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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ポッター就任後、プレミアリーグノーゴール…ラヒム・スターリングが復活するために必要なこと。

チャンピオンズリーグ2022-23シーズン、グループステージ最終節。既に首位通過を確定させているチェルシーにとっては、ディナモ・ザグレブとのホームゲームは消化試合ですが、プレミアリーグでブライトンに大敗した直後だけに、しっかり勝ち切りたい一戦です。

しかし、先制したのはザグレブ。7分という早い時間のサイドアタックでした。右サイドから上がったモハラミがファーにクロスを上げると、アデミとアスピリクエタが競ったボールが中央に浮き上がります。フリーだったペトコヴィッチのヘッドに、メンディは触るのが精一杯。スタンフォード・ブリッジで負けるわけにはいかないチェルシーは、主導権を握って攻め続けました。

同点ゴールは18分。ジョルジーニョが縦に出したスルーパスは、シュタロの必死のスライディングでボックス右に流れました。先着したオーバメヤンのヒールパスをペリッチがカットできず、後ろにいたスターリングがキープ。体勢を崩したペリッチをかわして放った左足のシュートが、左のサイドネットに収まりました。1ヵ月半ぶりに決めた17番は、ガッツポーズで喜びを表現しています。

決勝ゴールは30分。右サイドを完全に突破したアスピリクエタが中央に折り返すと、シュタロが触ったボールがザカリアの足元に転がりました。ポストの脇にいたモハラミは、右足の強烈なシュートをクリアし切れず、ラインを越えたボールを見届けるしかありません。最後まで2-1をキープしたチェルシーは、4勝1分1敗で最初のステージをクリアしました。

この試合で注目していたのは、オーバメヤンとの2トップで起用されたラヒム・スターリングです。ポッター監督の就任以降、プレミアリーグ5試合でノーゴールのスピードスターは、同点ゴール以外に存在感を示せませんでした。シュート3本のうち2本はミス、チャンスクリエイトはゼロ、5本のクロスと2回のドリブルはすべて失敗。デュエルは1勝10敗という冴えない数字です。

「スカイスポーツ」によると、チェルシー初年度のスターリングは、出場機会が少ないと不満を溜めていたマン・シティ時代よりパフォーマンスが落ちています。プレミアリーグとCLのスタッツを見ると、90分あたりのゴール数は0.55から0.29、アシストは0.29が0.14、2.7本だったシュート数は1.5本。ファイナルサードでのパス成功も、15.5から11.3に減っています。

これらの数字について、ウイングバック起用を一因として挙げる向きもあるでしょう。しかし実際は、前線で起用されたときとWBでさほど数字に差がなく、90分あたりのシュート数とファイナルサードでのパス成功は、わずかながらWBが上回っています。

ジョー・シュレッド記者は、WBとフォワードのヒートマップを並べて、こんな説明を加えています。「ポッターはスターリングに対して、WBでも攻撃的にプレイしてほしいと依頼しているように見える。平均ポジションは、ほぼすべての時間を相手陣内で過ごしたことを示している」。ポジションによってパフォーマンスに差がないとすれば、マン・シティ時代の役割に定着させればOKというシンプルな話ではないということでしょう。

ザグレブ戦のスタッツから浮かび上がる言葉は「孤立」です。スターリングに必要なのは、得意なポジションを任せられることに加えて、コヴァチッチ、チルウェル、ククレジャ、コナー・ギャラガ―、メイソン・マウントとの連携や、彼らのサポートのクオリティを高めることなのだと思います。トゥヘルの下では3ゴール1アシストと順調だったアタッカーの復活は、グレアム・ポッターの重要な仕事です。


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