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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグ10月MVPは9戦連続ゴールの苦労人ヴァーディ、最優秀監督はヴェンゲル監督!

ノリッジ、セインツ、クリスタル・パレス、WBAの4戦で5ゴール。現在も9戦連発を継続中。チームは10月のプレミアリーグを3勝1分けで走り抜けたとなれば、最有力候補だったのは間違いありません。イギリスメディア「スカイスポーツ」が報じたプレミアリーグ10月度月間MVPは、レスターのFWジェイミー・ヴァーディ。最優秀監督は、月初のマンチェスター・ユナイテッドを皮切りに、ワトフォード、エヴァートン、スウォンジーと4連勝を飾ったアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督です。MVPのほうはメスト・エジルの影がちらつくものの、マネージャーは文句なしです。お2人とも、おめでとうございます!

16歳のとき、シェフィールド・ウェンズデイで失格の烙印を押され、当時はノーザンプレミアリーグ・ディヴィジョンワン(8部相当!)所属だったストックスブリッジ・パーク・スティールズでリスタートを切ったヴァーディは、24歳だった2011-12シーズンまでカンファレンス・ナショナル(まだ5部!)のフリートウッド・タウンにいた超遅咲きです。2012年にレスター入りしたものの、1年めはチャンピオンシップ(2部)で4ゴールしか挙げられず批判を浴び、ようやく16ゴールを奪ってクラブのプレミアリーグ昇格に貢献したのが2年前。トップリーグはわずか1シーズン、昨季プレミアリーグの前半戦は1ゴールしかなく、チームも最下位。注目されるようになったのは、レスターが7勝1分け1敗と突然勝ち出し、ヴァーディ自身も3ゴールを決めた4月以降でした。

そんな選手が、12試合12ゴールでプレミアリーグの得点王レースを独走し、イングランド代表として来年開催のユーロに出場濃厚となるまでジャンプアップするとは、誰が想像したでしょうか。ヴァーディは既に28歳です。前任のピアソン監督と、今季就任したラニエリ監督の直線的なサッカーに、彼は見事にはまりました。最後方で相手の攻撃を止め、中盤のドリンクウォーターやカンテにボールがつながると、最前線のヴァーディの前には広大なスペースがあり、駆けっこでDFをぶっちぎってシュートを決めるのが得意の形のひとつです。「信じられない賞をもらった。みんながいつも僕をゴールの近くにいられるようにしてくれるから、素晴らしい賞を取れたのだと思う」という受賞コメントは、ご本人の率直な気持ちでしょう。次戦、21日のニューカッスル戦では、ファン・ニステルローイが持つ10試合連続ゴールというプレミアリーグレコードに並ぶかが注目されています。

レスターは12試合で7勝4分け、スパーズと並んでプレミアリーグ最少の1敗で3位をキープ。首位と勝ち点差1は大健闘です。ただし、彼らの真価が問われるのはこれからでしょう。彼らは、アーセナルとトッテナム以外のトップクラブとは当たっておらず、アーセナルには5失点で大敗。強豪との戦いを数多く残しているにも関わらず失点が20もあり、チャンピオンズリーグ出場圏内にいるクラブとは思えない数字です。今月末にはすぐ下につけているマンチェスター・ユナイテッドとの「直接対決」があり、年末にはチェルシー、エヴァートン、リヴァプール、マンチェスター・シティという恐怖の4連戦が控えています。ここでヴァーディが結果を出し、5割以上の戦績で乗り切れれば、ラニエリ監督のチームの強さは本物でしょう。

ケーヒル、ストーンズ、シュクルテル、コンパニなどプレミアリーグを代表する屈強なCBに対して、ヴァーディはイングランド代表選手らしい結果を出せるでしょうか。岡崎慎司の活躍だけでなく、苦労人ヴァーディのチャレンジにも注目してまいります。

そして最優秀マネ―ジャーは、9月26日にヴァーディのレスターを2-5で屠ったアーセナルのヴェンゲル監督。サー・アレックス・ファーガソンの27回に次ぐ歴代2位となる15回めの受賞です。プレミアリーグ4連勝という結果だけでなく、得点11、失点1と内容が素晴らしかったのが、10月のガナーズ。チームを牽引したのは、この間3ゴールと完全に復調したアレクシス・サンチェス、途中出場でもゴールを奪ってウォルコット負傷後は最前線で体を張ったオリヴィエ・ジルー、CBながら2ゴールを挙げたコシールニー、すべてのゲームでアシストを記録したメスト・エジルでした。

9月にはプレミアリーグ4位だったチームは、この連勝でマンチェスター・シティと同勝ち点の2位に上がったものの、ウォルコット、チェンバレン、ラムジーらの負傷もあって11月はやや停滞気味です。インターナショナルマッチウィーク明けには、何人かが復帰する見通しなので、レスターやマンチェスター・ユナイテッドを問題にしなかったあの強さを再び見せていただければと思います。2013-14シーズンにはアーセナルは2月まで首位にいましたが、当時よりも今シーズンのほうがプレミアリーグ優勝に近いところにいるのではないでしょうか。アレクシス・サンチェス、エジル、カソルラ、コクランに長期離脱がなければ、デブライネやオタメンディの補強でさらに強くなったマンチェスター・シティとのマッチレースを制する可能性も充分です。

10月表彰は、ベテランコンビの受賞となりました。一昨年のリッキー・リー・ランバートもそうでしたが、遅咲きの選手が30歳前後でブレイクする姿には胸を打たれます。ヴァーディには、ぜひユーロのピッチに登場していただき、イングランドの上位進出を決定づける素晴らしいゴールを挙げていただければと今から期待しています。いいシーズンにしてください!(ジェイミー・ヴァーディ 写真著作者/Pioeb)

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“プレミアリーグ10月MVPは9戦連続ゴールの苦労人ヴァーディ、最優秀監督はヴェンゲル監督!” への2件のフィードバック

  1. スパサポ より:

    スパーズも今シーズンまだ1敗ですよーT_T

  2. makoto より:

    スパサポさん>
    大変大変失礼いたしました!まったくそのとおりです。キャピタルワンカップの印象が強いのか、ときどき1敗はレスターのみという頭になってしまっているようです。プレミアリーグ11戦負けなしのチームを忘れてはいけませんね。ありがとうございます。訂正させていただきました!

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