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ファルカオが移籍志願⁉ ちょっと気になるモウリーニョ監督の「控え選手の扱い方」

チェルシーのラダメル・ファルカオが、1月にプレミアリーグを離れるのではないかと噂されています。イギリスメディア「デイリー・ミラー」「テレグラフ」などによると、コロンビア代表ストライカーは、出場機会が少ないことにストレスを溜めており、このままでは代表のレギュラーも危うくなってしまうと危惧しているとのこと。今季プレミアリーグでは、9試合のうち7試合232分に出場して1ゴール。リーグ戦でわずか4ゴールと不本意な結果に終わったマンチェスター・ユナイテッドでは、9月入団の直後に途中出場し、以後3試合はスタメン起用されて、同じ10月20日の時点では5試合250分で1ゴールでした。

復活を期待していたか悲観的に見ていたかに関わらず、大方のプレミアリーグファンにとっては、彼のプレイぶりとこの数字は「想定の範囲内」なのではないでしょうか。昨季20ゴールのジエゴ・コスタという絶対的なエースがいるチームで、レギュラーと控えの序列が明確なモウリーニョ監督です。少なくとも当初はベンチスタート。アトレティコ・マドリード時代に同僚だったエースが無事なら、シーズンを通じて2番手というポジションを受け入れなくてはならないことは、本人もファンも織り込み済みの入団だったはずです。

ましてや今季はチェルシーは不調のどん底にあり、ジエゴ・コスタですらファインゴールは1つしかありません。「1月移籍を代理人にリクエストしている」という報道は、タブロイド紙お得意の作文の可能性も充分にあるものの、事実であればあまりにも性急です。記事には、チャンピオンズリーグのポルト戦と直近のプレミアリーグ、アストン・ヴィラ戦でベンチ外となったことに失望したとありますが、「このぐらいのことは、想像できたのではないですか?」といいたくなります。

「引き続き、期待してます!」と明るくスルーしてもよさそうなのですが、少し気になることがあります。先日、「タイムズ」にインタビューされたマタが、モウリーニョ監督の下で自信を失ったと語っており、元上司の選手に対する見方を批判していたのです。

「僕は、チェルシーでもマンチェスターユナイテッドでも、多くのゴールを決めている。チームには、試合を変えることができるクリエイティブな選手がいたほうがいいと思っている。しかしチェルシーでは、チームが勝てなくなると、『贅沢な選手』、すなわちクリエイティブな選手が非難される」(ファン・マタ)

モウリーニョ監督は「好まない選手」の見切りが早く、一度信頼を失うと半年程度で移籍まで話が進むケースが多いのは確かです。出される選手の特徴は、「クリエイティブだが守備をしない(と判断された)アタッカー」「運動量が少なく、周囲を使えないFW」。マタを筆頭に、シュールレ、デブライネ、モハメド・サラー、クアドラード。最近ではオスカルの信頼度が下がっているように見受けられ、アザールもパフォーマンスがスーパーでなければ、このグループに入ってしまう可能性があります。アーセナルやマンチェスター・シティの中堅クラス以上の選手が、控えであることや出場機会の少なさのみを理由に移籍するのは稀です。最近では、ヨヴェティッチとポドルスキぐらいでしょうか。一方で、モウリーニョ監督のチームからは多くの選手が離脱しているのはなぜでしょう。私は、「控えにまわされると扱いがそっけなくなり、選手が自信を失ってさらに力が発揮できなくなる」といった悪循環が起こるケースがあるのではないかと推測しています。2人の選手が、こんなことをいっていました。

「僕はモウリーニョ監督とは2回しか話をしておらず、充分な説明を受けていなかった。彼は僕にチャンスを与えるといってくれて、1週間、1カ月と懸命にトレーニングしたけど、プレイする機会はなかった。だから僕は移籍したいといったんだ」(ケビン・デブライネ)
「チェルシーでの2年目に、モウリーニョ監督から信頼されていないと感じた。それがなぜなのかはわからない」(アンドレ・シュールレ)

前述の報道が「当たらずとも遠からず」「火のないところに煙は立たず」だとすれば、ファルカオの不安は控えであることではなく、なぜ現状の扱いなのかがわからず、未来に希望が持てない日々を過ごしていることなのかもしれません。ファン・ハール監督のチームには、フェライニやアシュリー・ヤングなど構想外といわれていた選手でも、結果さえ出せば復活できる臨機応変さがありました。マンチェスター・ユナイテッド時代のファルカオは、最後の4ヵ月はゴールがなかったものの、プレミアリーグでスタメン5試合、トータル13試合の出場機会があり、彼は最後まで「クラブに残留したい」といっておりました。

シュールレは微妙ですが、デブライネ、マタ、サラー、ダヴィド・ルイスと、チェルシーを出た選手の多くが素晴らしい活躍をしています。モウリーニョ監督が、チームの可能性と選択肢を狭めるマネジメントをしているとすれば、クラブは年を追うごとに疲れていってしまうのではないでしょうか。報道は玉石混交ですが、大半が同じような方向を向いているように見えます。ファビオ・カペッロさんが「モウリーニョは1年半で選手をバーンアウトさせてしまう」と語ったのは、存外当たっており、1回だけじゃないですかと私が笑って過ごしていた「モウリーニョの3年め的現象」には、3かどうかはともかく、何かしらの根拠があるのかもしれません。結果を出せる監督なのは間違いないので、何とか立て直していただきたいのですが…。(ラダメル・ファルカオ 写真著作者/cfcunofficial)

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“ファルカオが移籍志願⁉ ちょっと気になるモウリーニョ監督の「控え選手の扱い方」” への2件のフィードバック

  1. オーファーマネスル より:

    管理人さんのおっしゃる通りだと思います。私はチェルシーファンですが、アザールにまで出場機会を与えなくなり、放出なんていう流れになったら、モウリーニョはホントに何を考えているのかわからなくなります。有能な選手をとってはすぐ放出というこのサイクルは止めてほしいです。ただファルカオはもう難しそうですね。

    —–
    モウリーニョ監督が、ある意味追放されるように強豪クラブを転々とするのは、彼が全体の選手レベルを底上げできないからだと思います。
    プロ選手経験が無く、合理的に指導者になったモウリーニョには、モチベーションによって努力や能力が左右されるプロ選手を理解できないのかもしれません。
    おそらく、アザールも調子が戻らなければ飼い殺しでしょう。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    モウリーニョ監督は代表のほうが向いているのではないでしょうか?
    短期間で適材適所に選手を配置しチームを作り上げる能力は格別だと思います。
    代表では選手を育成する必要もないですしどうですかね?

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    モウリーニョがファルカオの件について彼とは毎日話しているが、そんな話が出たことはないって言ってますね。少し勇み足では。

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