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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ残留なるか?小さなルートンで奮闘するロス・バークリーとアデバヨに注目!

昨季チャンピオンシップのプレーオフを制し、プレミアリーグに昇格したルートンは、1年で逆戻りすると目されていました。会計上の違反と代理人への違法な支払いを咎められ、カンファレンス・ナショナル(5部相当)に降格したのは2008-09シーズン。5年後にリーグ2に昇格し、2018-19シーズンにリーグ1を1年でクリアした小さなクラブが、トップリーグで戦うのは28年ぶりです。

過去30年の補強総額は、チェルシーに入団したコール・パルマーの移籍金に届かない3000万ポンド。昨夏のマーケットにおけるプレミアリーグのクラブからの完全移籍は、マン・ユナイテッドのCBテデン・メンギと、ローンから切り替えたヴィラのナカンバだけです。ロス・バークリーとタウンゼントをフリーで押さえたとはいえ、トップリーグで戦えるスカッドには見えません。

そんなチームが、降格ラインを下に見る17位で踏ん張っています。クリスマス前からのプレミアリ―グ6試合で3勝2分1敗は、アーセナル、アストン・ヴィラ、ニューカッスル、チェルシーをしのぐ良績。直近のブライトン戦とニューカッスル戦は2試合連続で4ゴールです。降格予想の大本命は、なぜ強くなったのでしょうか。

開幕節のブライトン戦は4-1で完敗。2節にバーンリーとのホームゲームは、収容人数1万356人でプレミアリーグ基準に満たない本拠地ケニルワース・ロードが、スタンド増設が間に合わないという理由で延期となりました。3節のチェルシー戦も3-0と歯が立たず、16節までの2勝3分11敗は完全なるアウトサイダーです。

負け続けてはいたのですが、彼らの戦いぶりをよく見ると、ビッグ6に対しては善戦しています。リヴァプール戦は1-1のドローで、マンチェスター勢とノースロンドン勢とはすべて1点差の惜敗。年末のチェルシー戦も、0-3から1点差に迫っており、クロスバーにヒットした終盤の2発が決まっていれば逆転もあったかもしれません。

ルートンが強くなった理由を探ると、プレミアリーグの経験豊富なベテランプレーメイカーと、無名だったストライカーに行き着きます。チェルシーとヴィラ、ニースで苦しい6年を過ごしたロス・バークリーは、30歳になってから完全復活。アーセナル戦以降の7試合は、3ゴール3アシストという素晴らしいパフォーマンスを披露しています。

90分あたりのパス成功37.6本、ファイナルサードへのパス14.7本、プログレッシブパス5.8本とボールキャリー31.6回、オープンプレーでのチャンスクリエイト1.41回はすべてチームNo.1。守備における貢献度も高く、90分あたりのタックル2回、インターセプト1回、ポゼッション勝利8回は、これまでのキャリア平均の1.5倍以上です。

ルートンのスタッツを見ると、相手のボックスに直接通すボールがパス全体の8%という数字が目を引きます。これを上回るのはショーン・ダイクのエヴァートンのみ。一気に前線に預けるアタックがうまくいっているのは、ボックス内で輝くイライジャ・アデバヨという素晴らしいストライカーがいるからでしょう。

ルートンに入団する2021年2月までは、リーグ2でプレイしていたアデバヨは、2021-22シーズンのチャンピオンシップで40試合16ゴールという数字を残したのが唯一のトピックスです。25歳で初めてチャレンジしたプレミアリーグで22試合9ゴール、こちらもアーセナル戦以降に8戦7発。彼のストロングポイントはシュートの精度です。

ゴールエリアから5発、ヘディングで4発はいずれもリーグTOP。「スカイスポーツ」によると、9ゴールのショットコンバージョンは37.5%で、こちらもハーランド、サラー、ソン・フンミンを上回る1位です。遅咲きのストライカーは、25歳になってからプレミアリーグ初ゴールを決めたイヴァン・トニーのように、ビッグクラブから注目される存在になるかもしれません。

1月に橋岡大樹を引き入れた小さなクラブは、プレミアリーグに残れるでしょうか。次節は最下位シェフィールド・ユナイテッド。ライバルとのホームゲームを落とすわけにはいきません。クルル、ロス・バークリー、タウンゼント、サンビ・ロコンガ以外は、無名の選手ばかりのルートンの奮闘を見守り続けたいと思います。(イライジャ・アデバヨ 写真著作者/Serenthia)


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