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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サカのクロスも彼のポジションも…カイ・ハヴェルツの決勝ゴールはアルテタ監督のシナリオ通り?

「あれは、トレーニングで何度も繰り返しやっていた形のひとつだった。もしかしたら、あそこに入れば来るかもしれないと思っていた。望み通りのボールが届いた。パーフェクトだった。決められてハッピーだね」

アーセナルの公式サイトが配信したカイ・ハヴェルツのコメントを読んで、マルティネッリの呆然とした表情を思い出しました。後半が始まって間もない50分、右は崩せないと見たウーデゴーアが中央のデクラン・ライスに預け、ジンチェンコ、マルティネッリと左につながったシーンです。縦にいくと見せかけ、切り返した11番はファーポスト際に浮き球を入れました。

中央やや右にいたウーデゴーアはすぐに諦めたのですが、逆サイドで動かなかったサカは「すまなかった」とジェスチャーで伝えています。クロスを入れた11番の表情は、「トレーニングであんなにやったじゃん」といっていたのでしょう。ボールがラインを割った瞬間、アルテタ監督が拳を振り下ろして悔しがったのも、同じ理由のはずです。

これらのエピソードから窺えるのは、プレミアリーグの首位をめざす指揮官がブレントフォード対策を用意していたということです。全員が自陣にこもり、奪ったらエンベウモかウィサに預けるシンプルな戦術のチームに、工夫のないハイクロスを入れても何も起こりません。サカとマルティネッリは複数で対応され、ジェズスはコースを空けてもらえず、ミドルは精度が低い…。

「分厚い中央を避ける」「ゴールに近い」「GKが出にくい」。3つの条件を満たす最適解が、ファーポスト際へのクロスだったのでしょう。マルティネッリが蹴ったら、ジェズスかサカが突っ込み、サカが左足でドライブをかけたら、マルティネッリやトロサールが決めにいく。この形なら、1対1で勝負できる可能性が高く、先に触れればゴールは目の前です。

なるほど。目からウロコです。3日前にマラカナンでアルゼンチンと死闘を繰り広げたマルティネッリを先発させ、2時間15分でロンドンに着くウイーンで戦ったカイ・ハヴェルツをベンチに置いたのは、ドイツ代表の高さをオプションとして手元に置いておきたかったからでしょうか。残り10分という投入時間も、想定したパターンのひとつだったのかもしれません。

だとすればわれわれは、「脚本・演出/ミケル・アルテタ」の冒険活劇を堪能したということになります。この日のカイ・ハヴェルツは、左のインサイドとして入りながら、味方がサイドでキープした際はエンケティアとの2トップのように最前線に張っていました。あの1分前、ウーデゴーアがクロスを入れる瞬間にラインの裏に走ったのは、いい予行演習だったのでしょう。

あの…もしかして、ラムズデールがウィサに奪われたとき、デクラン・ライスが一直線にゴールライン上に入ったのも脚本通り? いやいやいや、さすがにアレを「トレーニングで何度も繰り返した形だった」といわれても「スムーズでしたもんね!」というノリボケは入れられません。しかし物語として見ると、せひともほしいエピソードです。

序盤にラムズデールが苦しみ、みんなの励ましで後半に立ち直ると、クライマックスはカイ・ハヴェルツのゴール、そして最後にラムズデールがキャッチして仲間が駆け寄るハッピーエンド。ベタな脚本ですが、グーナーのみなさんは感動していたようなので、アルテタ監督が作品賞、デクラン・ライスに助演男優賞ということで。それにしてもホント、勝ててよかったですね!


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