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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「スカイイタリア」が火を着けて「スカイスポーツ」が消火報道…ルカク騒動の真相をリサーチ!

「フィジカルはとても良好だ。ただし、今の状況にはあまり満足していない。でも、それはよくあることだ。ボスは違うフォーメーションでプレーすると決めたみたいだけど、僕はそれに耐え、プロとしてやっていかなければならない。これが自分の仕事だから、諦めてはいけない」

「あのようなことは起こってはならない。インテルからの去り際、そしてファンとのコミュニケーション。今はこんな時期だから苛立っているけど、退団したタイミングが悪かったんだ。いつもインテルが大好きで、いずれまた彼らのためにプレイするといってきた。本当にそう願っている。イタリアが好きになったから」

「今こそ、何が起こったのかをみんなに伝えるべきだ。悪い話はしないほうがいいとは思わない。そういうのは好きじゃないね。インテルのファンには、本当に謝りたい。あんな形で出ていきたいとは思っていなかった」

「特にいいたいのは、僕自身と家族のために、母や息子のためにしてくれたことを、決して忘れないということ。キャリアの最後ではなく、トロフィーを獲得できるレベルにある間に、インテルに復帰できるよう心の底から願っている」


物議を醸したのは、12月の初めに「スカイイタリア」から受けたインタビュー。負傷する直前のブレントフォード戦以降、プレミアリーグで先発出場がなかったロメウ・ルカクは、ロンドンの自宅に訪れた記者に「トゥヘル監督の戦術に不満あり」とも取れる発言をしてしまいました。

2019-20シーズンのインテルで、キャリアハイとなる公式戦51試合34発。昨季も44試合30発と、最高の時を過ごしていたストライカーは、チェルシー復帰後のプレミアリーグで10試合3ゴールと苦しんでいました。不満を募らせたのは、負傷が癒えた後の3試合で、先発から外されたからでしょう。カイ・ハヴェルツを最前線に配する布陣を見て、自分のようなタイプは新しい戦い方にはまらないと思ったようです。

一方、トゥへル監督にとっては、ルカクの発言は寝耳に水でした。「彼は不満があるようには見えなかったので、とても驚いている。ロメウの状況を理解するために時間をかけたい。毎日の彼の姿勢には、まったく表れていなかった」とコメント。「もちろん、好ましくはない。われわれに必要のないノイズをもたらすもので、何の助けにもならない」と率直な思いを口にしています。

指揮官は、負傷明けのエースに無理をさせたくなかっただけでしょう。復帰初戦のマンチェスター・ユナイテッド戦は8分、ワトフォード戦が21分、ウェストハム戦は急遽45分、CLのゼニト戦でようやく75分、中2日とタイトだったリーズ戦は3分という出場時間が、ケガの再発を怖れていたことを証明しています。いよいよ次はフル出場となった矢先に、今度はコロナウイルス。2度めの復帰戦となったアストン・ヴィラ戦で45分プレイさせた後も、トゥヘル監督はルカクを気遣っていました。

「彼はとてもよいパフォーマンスを見せた。とても貢献してくれた。でも、まだフェアに判断できない。彼が望んだとしても、準備ができていない」

「彼が超重要な存在であることは間違いない。ロメウはキープレーヤーになるだろう。(プレミアリーグで)最後に先発したのは10月だったけど、クオリティに問題がなければ、いないほうがいいなどという疑念はない。彼は不運にも、ケガをしてしまっただけだ」

「このスケジュールのなかで、何とか復帰してもらおうと苦闘しているときに、今度はCovidに捕まった。45分は、フィットネスとメディカル部門が勧めた時間より長かったが、われわれはリスクをとって攻撃的に戦いたかったんだ」

ボクシングデーのヴィラパークでは、1ゴール1アシスト。年末最後のゲームとなったブライトン戦は久々のフル出場で、28分に先制ゴールを叩き込んでいます。復活の兆しが感じられたゲームの翌日に、「スカイイタリア」が問題の記事を配信。何とまあ、間が悪い…!プレミアリーグの優勝争いから脱落するや否やという状況で、「いずれインテルに戻りたい」はバッドタイミングでした。

リヴァプール戦を欠場した後、トゥヘル監督とルカクは膝を突き合わせて話し合ったそうです。昨日の「スカイスポーツ」が、「ルカクは自らの発言が間違いだったと認めた」「今月も、次の夏も移籍はない」と報じています。

かくして、一件落着。グレアム・スーネスが「チームメイトに謝罪すべき」と主張し、ガリー・ネヴィルは「謝罪は不要だけど、信頼を取り戻すためにがんばらないと」といっていますが、ここから先は当事者同士でうまくやればいいでしょう。

彼の発言は、あくまでも「現状に不満だけど、プロだからがんばる」。インテルの話は、「契約延長できると思っていたのに、彼らはしたくなかったようで、受け入れるのが大変だった」と夏の喧騒について正直に話した後、マッテオ・バルザーギさんに「ファンにメッセージを」と促されて、乗っかっちゃっただけなのですから。

われわれの日常にもよくある「上司の指示を聞いて、疑心暗鬼になっちゃった。でも不満があるとはいいづらい」というお話。誰かに相談して、「ユー、直接話しちゃいなYO!」といってもらえれば、すぐに解決したのではないでしょうか。スパーズ、スパーズ、マン・シティ、スパーズという激戦が始まる前にわかりあえたようで、何よりです!


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