2024.03.22 マンチェスター・ユナイテッドの話題
トップ下、インサイド、センター…ようやく復帰したメイソン・マウントの最適ポジションは?
プレミアリーグ出場は8試合、チャンピオンズリーグとカラバオカップは2試合。度重なる負傷で、4ヵ月の沈黙を強いられたメイソン・マウントがピッチに戻ってきました。FAカップ準々決勝、リヴァプール戦の105分。ボールタッチ4回、パス成功1本という数字は評価不能ですが、苦しいシーズンを過ごしたチームにとって、明るいニュースであることは間違いありません。
とはいえ、彼の復帰はさほど話題になりませんでした。今季プレミアリーグでノーゴールのアントニーが最初の同点ゴール、不振に陥っていたラシュフォードが2度めの同点ゴール、3年前のヨーロッパリーグで決めただけだったアマド・ディアロが決勝ゴールと、復活のドラマだらけの一戦だったからです。久々の出場は朗報ですが、そのタイミングは最悪だったのかもしれません。
さて、チェルシーから総額6000万ポンドで移籍した25歳のMFは、どこで起用するのが最適なのでしょうか。ブルーノ・フェルナンデスと彼をトップ下に並べる4-1-4-1は、カゼミーロが後方のスペースをカバーできず頓挫しました。プレミアリーグで32試合11ゴール10アシストという数字を残した2021-22シーズンを思い出せば、4-2-3-1のトップ下に配するのが自然です。
しかし、話はそう単純ではありません。シーズンの序盤、彼の居場所を模索している間に、マクトミネイがゴールを連発。負傷離脱した後、ガルナチョが右サイドにはまり、メイヌーが中盤に定着しています。図らずも「メイソン・マウント包囲網」が完成してしまった感があり、今や7番を組み込むのはリスクでもあります。
最前線はホイルンド、左右にガルナチョとラシュフォード。右ウイングという選択肢もあるのですが、前線のスピードをキープしたければ、候補はトップ下、インサイドMF、セントラルMFの3つです。ブルーノを1列下げてトップ下か。あるいはメイヌーがアンカーで、インサイドにブルーノ&マウントか。メイヌーの脇は、彼の攻撃力を活かせるポジションではないでしょう。
唯一のアシストを記録したカラバオカップのクリスタル・パレス戦は、カゼミーロとの2センター。エゼ、オリース、オドソンヌ・エドゥアールが先発していなかったチームに3-0で勝ったものの、この布陣で中盤が安定するとは思えません。多様な戦術に対応でき、使う・使われるの両方をこなし、ミドルレンジから決められる彼の持ち味を活かすなら、やはり前でしょう。
チェルシーからの移籍といえば、マンチェスター・ユナイテッドの7番と同様に「どこで起用するのか」が話題になったカイ・ハヴェルツがいます。ミケル・アルテタは初志貫徹。左のインサイドにはまるように働きかけ、「8番での攻撃力はジャカ以上、9番における連動性はジェズス以上」とアップグレードに成功しています。
テン・ハフ監督が当初の構想を貫くなら、ブルーノとともにホイルンドの背後に配する戦い方になります。カゼミーロだと不安だったセンターはメイヌーなら落ち着くのか。ハイラインをキープし、前線とバック4の距離を縮めることで、アンカーの左右にできるスペースを消せるのか。解決すべき課題がいくつかあるものの、うまく機能すれば攻撃的なチームになりそうです。
ショボスライ、マック・アリスター、遠藤航を引き入れて中盤を刷新したクロップ監督も、カイ・ハヴェルツとデクラン・ライスを定着させたアルテタ監督も、勝ち続けながら戦術を進化させています。テン・ハフ監督は、新戦力を活かしながらCL出場権をキープすることができるでしょうか。不遇なシーズンを過ごしたMFの逆襲に期待しましょう。(メイソン・マウント 写真著作者 مهدی مریزاد)
とはいえ、彼の復帰はさほど話題になりませんでした。今季プレミアリーグでノーゴールのアントニーが最初の同点ゴール、不振に陥っていたラシュフォードが2度めの同点ゴール、3年前のヨーロッパリーグで決めただけだったアマド・ディアロが決勝ゴールと、復活のドラマだらけの一戦だったからです。久々の出場は朗報ですが、そのタイミングは最悪だったのかもしれません。
さて、チェルシーから総額6000万ポンドで移籍した25歳のMFは、どこで起用するのが最適なのでしょうか。ブルーノ・フェルナンデスと彼をトップ下に並べる4-1-4-1は、カゼミーロが後方のスペースをカバーできず頓挫しました。プレミアリーグで32試合11ゴール10アシストという数字を残した2021-22シーズンを思い出せば、4-2-3-1のトップ下に配するのが自然です。
しかし、話はそう単純ではありません。シーズンの序盤、彼の居場所を模索している間に、マクトミネイがゴールを連発。負傷離脱した後、ガルナチョが右サイドにはまり、メイヌーが中盤に定着しています。図らずも「メイソン・マウント包囲網」が完成してしまった感があり、今や7番を組み込むのはリスクでもあります。
最前線はホイルンド、左右にガルナチョとラシュフォード。右ウイングという選択肢もあるのですが、前線のスピードをキープしたければ、候補はトップ下、インサイドMF、セントラルMFの3つです。ブルーノを1列下げてトップ下か。あるいはメイヌーがアンカーで、インサイドにブルーノ&マウントか。メイヌーの脇は、彼の攻撃力を活かせるポジションではないでしょう。
唯一のアシストを記録したカラバオカップのクリスタル・パレス戦は、カゼミーロとの2センター。エゼ、オリース、オドソンヌ・エドゥアールが先発していなかったチームに3-0で勝ったものの、この布陣で中盤が安定するとは思えません。多様な戦術に対応でき、使う・使われるの両方をこなし、ミドルレンジから決められる彼の持ち味を活かすなら、やはり前でしょう。
チェルシーからの移籍といえば、マンチェスター・ユナイテッドの7番と同様に「どこで起用するのか」が話題になったカイ・ハヴェルツがいます。ミケル・アルテタは初志貫徹。左のインサイドにはまるように働きかけ、「8番での攻撃力はジャカ以上、9番における連動性はジェズス以上」とアップグレードに成功しています。
テン・ハフ監督が当初の構想を貫くなら、ブルーノとともにホイルンドの背後に配する戦い方になります。カゼミーロだと不安だったセンターはメイヌーなら落ち着くのか。ハイラインをキープし、前線とバック4の距離を縮めることで、アンカーの左右にできるスペースを消せるのか。解決すべき課題がいくつかあるものの、うまく機能すれば攻撃的なチームになりそうです。
ショボスライ、マック・アリスター、遠藤航を引き入れて中盤を刷新したクロップ監督も、カイ・ハヴェルツとデクラン・ライスを定着させたアルテタ監督も、勝ち続けながら戦術を進化させています。テン・ハフ監督は、新戦力を活かしながらCL出場権をキープすることができるでしょうか。不遇なシーズンを過ごしたMFの逆襲に期待しましょう。(メイソン・マウント 写真著作者 مهدی مریزاد)
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