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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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高額オファー拒否、水タバコの次は笑気ガス! ゴシップ3連発のスターリング、来季はいずこへ⁉

ブレンダン・ロジャース監督は大変です。噛みつき事件のスアレスがいなくなったと思ったら、今季は新しいトラブルメーカーが誕生してしまいました。開幕前に本命だったバロテッリは、ツイッターで余計なことをつぶやかなければ、さほど問題なし。PKを蹴らせろと主張したりハードタックルに激高したりはするものの、本気で勝ちたい気持ちがそうさせているだけで、ピッチの外では意外と穏やか。むしろ、多少トラブルを起こしてもいいからプレミアリーグでゴールを決めてくれと思ってしまうぐらいです。今季の危険な人物は、プレミアリーグでゴールを挙げているほうのアタッカーでした。ラヒム・スターリング、20歳。自ら撒いた種とはいえ、高給オファーを拒否したと移籍報道が過熱している現状に、ストレスをためているのでしょうか。10月に非難された、イングランド代表で出場を辞退した直後のナイトクラブ出没ぐらいならまだよかったのですが、先週の喫煙騒動の後は、笑気ガス吸引。若きサイドアタッカーを再三にわたって擁護してきたロジャース監督も、さすがに頭を抱えていることでしょう。

サッカーのブログを書いていて、日本ではなじみが薄いタバコとガスについて調べることになるとは思いませんでした。いわゆる水タバコは、中東や北アフリカで「シーシャ」と呼ばれているもの。アフリカに勤務している兄を持つ友人がくれたガラス製の吸引器が手元にあるので、紙巻きタバコよりも断然体に悪いのはよくわかります。皿の上に盛ったタバコの葉に火をつけ、ガラス瓶の水を通して吸うシーシャは、紙巻きタバコと比べると、とにかく吸っている時間が長いのです。1回1時間、紙巻き20本分以上の煙の量などというのは当たり前。スターリングがちょっと遊びで吸ってみただけなのか、ときどき隠れてやっているのかまではわかりませんが、スポーツ選手は絶対に手を出してはいけないシロモノです。本場にルーツを持つシャマフさんや、ときどき話題になるウィルシャー先輩はコレで結構叱られました。

そして今回の笑気ガスのほうですが、成分は亜酸化窒素で、吸引は現地では合法です。医療現場で麻酔薬として使われているもので陶酔効果があり、毒性は低いらしいのですが、体をケアしなければならない職業の方は、こちらもやらないに越したことはないでしょう。イギリス紙「デイリー・メール」によると、吸引現場は自宅のリビングルームで、発覚は動画流出。風船に入れたガスを吸引したスターリングが表情を弛緩させている写真がメディアを駆け巡っておりましたが、一部ではそのまま失神したとも伝えられています。リヴァプールの広報は、度重なるゴシップに「クラブ側で対処する」と激おこモードのようですが、プレミアリーグ4位を争っている今は、騒ぎを小さくするほうが得策。おそらく、とりあえずの罰金ぐらいで済ますのではないでしょうか。

クラブとの契約交渉内容をスターリングがポロッと口にしてしまったときは、「人間はミスを犯すもの。特に若い頃はね。彼はこれからルールを学んでいくだろう」と余裕が感じられたロジャース監督。これが水タバコとなると「ラヒムと話し合う。ここにいる選手は、ピッチ内外において素晴らしいプロフェッショナルであってほしいし、サッカーに集中してほしい」と、一段緊張感が上がったコメントをイギリスメディア「スカイスポーツ」に残していました。その余韻冷めやらぬ今回、予測不能の風船動画。ガスでも吸って笑い飛ばしてしまいたいのは、ロジャース監督のほうでしょう。

といいつつ、この件で私が気になったのは、ご本人でもロジャース監督でもなくヴェンゲル監督です。巷ではスターリング獲得を検討していると伝えられていますが、大丈夫でしょうか、ジャック・ウィルシャーとの水タバココンビ(あるいはシュチェスニーも加えたシガレットトリオ?)。私もそちら側にいたのでよくわかりますが、若気の至りで男子トイレにこもる高校生といい、オフィスビルのリフレッシュルームに通うサラリーマンといい、喫煙者はつるむのが大好きです。1回のゴシップで終わらなかったウィルシャーと、クラブでも代表でも行動をともにすることになれば…。もうやらないといっているガナーズの背番号10を信じるしかありませんが、何もわざわざペアにしなくてもいいのにと思わずにはいられません。

いや、バロテッリもスアレスも獲りにいっていたといわれるヴェンゲル監督は、むしろ問題を抱える若者を立派に育て上げることに喜びを感じるのかもしれません。インテルでスランプに陥っていたベルカンプ、ユーヴェでくすぶっていたアンリ、何かと問題が多くなかなか芽が出なかったアネルカと、悩める未完の大器の面倒をどれだけ見てきたことか。「プレミアリーグの金八先生(古いですが、ごくせんやGTOよりこちらが雰囲気です)」が、スターリングをウィルシャーもろとも模範的なプレイヤーに更生させたら、それはそれで拍手ですが…。(ラヒム・スターリング 写真著作者/Biser Todorov)

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