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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

なぜアーノルドのサイドを攻め立てなかったのか…大敗の原因となってしまったテン・ハフの過ち。

40分までは、むしろ優勢。ブルーノのダイビングヘッドとラシュフォードのダイレクトショットのどちらかが決まっていれば、レッズはカウンターに怯えながら攻める展開を強いられていたはずです。ガクポの先制ゴールは、前半の唯一のオンターゲット。ハーフタイムで1-0なら、充分戦えたはずでした。しかし…。

キックオフから間もなく、テン・ハフ監督の布陣に疑問を抱きました。なぜ、ラシュフォードをアーノルドにぶつけないのか。今季のプレミアリーグとFAカップでリヴァプールを2勝1分と圧倒したブライトンは、トロサールや三笘薫で右SBをつぶしてゴールを重ねています。

ラシュフォードをファン・ダイクと対峙させるより、SBを制圧させたほうがチャンスを増やせるのではないか。最前線に張る10番の後ろにヴェグホルストという布陣は、左にまわったブルーノ・フェルナンデスが空転しています。10番を真ん中に置いて2-1で勝ったオールド・トラフォードの再現を期待したのか。ならば右サイドは、アントニーではなくサンチョでしょう。

最前線のヴェグホルストがファン・ダイクの居場所を縛り、ルーク・ショー、フレッジ、ラシュフォードが左から攻めれば、レッズはもっと苦しんでいたのではないでしょうか。ブルーノは視界が広いトップ下で、右サイドはダロトと守備で連携しないアントニーよりサンチョ。カゼミーロとブルーノが左という慣れないシステム選択が、敗因のひとつだったように思います。

先制点のシーンで、ガクポにスルーパスを通したロバートソンは、縦のコースを開けるためにボールをキープしていました。アントニーはただ見ていただけでしたが、サンチョならダロトに加勢して囲い込んでいたでしょう。1-0で後半を迎えたとき、選手かフォーメーションの変更を期待していたのですが、テン・ハフ監督は手応えがあったのか動きませんでした。

キックオフから2分、ルーク・ショーのミスパスをエリオットにカットされ、中央で粘ったカゼミーロは2回触りながらも奪い切れず。ショートカウンターのきっかけを作ったルーク・ショーが中央に絞ったため、ボックス右でサラーとエリオットがフリーでした。サラーのクロスはカットしたものの、エリオットの速いボールがダルウィン・ヌニェスの頭に合ってしまいました。

今となっては悲しい話ですが、2-0となっても、早い時間に1点返せば逆転できると期待していました。バルサやウェストハムに逆転勝ちしたチームには、そう思わせる強さがあったのです。致命傷は、3分後のカウンターでした。ブルーノのグラウンダーがヘンダーソンの足元に入り、前でもらったガクポがすかさず右のサラーに展開しました。

11番が足元に収めた瞬間、ガクポはハーフラインを越えたばかりで、ルーク・ショーは対応できたのですが…。中途半端なポジションを取ったSBの内側に走り込んだ味方を見たサラーは、完璧な速度計算でラストパスを転がします。角度はなかったのですが、飛び出しが遅れたデ・ヘアは、ファーのサイドネットに届くコースを開けてしまいました。

1-0の接戦から、後半開始直後に2発決まり、ゴールショーが開幕。あらためて展開を振り返ってみると、ミスが重なった2点めと3点めがターニングポイントでした。その大元となったのは、アーノルドという諸刃の剣を攻めの装置にしてしまったテン・ハフ戦術だったのではないかと思います。レッズの右SBはデュエル勝率83%で、17本のクロスとロングフィードを記録しています。

せめてハーフタイムに動いていれば…。悔やまれる一戦ですが、それにしてもガクポ、ダルウィン・ヌニェス、サラーは強烈でした。他のチームなら3-0の敗戦程度で済んだ過ちを7-0にしたフロントスリーには、授業料をお支払いするべきなのかもしれません。

大敗を喫しても、指揮官が築き上げてきたチームのベースについては、変わらずリスペクトしています。今できるのは、ELのレアル・ベティス戦を勝ち切り、自分たちの進む道は間違っていないと示すことだけです。ブレントフォードに4-0で負けた際も、マンチェスターダービーで6発喰らった後も次は勝っています。顔を上げて歩き続けましょう。木曜日は快勝を期待しています。


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