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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

決勝アシストは覚醒のきっかけとなるのか…うまくはまらないカイ・ハヴェルツの最適な起用法は?

トーマスのロングフィードを冨安健洋が頭で落としたのは86分。足元に収めた彼がシュートを諦めたのは、ナタン・アケのチャージで体勢を崩したからでしょう。それでも、左足で後ろに流したボールは正確でした。マルティネッリの強烈なシュートがナタン・アケの顔に当たってゴールに飛び込み、決勝アシストのカイ・ハヴェルツは勝利の立役者のひとりとなりました。

6500万ポンドでアーセナルに移籍したレフティは、左のインサイドMFという役割を自分のものにできず、苦しんでいます。最初の4試合は、キーパス6本、ファイナルサードへのパス12本。開幕節のノッティンガム・フォレスト戦はまずまずだったものの、その後はボールへの関与が減ってしまい、デュエルはまずまずのつなぎ役に甘んじていました。

エヴァートン戦とノースロンドンダービーはベンチスタート。ファビオ・ヴィエイラが目覚ましい活躍を遂げていれば、ボーンマス戦も勝負どころで投入されるゲームチェンジャーだったはずです。0-4で快勝したバイタリティ・スタジアムの一戦は、81分の出場でパス19本と低調でしたが、サカとウーデゴーアからPKを譲られて移籍後初ゴールをゲットしています。

最初の8試合は、ビッグチャンスクリエイトもスルーパスもゼロ。シュートは9本、オンターゲットはボーンマス戦のPKのみで、クロス成功は2本しかありません。同じサイドで後方にいるジンチェンコは、ビッグチャンスクリエイト2回、スルーパス1本、クロス13本。カイ・ハヴェルツが上回っているのは、9対8と僅差のシュート数とデュエルの勝利数ぐらいです。

ジャカの後継者問題は、しばらくはくすぶり続けるかもしれません。候補となるのはファビオ・ヴィエイラ、スミス・ロウ、カイ・ハヴェルツか。ドイツ代表の半分以下の出場時間で、2アシストを記録しているファビオ・ヴィエイラは、ビッグチャンスクリエイト2回、スルーパス3本、クロス10本。運動量と守備力は劣るものの、攻撃の貢献度はカイ・ハヴェルツを凌駕しています。

本来はトップ下で起用したいスミス・ロウは、4-3-3ならマルティネッリのポジションのほうが機能しそうです。現状のベストはマン・シティ戦ベースで、アンカーにジョルジーニョかトーマス、左にデクラン・ライスでしょう。これによってジャカ問題は一旦落ち着きそうですが、「カイ・ハヴェルツをどうするんだ問題」のほうは先送りとなります。

「最前線に据えればいい」という声もあるようですが、チェルシーで過ごしたプレミアリーグ3シーズンで、CFとしては15ゴール。移籍初年度は26試合11ゴールだったジェズスよりベターとはいえません。あるいはウーデゴーアと左右を入れ替えれば、ゴールに向かうプレイが増えるでしょう。とはいえ、うまくいっているサイドの顔ぶれを変えるのは勇気が要ります。

ウーデゴーア、サカ、ベン・ホワイトが右サイドを崩して、ジェズスとマルティネッリの背後からゴール前に現れたカイ・ハヴェルツが仕留める…そんなシーンが日常となれば、アーセナルはプレミアリーグ制覇に近づくでしょう。経験値を高めれば解決するのか、指揮官とSDの過大評価だったのか。白黒をつけるのは3年後でもいいのですが、優勝をめざすチームは当面の最適解を導き出さなければなりません。

昨季王者とのビッグマッチで、プレミアリーグ12連敗という屈辱の歴史を終わらせたアシストは、窮状を変えるターニングポイントとなるのでしょうか。インターナショナルブレイク明けは、古巣チェルシーとのロンドンダービー。アルテタ監督は、守備が機能したマン・シティ戦と同じ布陣を選ぶような気がするのですが…。


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