なぜ、彼はここにいないのか。未だプレミアリーグを再開していないメスト・エジルに思うこと。
プレミアリーグ2019-20シーズンは残り2試合、180分。10シーズンに渡って素晴らしいプレイを披露し続けてきた稀代のプレーメイカー、ダヴィド・シルヴァとのお別れの時が近づいています。6月以降のプレミアリーグで、先発4試合&途中出場2試合。2ゴール3アシストという数字を残している34歳に、衰えは感じられません。
マンチェスター・シティのレジェンドが持てる力を発揮している一方で、司令塔と呼ばれる何人かの選手が苦しい時間を過ごしています。レスターのジェームズ・マディソンは負傷が癒えず、ひと足先にシーズン終了。デル・アリが先発したのは1試合のみで、出場時間は78分に留まっています。ファン・マタは途中出場のみの2試合20分。そして彼も…再開後のプレミアリーグで出番がないどころか、ベンチにも入らない日々が続いているメスト・エジルに、復帰する気配は感じられません。
「Mesut Ozil: What is going on with Arsenal midfielder?」。アーセナルのMFに何が起こっているのか?「スカイスポーツ」で評論家を務めるポール・マーソンとアラン・スミスの両氏は、現在のアーセナルのフットボールに10番はフィットしないと断言しています。「守備の耐久性を高めようとしているアルテタにとって、エジルは世界で最悪の選手のひとりといえる。ボールを持っていないときの動きが悪すぎる」と主張するのはポール・マーソンさん。「30代になり、これまでのやり方を変えるつもりがない選手に対して、新しい指揮官も前線からの執拗なプレスを捨てる気はない」と、両者の溝の深さを嘆いています。
「われわれ全員が彼のプレースタイルをわかっている。週給35万ポンドを払い続けるにはどうすればいいのか?」
先陣を切ったガナーズOBに、アラン・スミスさんも同調しています。「アルテタは、彼が構想外であることを納得させたいようだ」「エジルがクラブにいる限り、常に議論のポイントになる。トランスファーウィンドウで何かが起こるかはわからないけれど、リンクするクラブがないなかで、契約が切れるまでもう1年残るかもしれない。ときどきフィットするかもしれないが、アルテタの計画の中心人物にはならないだろう」。リーズ出身の元ストライカーも、「強力なマネジメントでチームを手の内に入れている指揮官が望むことを、エジルができるとは思えない」と、悲観的な見方を示しています。
プレミアリーグ2019-20シーズンは、18試合1ゴール2アシスト。オンターゲットは3本しかなく、得意のスルーパスも2本しか通していません。プレミアリーグの公式サイトが伝えるスタッツが、リーグNo.1のサラリーを得ている選手にふさわしくないのは明らかです。悲しい。それ以外の言葉が思い浮かびません。彼こそがアーセナルの美しいフットボールを体現する選手。類まれなる演出家。幾度となく惚れ惚れとするパスワークを激賞し、好きだ好きだといい続けてきたスターが、自らチームを離れると宣言するのを期待されるようになるとは想像もしていませんでした。
ハイバリーで見た、デニス・ベルカンプの最後の勇姿を思い出します。エジルには、彼のように愛されながら、惜しまれながらピッチを去ってほしかったのです。最後の仕事を終えたダヴィド・シルヴァの晴れやかな顔を見たら、もうひとりのレフティの笑顔を思い出してしまうのでしょう。私たちにできることは、彼のいないピッチを見続けることだけなのかもしれません。多少チェイシングが緩くても、消える時間があったとしても、あの頃のプレイを見せてくれさえすれば、アルテタ監督は喜んでトップの後ろに置くはずなのに。私にとって、最後のメスト・エジルは、3つのゴールを演出した2018年10月22日のレスター戦のコンダクターです。
マンチェスター・シティのレジェンドが持てる力を発揮している一方で、司令塔と呼ばれる何人かの選手が苦しい時間を過ごしています。レスターのジェームズ・マディソンは負傷が癒えず、ひと足先にシーズン終了。デル・アリが先発したのは1試合のみで、出場時間は78分に留まっています。ファン・マタは途中出場のみの2試合20分。そして彼も…再開後のプレミアリーグで出番がないどころか、ベンチにも入らない日々が続いているメスト・エジルに、復帰する気配は感じられません。
「Mesut Ozil: What is going on with Arsenal midfielder?」。アーセナルのMFに何が起こっているのか?「スカイスポーツ」で評論家を務めるポール・マーソンとアラン・スミスの両氏は、現在のアーセナルのフットボールに10番はフィットしないと断言しています。「守備の耐久性を高めようとしているアルテタにとって、エジルは世界で最悪の選手のひとりといえる。ボールを持っていないときの動きが悪すぎる」と主張するのはポール・マーソンさん。「30代になり、これまでのやり方を変えるつもりがない選手に対して、新しい指揮官も前線からの執拗なプレスを捨てる気はない」と、両者の溝の深さを嘆いています。
「われわれ全員が彼のプレースタイルをわかっている。週給35万ポンドを払い続けるにはどうすればいいのか?」
先陣を切ったガナーズOBに、アラン・スミスさんも同調しています。「アルテタは、彼が構想外であることを納得させたいようだ」「エジルがクラブにいる限り、常に議論のポイントになる。トランスファーウィンドウで何かが起こるかはわからないけれど、リンクするクラブがないなかで、契約が切れるまでもう1年残るかもしれない。ときどきフィットするかもしれないが、アルテタの計画の中心人物にはならないだろう」。リーズ出身の元ストライカーも、「強力なマネジメントでチームを手の内に入れている指揮官が望むことを、エジルができるとは思えない」と、悲観的な見方を示しています。
プレミアリーグ2019-20シーズンは、18試合1ゴール2アシスト。オンターゲットは3本しかなく、得意のスルーパスも2本しか通していません。プレミアリーグの公式サイトが伝えるスタッツが、リーグNo.1のサラリーを得ている選手にふさわしくないのは明らかです。悲しい。それ以外の言葉が思い浮かびません。彼こそがアーセナルの美しいフットボールを体現する選手。類まれなる演出家。幾度となく惚れ惚れとするパスワークを激賞し、好きだ好きだといい続けてきたスターが、自らチームを離れると宣言するのを期待されるようになるとは想像もしていませんでした。
ハイバリーで見た、デニス・ベルカンプの最後の勇姿を思い出します。エジルには、彼のように愛されながら、惜しまれながらピッチを去ってほしかったのです。最後の仕事を終えたダヴィド・シルヴァの晴れやかな顔を見たら、もうひとりのレフティの笑顔を思い出してしまうのでしょう。私たちにできることは、彼のいないピッチを見続けることだけなのかもしれません。多少チェイシングが緩くても、消える時間があったとしても、あの頃のプレイを見せてくれさえすれば、アルテタ監督は喜んでトップの後ろに置くはずなのに。私にとって、最後のメスト・エジルは、3つのゴールを演出した2018年10月22日のレスター戦のコンダクターです。
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「フットボールが好きか?ならエジルを好きだろう。」当時のヴェンゲル・ボスの一言が今も胸から離れません。異能。数手先まで読む瞬時の判断力と、完璧な軌道を描くボールタッチ。彼にとっての不幸は意図を理解し、気持ち良くワン・ツーを返してくれるカソルラやウィルシャーの様なもう一人のテクニシャンの不在と上からの全幅の信頼の欠如だと思います。
レアル〜アーセナル移籍直後のプレーに魅了され、魂消た一人として希代の名選手の今後(ガナーズでないとしても)幸多からん事を祈ります。長文失礼しました。
胸が痛みます、、、。