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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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守備のスタッツは昨シーズンより大幅に低下…カゼミーロに何が起こったのか?

ウルヴスとの開幕戦は、マテウス・ヌネスやマテイス・クーニャにドリブルで4回抜かれ、デュエルは2勝12敗。メイソン・マウントが機能しなかったスパーズ戦は守備の負担が増大し、ヴィカーリオのビッグセーブに阻まれた56分のヘディングが唯一の輝きでした。

最初の2試合で本領を発揮できなかったカゼミーロは、いずれ調子を上げてくるものと思っていました。3節はノッティンガム・フォレストとのホームゲーム。快勝を期待した一戦は、4分までに2失点を喫する最悪の幕開けとなりました。56分に同点ゴールをゲットしたブラジル人MFは、守備における課題を解決したとはいえませんでした。

エリクセンとのコンビ復活で期待されたアーセナル戦は攻撃に貢献できず、3-1で完敗。アンカーで起用されたブライトン戦は、ゴール前に走り込んだウェルベックに着いていかず、先制ゴールを許したシーンが批判の対象となりました。開幕からの5試合で最も気になるスタッツは、ドリブルで抜き去られた回数です。

90分あたり2.8回は、レアル・マドリードでプレイしていた2021-22シーズンの1.3回の2倍以上。焦りからか無謀なタックルを仕掛け、あっさりかわされるシーンが目立っています。CLのガラタサライ戦では、オナナのミスパスをカットしたメルテンスを絶望的なスライディングで引っかけてしまい、PKとレッドカードという最悪の結果を招いてしまいました。

マクトミネイの劇的な2発で逆転勝利に漕ぎ着けたブラントフォード戦も、自陣でパスをカットされたのが失点のきっかけでした。エンベウモに奪われた後の無謀なスライディングは、足に当たっていたら1発レッドとなっていたかもしれません。彼を退場させたのはレフェリーではなく、ハーフタイムで見切った指揮官でした。

守備の貢献度の低下は、スタッツを見れば明らかです。カゼミーロのタックル成功数は、2022-23シーズンの90分あたり3.77回から2.91回にダウン。昨季は90分あたり1.43回だったインターセプトは、0.69回に留まっています。初年度は出場した試合の勝率が72%で、欠場すると66%。欠かせない存在だったセントラルMFは、同じレベルのパフォーマンスを再現できていません。

不振の要因は年齢からくる衰えか、焦りによる判断力の低下か。おそらく後者で、守備の負担が大きかった開幕直後の数試合でミスを連発し、余裕を失ったのではないかと思われます。13日にテン・ハフ監督と会談を行うと報じられておりましたが、どんな話をしたのでしょうか。自信を取り戻すカウンセリングか、あるいはマクトミネイを優先するという通告か…。

昨季プレミアリーグで3位フィニッシュの立役者となった百戦錬磨のMFが、自らのレベルを取り戻してくれれば、今季もCL出場権に手が届くはずです。プレミアリーグ2023-24シーズンは、まだ8試合。インターナショナルブレイク明けのシェフィールド・ユナイテッド戦で本領を発揮し、戦えるメンタルを取り戻してマンチェスターダービーに臨んでいただければと願っています。


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