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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

キャリックに非難轟轟…マン・ユナイテッドの現状を冷静かつポジティブに見てみませんか?

マンチェスター・ユナイテッドに対する容赦ない罵声が増殖しており、SNSを見るのが億劫になっています。気持ちはわかります。いや、同じといってもいいでしょう。公式戦2勝2分3敗で、勝った相手は昇格クラブのイプスウィッチと、アゼルバイジャンのサバフです。開幕のハル・シティ戦の完敗と、最下位に沈んでいたフラム戦のドローは残念というしかありません。

ポストを眺めていて気になるのは、「キャリックは無能」「限界」「ブルーノ・フェルナンデスは売るべき」など過激な主張が見受けられることです。強い言葉が多数派になると、違う意見をいいづらくなり、「擁護」「アンチ」といったレッテルが登場します。これは、フットボールを楽しみたいコミュニティにとって、ハッピーな状態ではないでしょう。

私のアンチの定義は「何をしても非難する状態」で、擁護はその逆です。バトルモードになると、それぞれが看板を下ろせなくなり、興味深い意見交換ができなくなってしまいます。イングランドのジャーナリストや記者のみなさんの多くは是々非々で、快勝するとあっさり掌を返したりするのですが、一貫性重視のわが国は前言撤回を失態と捉える傾向があるように感じます。

今はまだ、プレミアリーグの開幕から5試合を終えたばかりです。ロベルト・デ・ゼルビを心配したり、シャビ・アロンソに同情したりしながら、明るく前に進もうではありませんか。ここからは、昨今のマンチェスター・ユナイテッドに関する話にフォーカスします。キャリックのチームに対するいくつかの批判を念頭に置いて、フラットなデータと事実を紹介しましょう。

指揮官への批判がヒートアップしているのは、ブライトン戦の負け方とフラム戦の展開が悪かったからだと思われます。オールド・トラフォードで、前半2点リードから敗れたのは50年ぶり。アルバロ・アルベロアのチームは開幕3連敗でした。しかし苦戦した相手を冷静に見ると、ブライトンはアーセナルに3-0で完勝しており、フラムはリヴァプール戦を0-0で終えています。

だからオッケーといっているわけではありません。ことさらに、弱者に負けた最悪のチームなどと叫ばなくてもいいというお話です。今のマンチェスター・ユナイテッドに対する声のなかに、「走らない」「消極的」「攻撃の戦術がない」といったものがありますが、現状のスタッツは違う現実も映し出しているようです。まずは、攻撃に関する数字を見てみましょう。

平均ポゼッション59.9%は、ブライトン、マン・シティ、スパーズに次ぐ4位。1試合あたりのシュート22.6本、クロス成功6.8本、敵陣ボックスでのタッチ数182回はリーグTOPです。1試合あたりのオンターゲット5.6本を上回っているのはブライトンのみ。パス本数503.6本と成功率88.4%はマン・シティに迫る2位で、トータルのxG(ゴール期待値)9.9は4位に着けています。

これらを見て、「ポゼッションを放棄したハル・シティとボロボロだったイプスウィッチの数字が入っているだろう」というツッコミがありそうですが、「そうです」というしかありません。そこに突っ込んでいくと、批判したければ「相手が弱かった」、胸を張りたい人は「こっちが強かった」と主張します。ここでいえるのは、「われわれは攻めている」という事実です。

走行距離は、1試合平均111.9kmで16位。1位のアーセナルの118.7kmを大きく下回っています。ただし、「マン・シティは111.2kmで18位、リヴァプールは110.2kmで最下位」という事実も添えておきましょう。マンチェスター出身のジャーナリストであるアンディ・ミッテン氏は、「アスレティック」の記事で、著名のアナリスト(ただし匿名希望)の見解を紹介しています。

「ポゼッションが高く、カウンターが少なければ、走行距離とスプリントは必ず減少する。リーグの順位とフィジカルの統計の間に、相関関係が見られることはめったにない。どちらかといえば、フィジカルのデータにおいて下位半分に位置するチームのほうが、ゲームをコントロールする傾向が強いといえるだろう」

さて、ここまで読んで、「それならマンチェスター・ユナイテッドは何が問題なのか」と訝しむ人もいるでしょう。不振につながる3つの数字を紹介します。ひとつめは「Hit Woodwork」。クロスバーやポストに当たったシュートの本数です。ブルーノ・フェルナンデスが2本、メイヌー、ラシュフォード、エンベウモ、マテウス・クーニャを足すと6本。残念ながら、リーグTOPです。

マンチェスターダービーとフラム戦は2本ずつで、それぞれのシュートが20cmでもずれていれば、3勝1分1敗で明るく盛り上がっていたかもしれません。2つめは、セットピースからノーゴール。リーグ2位のCK36本を積み上げながら、ひとつも決まらない現状は、ストロングヘッダーだったカゼミーロの退団と、背が低いリサンドロ・マルティネスの復帰の影響もあるでしょう。

3つめは、最下位フラムの次に少ないデュエル213勝です。個人ランキングの上位にいるエリオット・アンダーソン、アレックス・スコット、ディエゴ・ゴメス、グラニト・ジャカといった名前を見ると、カルロス・バレバが加われば変われるかもと期待してしまいます。「消極的」という批判の一端は、この数字が象徴しているのかもしれません。

ここまで、マン・ユナイテッドの現状のスタッツを紹介してきました。数字がすべてではありませんが、極論や暴論に走らないための材料にはなりえるでしょう。決定力と守備力が課題なのは確かで、バレバをアンカーに配する4-1-4-1、レニー・ヨロのSBコンバート、冬のマーケットでレフトバックを獲得などの策は、本気で検討していただければと願っています。

昨シーズンのマン・シティは開幕からの5試合が2勝1分2敗で、アストン・ヴィラは3分2敗でした。ペップはFAカップとカラバオカップを制し、プレミアリーグは優勝争い。エメリはTOP4に食い込み、ヨーロッパリーグを制覇しています。勝負はこれからで、カルロス・バレバとアマド・ディアロの合流という楽しみもあります。冷静かつポジティブに、応援し続けましょう。


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“キャリックに非難轟轟…マン・ユナイテッドの現状を冷静かつポジティブに見てみませんか?” への1件のフィードバック

  1. 京のマン・ユナイテッド より:

    ありがとうございます。だいぶポジティブになれました。
    昨シーズン後半は、あくまでCL権を獲得するための最善の戦い方をしてただけで、今はそこから進化するためのプロセスだと思いたい。ホームでシティやアーセナルにいつまでも支配されてカウンターでしか勝機を見出せないなんて戦い方からはいい加減開放されたいですから。

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