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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

新契約締結後、シュート激減…メディアが指摘する「オーバメヤンがゴールを決められない理由」。

開幕に向けたコンディショニングがうまくいかなかったマンチェスター・ユナイテッドは、2勝1分2敗でプレミアリーグ15位。リヴァプール、マンチェスター・シティ、レスターと昨季プレミアリーグのTOP5に勝てなかったアーセナルは、3勝3敗で11位。かつて2強と呼ばれ、当たり前のようにトロフィーを争っていた2つのクラブが、ボトム10同士として激突するとは想像できませんでした。マンチェスター・ユナイテッドはリーグ16位の12失点を喫した守備が不振の元凶で、アーセナルは6戦8ゴールと得点力不足を解消できていません。目下の最大の懸念は、オーバメヤンのスランプです。開幕のフラム戦でゴールを決めたストライカーの5試合連続ノーゴールは、プレミアリーグ参入後のワーストです。

アーセナルに入団してからの2年半で、プレミアリーグ91試合55ゴール13アシストという数字を残しているスピードスターの不振について、「スカイスポーツ」が関連するデータを紹介しています。「新しい契約にサインした9月15日以降、すべての重要な指標が大幅に低下している」と指摘するのは、今回のレポートを寄稿したスポーツジャーナリストのルイス・ジョーンズ氏。1試合あたりのゴール数は0.67からゼロ、シュート数は2.78から1.00に落ちており、1.44だったオンターゲットは0.60となっています。ボックス内のボールタッチは、90分あたりで4.67から2.40。新契約を締結した後の5試合は、それまでのオーバメヤンとは別人です。

「彼の数字を、現在のプレミアリーグのTOPゴールゲッターたちと比較すると、目を見張るような絵になる」。ルイス・ジョーンズ氏は、得点王争奪戦の上位にいるストライカーと、アーセナルのエースを比較しています。ゴールの期待値を示すxGは、ハリー・ケインとジェイミー・ヴァーディーが4.62、カルヴァート=ルーウィンが4.27、サラーが4.00となっており、セカンドグループのバンフォードは3.25、ソン・フンミンは2.69。彼らに対してオーバメヤンは0.43しかなく、ゴール数で水をあけられているのは当然という数字です。

ボックス内のボールタッチは、モー・サラーがぶっちぎりTOPの66回。バンフォードが31、ソン・フンミン29、ハリー・ケイン28と続き、カルヴァート=ルーウィンは25、ヴァーディーは19、オーバメヤンはさらに下の16回です。レスター戦の平均ポジションを見て、絶句しました。オーバメヤンはハーフラインを越えたあたりで、右のインサイドMFと重なっており、CBともさほど変わりません。守備に忙殺される時間が長いうえに、中央に斬り込む形を創れておらず、1本シュートを打ったらタイムアップという試合を繰り返しているのです。

アーセナルで1試合あたりのシュート数が最も多いのはブカヨ・サカで、オーバメヤンを大きく引き離す2.72本を記録しています。オンターゲットは1.36本、ボックス内のタッチは5.17で、いずれもエースの2倍以上。左サイドを主戦場とするキャプテンは、カットインしようとするサカにボールを預けるシーンが多く、左からのラストパスの供給源として組み込まれてしまっています。レスター戦のアーセナルにおける後半唯一のオンターゲットは、象徴的でした。ボックスの左脇を突破したオーバメヤンがファーにクロスを上げ、ベジェリンがボレー。シュマイケルに弾かれた瞬間、思わず「逆だろ!」とツッコミを入れてしまいました。

ラカゼットの1試合あたりのタッチは6.18、エンケティアは5.24。2.40しかないオーバメヤンを彼らのポジションに入れれば、ガナーズの得点力は高まるのではないでしょうか。4-1-3-2、3-1-4-2など2トップにシフトするか、左右にサカとウィリアンを配してゴールに集中してもらうか。オーバメヤン問題が解決しない限り、アーセナルが連勝モードに突入することはないと思われるのですが…。マンチェスター・ユナイテッド戦は今のままでお願いしたいのですが、アルテタ監督の打開策に注目したいと思います。



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