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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

不振の理由は走行距離、守備、プレス…数字で見る冴えないマンチェスター・ユナイテッド!

プレミアリーグ開幕からの5試合は4勝1分。CLグループステージのヤングボーイズ戦の消極的な敗戦が合図だったかのように、6節のアストン・ヴィラ戦以降は1分3敗。不振に陥ったマンチェスター・ユナイテッドは、7位に順位を下げています。オーレ・グンナー・スールシャール率いる昨季プレミアリーグ準優勝チームが崩れたのは、なぜでしょうか。「スカイスポーツ」が、マンチェスター・ユナイテッドの苦境を物語るさまざまなスタッツを分析しています。

最初に紹介されている数字は、スールシャール監督と過去の指揮官とのポイント比較です。2018年12月にジョゼ・モウリーニョ解任の後を受けたレジェンドは、公式戦164試合90勝38分36敗で勝率55%。サー・アレックス・ファーガソンの勇退以降、トロフィーに縁がない2人めの監督となっています。プレミアリーグ106試合で、1試合あたりの獲得ポイントは1.83。ファーガソンの2.16とモウリーニョの1.89より低く、1.79に終わったファン・ハールと1.68のモイーズを上回っています。

就任以来2年10ヵ月のビッグ6との対戦成績を見ると、8勝10分8敗で34ポイント。アーセナルの32とトッテナムの23よりは上にいるものの、17勝6分5敗で57ポイントを稼いでいるリヴァプールや、54ポイントのマンチェスター・シティにはほど遠い戦績です。36ポイントのチェルシーとともに、プレミアリーグのトロフィーに届かない理由のひとつは、シックスポインターで勝ち切れないからです。

復権を託されたスールシャール監督は、モイーズやファン・ハールが卒倒するほどの多大なバックアップを受けています。ダニエル・ジェームズ、ワン=ビサカ、マグワイア、ブルーノ・フェルナンデス、ファン・デ・ベーク、カバーニ、アマド・ディアロ、アレックス・テレス、ジェイドン・サンチョ、ヴァラン…クリスティアーノ・ロナウド!6回のマーケットの収支は、マイナス3億1200万ポンド(約488億円)で、アーセナルやヴィラを引き離すぶっちぎりのTOP。この間のリヴァプールは、360万ポンドの黒字です。

チームをひとつ作れるほどの新戦力を与えられた監督は、言い訳禁止のシーズンを迎えているわけですが、これまでの戦い方のどこがまずかったのでしょうか。「スカイスポーツ」でアナリストとして評価されているアダム・ベイト記者は、「走行距離」「守備」「プレス」に問題があると指摘しています。

走行距離のTOP3はバーンリー、ブレントフォード、リーズで、939kmのマンチェスター・ユナイテッドは14位。今季プレミアリーグの9試合で、相手チームより走ったのはウルヴス戦とニューカッスル戦のみです。この指標は明快で、勝った4試合はいずれも相手との差が2km以内に収まっているのに対して、5つのドローと敗戦は2km以上のギャップがあります。

個々の選手のスタッツを見ると、90分あたりの走行距離No.1は、15.4kmというぶっちぎりの記録を残しているリンガード。レギュラークラスはマクトミネイ、ジェイドン・サンチョ、ブルーノ・フェルナンデスの順で、9.3kmのロナウドと9.0のマグワイアがワースト2です。12.0kmのカバーニとCR7の差は、後述するプレスの数値にも影響を及ぼしている可能性大です。

15失点を喫している守備のスタッツは軒並み低レベルで、タックル104回、デュエル376勝、シュートにつながったエラー7回はリーグ最下位。インターセプト68回と空中戦108勝は18位で、ボールリカバリー507回とクリーンシート1回は15位に留まっています。シュートを許したミスは左サイドに偏っており、キャプテンのマグワイアは3回も厳しい状況を招いています。

後方が余裕を失っているのは、プレッシングがうまく機能していないからでもあります。2人以上の選手が連携して奪いにいった回数を見ると、TOP3はバーンリー(246回)、チェルシー(222)、ブレントフォード(215)。アルテタ戦術が浸透し始めているアーセナルは6位(202)で、ゲーゲンプレスのリヴァプールは8位(188)となっています。マンチェスター・ユナイテッドは153回で16位。ポゼッション率が高く、プレスの機会が少ないペップのチームを29も下回っています。

個人のスタッツをチェックすると、90分あたりの1位はやはりリンガードで60.5回。以下、ブルーノ・フェルナンデス、フレッジ、カバーニ、ポグバと続いています。この数字は、プレスに参加しにくいCBが低くなるのですが、35.7回のカバーニの1/3しかない12.7回に留まっているロナウドの下には、ヴァラン、リンデロフ、マグワイアしかいません。

最前線のエースが追わないため前で奪えず、中盤センターと最終ラインがピンチに陥るシーンが多いチームは、連動性の高いプレスからのショートカウンターを増やせれば、それだけでも勝利を重ねることができそうです。ロナウドのケツを叩くか、カバーニ、リンガード、ジェイドン・サンチョをうまく使うか。手っ取り早いのは、間違いなく後者ですが…!?


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