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ホジソン監督、それはないでしょう!スターリングの「疲れている発言」騒動に思うこと【後篇】

「勇気あるひとことがケガを未然に防いだ!? スターリングの『疲れている発言』騒動に思うこと【前篇】」より続きます。イングランド代表のユーロ予選の直前に、スターリングがホジソン監督に「疲れている。コンディションがよくない」と訴えたことが、「やる気あるのか」「いや、酷使はよくない」とさまざまな意見、非難を呼んでいる件について、前篇では、「果たして、試合に出続けている選手がケガをしやすいといえるのか」という疑問を挙げさせていただきました。

これは、言い換えれば、「適切なトレーニングやケアがなされていれば、とりわけケガに強い選手は、毎試合のように出場しても問題ないのではないか」ということでもあります。私は、マンチェスター・ユナイテッドのエース、ウエイン・ルーニーの「酷使」を心配したことがありません。なぜなら、ケガがどう、疲れ云々の前に、彼が人一倍「出たがり」で、ターンオーバーをしようものならそれだけでストレスをためることを知っているからです。今まで、何回「本人が出たがるからしょうがねぇよな」とつぶやいたことか。ほとんどケガをすることなく、10年以上プレミアリーグの大半のゲームに出続けたフランク・ランパードのような選手もいます。

ただし、「疲れている」「ダメージが残っている」という選手は別です。スターリングに疲労の自覚と試合に出ることに対する不安があったのであれば、これはもう、休ませるべきでしょう。スターリングが率直に指揮官に伝え、それを受けたホジソン監督が、是が非でも使いたかったチャンスメーカーを途中出場に留めたのは、それぞれ適切な判断だったと思います。

さて、後篇のテーマは、前篇で挙げた「2つの思うこと」の2つめ。すなわち、「ホジソン監督はスターリングの訴えを公にするべきではなかったのではないか」というお話です。今回のスターリング発言については、伏線となるホジソン監督のコメントがありました。先週の土曜日にイギリス紙「デイリー・メール」が、「スターリングは休養を必要としていない」とするイングランド代表指揮官の言葉を掲載しています。

「私たちは、選手の状況を管理しなくてはならない。スターリングがいい状態ではなく、オーバーワークとなっているというサインを見せたならば、そのときは彼に休養を与えるべきと判断するかもしれない。彼が苦しんでいるというサインを出すまでは、管理が必要ではない。現在はそういう状況ではないし、リヴァプールが心配することもないだろう」

これを聞いたスターリングは、「いやいやいやー!監督、僕、疲れてますから。はっきりいったほうがいいんですね!」と思ったかもしれません。「本人もいってこないし、見た目大丈夫だからケアしないよ」ともとれるラフな言葉を耳にすれば、「いわないと大変なことになるかも」と不安を覚える選手もいるでしょう。スターリング寄りの乱暴な解釈かもしれませんが、プレミアリーグで疲労を溜めていた彼は、「上司が、やばかったらサインを出せ、それがなかったらハードワークしてもらうよといった」と理解して、今回の発言に至ったのではないでしょうか。これからトップクラスに上り詰めようとしているスターリングは、代表に選ばれたことへの誇りも高く、何もなければ無理してがんばっていたのではないかと思われます。

もし、そうであれば、スターリングのツイッターで彼の振る舞いを罵っている人々は、「ガン詰めする相手が違うだろう」ということになります。いや、それよりも何よりも、ホジソン監督は、スターリングの発言を、そのままマスコミに公表するべきではなかったですね。公開することによって、スターリングが「国のためにがんばろうという気概がない」と批判されるマイナスはあっても、いいことは何もありません。実際に、「おい!スターリング。お前は消えろ!」などというコメントが彼の元に届いており、弱ったスターリングが「人間でごめんなさい。今は家に戻っているところ」という憐れな返信を残しています。監督とのプライベートな会話を新聞に載せられて、それを読んだ人々の厳しい攻撃に曝されたら、不信感を抱いた選手はチームに対して口を閉ざしてしまうでしょう。

日本やブラジルなど、母国で国際試合を行うと欧州で活躍する選手に長距離移動が発生する国では、「時差ボケや疲れを考慮して初戦は欠場」「合流後に疲れがみえたので、後半からの起用とした」などということはときどきあります(韓国戦やアルゼンチン戦ではそうはいきませんが)。ホジソン監督も、「自分たちの判断でスターリングを休ませた」とだけ、いえばよかったのに…。こういうことが続くと、レギュラー当確の選手が「代表のために体を張るより辞退したほうが得策」「体調が若干やばそうだから今回はいかない」と考えて弱小国との試合をスルーするなどということが起こりかねません。そうなれば、何としても勝とう、戦おうという空気のないチームとなり、強くなるわけがありません。ホジソン監督には、スターリングに対してきちんとフォローしていただき、今後はこのような発言を控えていただければと思います。そしてサッカーの母国のみなさんには、スターリングを誹謗中傷するのはやめてください、とお願いしたいですね。スターリング発言の呼び水となったのは監督の発言かもしれず、騒動の原因となったのは、間違いなく監督の心ないコメントなのですから。

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“ホジソン監督、それはないでしょう!スターリングの「疲れている発言」騒動に思うこと【後篇】” への5件のフィードバック

  1. 赤い巨人 より:

    リヴァプールファンなので
    リヴァプール贔屓にものを見てるもので、少しでもスターリングを擁護できる種はないかと思っていたら
    こんな翻訳記事がありました。
    よろしければ、お目通しください(*ゝω・*)ノ
    http://s.webry.info/sp/lscj.at.webry.info/201410/article_19.html

  2. リバサポ より:

    先日のコメントを取り上げてもらってありがとうございます。この件については概ね同じような考えです。スターリングもまだ19歳ですからね。疲労が溜まり思うようにプレーできずにフラストレーションが溜まってきた時の対処法を心得ていないのではないと思います。また、今回の件で精神的に悪い影響を及ぼさないことを願っています。

  3. makoto より:

    赤い巨人さん>
    ありがとうございます!さっそく読ませていただきました。こういう記事はいいですね。医学的根拠、事実に基づくしっかりした記事がなかなかなかったので、モヤモヤしていたところでした。

    リバサポさん>
    こちらこそ、ありがとうございます。スターリングがこれで曲がらず、まっすぐ成長してくれることを願っています。

  4. あああ より:

    忠誠心を疑う人が多いのは彼が移民って事と関係があるのでしょうか?
    ホジソンが「スターリングはコンデジションが良くなかったので私の判断で先発から外した」とか言っとけば良いだけの話でしたね。

    —–
    コンデジション→コンディションです笑

  5. makoto より:

    あああさん>
    誰が同じことになっても、一定ツイッターは荒れたのではないかと思います。ホジソン監督が、ロジャース監督につまらない意地を張ったがために…というお話のようですね。おっしゃるとおり、オトナの対応をすればいいだけでした。

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