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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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サッカー賭博に手を染めたトナーリ、サッカー賭博は否定したザニオーロは今後どうなる…?

ユヴェントスのMFニコロ・ファジョーリに、サッカー賭博違反の疑いがあると報じられたのは11日。その翌日の18時、フィレンツェ郊外のコベルチアーノに、トリノの検察当局の車が到着しました。イタリア代表のトレーニングベースから連行されたのは、サンドロ・トナーリとニコラ・ザニオーロでした。

プレミアリーグに参入したばかりの2人は、違法なオンラインベッティングプラットフォームでサッカー賭博に興じたという容疑で事情聴取を受けました。イタリアでは、国から認可を受けたブックメーカーなら問題なし。無認可のサイトにお金を突っ込むと、3ヵ月の懲役あるいは44100 ポンド~447000 ポンド(約805万円~8160万円)という高額の罰金を科せられます。

「アスレティック」の続報によると、ミランからニューカッスルに移籍したトナーリは、違法サイト「worldgame365.me」を利用してサッカー賭博を行ったことを認めたそうです。一方、ガラタサライからアストン・ヴィラに加わったザニオーロは、「Evoz9.fx-gaming.net」で遊んだといいながら、「違法とは知らなかった」「ポーカーとブラックジャックだけ」といっています。

これが事実なら、ザニオーロは母国の法律によって違法サイト利用を裁かれるのみ。カルチョの結果にベットしたトナーリは、スポーツ司法規範の第24条に対する違反となります。規定に明記されているのは、3年以上の出場禁止と25000ユーロ(21600ポンド=約395万円)以上の罰金。ヴィラとニューカッスルに与えるインパクトの差は、罪の重さだけではありません。

ニューカッスルがミランに支払った移籍金は5500万ポンド(約100億円)といわれています。起用できない期間が3年となると3300万ポンド(約60億円)、司法取引が成立して18ヵ月となっても1650万ポンド(約30億円)の損失です。クラブを離れる際の移籍金の額に影響が及べば、1億ポンド以上のマイナスとなる可能性があります。

ザニオーロのほうは、ガラタサライの前に所属していたローマまで絡む複雑な契約ですが、ヴィラの損失はレンタルフィーの300万ポンドのみ。2250万ユーロ(1950万ポンド=約35億5000万円)の買い取りオプションは、NGとすれば損害は回避できます。

事の発端は8月上旬。悪名高きパパラッチが3人の名前を公表し、捜査が始まりました。イタリアのメディアは、「ファジョーリは8月末に自首していた」と伝えており、クラブにも報告があったそうです。証拠調べを目的とした60日の猶予を経て、ユーヴェのMFの罪状が確定するのは11月上旬。6週間遅れのトナーリとザニオーロは、年末までは無実の選手としてプレイできるようです。

早期にトナーリをチェックしていたニューカッスルも、7月に手離したミランも、さすがにキャッチアップできなかったのでしょう。プレミアリーグとチャンピオンズリーグを両立させたいクラブにとって、大きなダメージ。FFPを気にしなければいけない状況のなかで、1月に同等のレベルの選手を引き入れるのは至難の業です。

ギャンブル依存症を克服するために、セラピストのサポートを求めていると報じられたトナーリは、司法取引による処分の軽減をめざすことになります。ただし、今後の捜査で「ミランの試合に何度もベットしていた」となれば、最終的なジャッジは限りなく3年に近づくでしょう。

23歳からの3年は、プロフットボーラーのキャリアにおいて最も大事な時期。得られるものと失うものを天秤にかけると、答えは明確ですが、そんな感覚を奪ってしまうのがギャンブルというものなのでしょう。彼を裁く立場にはない人間として、この件に多くは語れませんが、せめて自らの生業に傷が及ぶジャンルに手を出さなければ…。


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