズンの補強を振り返ると、ロドリをフォローするはずだったカルヴァン・フィリップスが大誤算でした。マテウス・ヌネスもフィットしておらず、ドクも時間がかかりそうです。コヴァチッチはつなぎ役で、未だノーゴールノーアシスト。ギュンドアンの攻撃力を引き継げないのは、獲得する前から明らかでした。

有体にいえば、この2年の補強で「お値段以上のパフォーマンス」といえるのは、オフィシャルには5100万ポンドのハーランドと、1500万ポンドで引き入れたアカンジのみです。グヴァルディオルはまずまずですが、他の6人は即戦力と考えるならNGでしょう。1億ポンドのグリーリッシュも入れると、チキとペップの近年のチーム作りは空回りが目立っています

2月のチェルシー戦以降の6試合は7ゴール。ダブル達成のマンチェスターダービーを除くビッグ6との対戦は、6分1敗と勝利がありません。補強の効果が薄く、得点王とアシスト王が離脱しても、首位と3ポイント差の3位とは…!と、最後はペップをリスペクトして終わりたいと思います。この状態で2年連続のトレブルに辿り着いたら、MVPは間違いなく指揮官ですね。


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“得点力ダウンのマンチェスター・シティ、2大理由はキーマンの離脱と補強の失敗?” への1件のコメント

  1. ヒノアキヒロ より:

    もちろん、補強失敗は監督だけの責任だけではなくスタッツを分析する裏方も批難されてしかるべきと思います。
    問題の本質は、外れ補強でもこれまで戦術と選手層の厚みで補えていたシティが今季はそうでもないという点にあるかと思います。
    言い換えれば「今シーズンのシティ、弱くね?(例年に比べて)」です。
    ペップの指導力の劣化なのか、データ分析・フロントとの不協和音なのか、アルテタ・クロップが台頭したためにそう見えるだけなのか、理由は分かりませんが、少なくとも今季は傑出したパフォーマンスを発揮できていないシティ。
    個人的にはペップの長期政権ゆえの長期停滞の序章な気がしてなりません。(ファーガソン・ベンゲル・モイーズしかり)
    元来、バルサ・バイエルンなどどれも長期政権を執ってきたペップですが、仮に今季優勝できたとしても根本的な問題は根を張ってどんどん大きくなっていくような気がします。

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