偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグの楽しみのひとつとして、点取り屋たちが争う得点王レースがありますが、スタッツをチェックするのが大好きな私は、個性溢れるタレントが揃うアシスト王とドリブル王にも注目しています。昨季プレミアリーグのアシストランキングは、ティエリ・アンリと並ぶリーグレコードの20アシストを決めたデブライネがぶっちぎりのTOP。2位に入ったのは、DFとしてプレミアリーグ新記録となる13アシストを決めたトレント・アレクサンダー＝アーノルドで、3位にはチームメイトと1差の12本を記録したアンディ・ロバートソンが顔を出しています。

ドリブル業界のほうは、アザールとザハが争っていた時代が終わり、ウルヴスで成長を遂げたアダマ・トラオレの独壇場となりつつあります。昨季は1試合あたり5.0で、もちろん1位。ニューカッスルのサポーターを沸かせたサン＝マキシマンというニューフェイスが4.7で2位に入り、4ゴール3アシストに留まったザハが4.3で面目を保っています。さて、2020-21シーズンは、それぞれどんな顔ぶれになるでしょうか。

4節終了時点のアシストランキングTOPは、サウサンプトン戦でソン・フンミンの4発をすべてお膳立てしたハリー・ケインで6アシスト。2位はジャック・グリーリッシュとジョン・マッギンの好調ヴィラコンビで、それぞれ3アシストを決めています。デブライネ、アーノルド、ロバートソンは全員1アシストと慣らし運転モード。昨季プレミアリーグの後半戦だけで7アシストのブルーノ・フェルナンデスとともに、徐々に上位に進出するのではないでしょうか。

ドリブルランキングの1位は、相変わらず止まらないアダマ・トラオレで1試合あたり5.5というハイスコア。2位はフラムのMFアンドレ＝フランク・ザンボ・アンギッサで、前年のザハを凌ぐ4.5を記録しています。3位はリシャルリソンで4.0。3.8の4位はブライトンのソリー・マーチです。モー・サラーとサディオ・マネは3.0で5位に着けており、常連のザハは0.8で105位と大きく出遅れています。

ハイテンションな選手が集うアシスト＆ドリブルランキングですが、これから上位に進出しそうな期待のニューフェイスをピックアップしたいと思います。アシスト部門では、リシャルリソンとカルヴァート＝ルーウィンのゴールを生み出すハメス・ロドリゲス、ヴェルナーとのコンビネーションが楽しみなカイ・ハヴェルツ、意外性のあるラストパスで最終ラインを切り裂くブルーノ・フェルナンデス、ピンポイントパスの精度を誇るジャック・グリーリッシュ。ドリブルのほうは、出場機会が増えそうなブカヨ・サカと2年めで真価が問われるニコラ・ペペのガナーズコンビと、スパーズとエル・ブランコで一世を風靡したガレス・ベイルです。

とりわけ注目しているのは、ゴールとアシストを足せばデブライネを超えそうなカイ・ハヴェルツです。「ブンデスリーガも悪くはないけど、違いに気づいた。ここにはアベレージもバッドもいない。みんなとてもハイレベルだ」「デュエルとランの激しさははるかに上だ。完全に異なるリーグであり、ゲームは消耗戦となる」。チェルシーの公式サイトで、プレミアリーグへの戸惑いを率直に語った21歳は、ペースをつかめば大化けするでしょう。ヴェルナー、プリシッチ、メイソン・マウントといった決定的な仕事ができるチームメイトがいるのもプラス材料。未だ1アシストですが、シーズンの終盤には絶対王者デブライネを脅かすポジションにいるのではないかと期待しています。

得点王と比べると話題になりにくいランキングではありますが、追いかけ始めると結構はまるアシスト＆ドリブルの有力候補を紹介させていただきました。「ブルーノ・フェルナンデスとラシュフォードがTOPに君臨すれば、チャンピオンズリーグ出場権をキープできそう」と思いつつ、予想しろといわれると、リヴァプール、マン・シティ、チェルシー、ウルヴス、アーセナルから選んでしまいそうです。みなさんが選ぶ最高のドリブラーとアシストキングは誰でしょうか？オンライン飲み会で盛り上がり必至のテーマです。ぜひ！