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ウエストハムなどが関心あり…ただ今ブンデスリーガ得点王・岡崎慎司はプレミアリーグで成功できる?

冬の移籍の可能性が事実上なさそうなので、「気の早い話」でしかありませんが、フランスにほど近いマインツの本拠地コファス・アレーナに、ウエストハムをはじめとする複数のプレミアリーグのクラブが、岡崎慎司をチェックするために通っているとドイツ発で報道されています。シュツットガルトではサイドでのプレイを求められ、2年半で10ゴールしか挙げられなかった「もうひとりのシンジ」は、CFをまかせてもらえるクラブへの移籍を目論み、2013年6月にマインツに入団。ここからの岡崎は、まさに「水を得た魚」でした。

2013-14シーズンは、自らのキャリア最高でもあり、日本人のシーズン最多得点記録でもある15ゴールをゲット。今季も6試合出場で5ゴールと好調な立ち上がりをみせ、現在ブンデスリーガの得点王です。マインツのクリスティアン・ハイデルGMが、「昨シーズンからここまでで、PKを含めなければ、岡崎はレヴァンドフスキと同じ20ゴールとなる。彼ら2人が、ブンデスリーガで最もゴールを決めているストライカーだ」と、最高の賛辞を贈るのも当然の活躍です。

シュツットガルトからマインツに移籍してきたときの岡崎慎司の移籍金は、たったの150万ユーロ(約2億1000万円)。しかし、CFとしての才能を見せつけた日本代表の価値は、来年の夏には800万~1000万ユーロ(約11億2000万円~14億円)に跳ね上がる可能性があるといわれています。ハイデルGMは、「来年の夏のことはまったく考えていない」と語っていますが、金額次第では、マインツのような中堅クラブは岡崎を手離すこともありえるでしょう。2シーズン続けて15ゴール以上を記録すれば、移籍金だけで10億円以上のプラスをクラブにもたらして、マインツを去るのではないかと思われます。

さて、ここからはプレミアリーグのほうのお話です。報道では「ウエストハムなど複数のクラブ」としか出ておらず、東ロンドン以外でどこのスカウトがドイツに通っているのかはわかりません。この表現をそのまま受け取ると、「プレミアリーグ最下位以上、ウエストハム未満」となり、おそらくはボトム10にいて、残留争いをしているようなクラブなのでしょう。果たして、岡崎慎司はプレミアリーグで活躍できるのか?イギリスに渡って幸せになれるのか。私が岡崎の相談相手ならば、「悪いことはいわないからドイツに残ろう」というでしょう。最大の理由は、岡崎慎司はプレミアリーグで求められるタイプのストライカーではなく、ほとんどの監督が、運動量の多い彼をサイドで使おうとすると思われるからです。

例えばウエストハムに所属しているストライカーは、4ゴールとトップスコアラーのセネガル代表ディアフラ・サコ、ワールドカップ3ゴールのエクアドル代表エネル・バレンシア、そしてカールトン・コールと元イングランド代表アンディ・キャロル。この顔ぶれを見ると、「ストライカーは間に合っているじゃないですか!?」といいたくなります。彼らは全員、「速い・強い・高い」のいずれかのストロングポイントを持っており、前線にシンプルにボールを運んで早くゴール前での勝負に持ち込みたいプレミアリーグでは、裏をとるのが「うまい」岡崎慎司よりも好まれる選手たちです。

一方で、ウエストハムの中盤を見渡せば、攻撃的なプレイヤーが不足しています。エネル・バレンシアの後ろで構えるサコと、元リヴァプールのダウニング以外にめぼしい選手がおらず、サラテとアマルフィタノだけでは不安です。この状況では、岡崎慎司が加わった場合にどこでプレイさせられるかは明確でしょう。日本代表でも遠い右サイドからゴール前まで何度も往復させられていた岡崎は、シュツットガルト時代と同じ悩みを抱えることになるとみます。

現在、海外にいる日本人選手で、プレミアリーグでも自らがやりたいポジションで活躍できそうなのは、長友佑都と内田篤人ぐらいではないでしょうか。しかし、現在チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場権に手が届くクラブにいる彼らは、同等のレベル以上のクラブではレギュラーポジションを確保するのが難しいでしょう。これはもう、「大儀見と大野、近賀ですね」とボケたくもなります。宮市に成長が感じられない今、吉田麻也に続く「プレミアリーグの日本人選手」が、もうひとり、ふたり出てきてほしいのですが…。しばらくは、日本人選手を応援したければ、JSPORTSよりフジテレビNEXTとスカパー!オンデマンドをご覧ください、というような日々が続きそうです。

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“ウエストハムなどが関心あり…ただ今ブンデスリーガ得点王・岡崎慎司はプレミアリーグで成功できる?” への2件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    プレミアリーグの中で岡崎が活きるチームはどこでしょうか?マインツを見ていると両ワイドにスピードのあるテクニシャンを置き、味方を活かしつつ、自身も活きる攻め方が多い気がします。前線の選手のタイプだけ見ると意外とリバプールもあっていたかなぁと思いますね。あとは同じ日本人のいるセインツも中盤が硬いおかげでより前線での仕事に集中できるので、活きるかなぁと。

  2. makoto より:

    リバサポさん>
    ルートリッジ、シェルヴィ、シグルズソンなど、中盤からのパスのバリエーションが多いスウォンジーなんてどうでしょう?キ・ソンヨンという前例があるので、アジア人になじみがあるクラブです。

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