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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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セットピースで14ゴール!今やアーセナルに不可欠なガブリエウ、冨安も勝てない4つの強み。

1週間ほど前、冨安健洋がアーセナルとの新たな契約に合意したと報じられました。「EXCL」と銘打って速報を配信したのは、ファブリツィオ・ロマーノさんです。トランスファーマーケットのスペシャリストは、今回の契約はアルテタ監督と経営ボードの双方が望んでおり、近日中に正式発表があると伝えています。

グーナーのみなさんにとっては、待ち焦がれたニュースでしょう。最終ラインのすべてのポジションをこなせるだけでなく、アルテタ戦術を高いクオリティで体現できる冨安は、得難い存在です。2年半前にボローニャに支払った1600万ポンドは、格安の移籍金でした。負傷さえなければ、左右いずれかのフルバックのポジションを得られるかもしれません。

この話を聞いて、ふと思ったことがあります。冨安の力をもってすれば、ベン・ホワイト、ジンチェンコ、サリバの代役は充分務められるでしょう。いや、代役という言葉が失礼と感じられるほど、トミヤス・ウェイで最適解を出すはずです。しかし、ガブリエウ・マガリャンイスの後釜だけは、難しいのではないか…

リールからアーセナルに移籍したのは、2020年9月。22歳だった長身のCBは、前のシーズンにレギュラーポジションをつかんだばかりで、U -23ブラジル代表でデビューする直前でした。当時は高いと感じた移籍金2500万ポンドは、近年の補強が当たりまくっているアーセナルのなかでも、サリバと並ぶ最高のお買い得プライスといっていいでしょう。

0-6で圧勝したウェストハム戦で、移籍以来の公式戦150試合出場を果たしたガブリエウは、44分にデクラン・ライスのFKをヘッドで叩き込みました。ノースロンドンに来てからの3年半で、セットピースから14ゴールは、ジェームズ・ウォード=プラウズをひとつ上回るプレミアリーグ最多の数字です。冨安に同じことをしてくれといっても、苦笑いが返ってくるだけでしょう。

3-1で制したリヴァプール戦で、マルティネッリの幸運なゴールを生んだロングフィードも、冨安にはない魅力です。前が空くと読んでから出すまでが速く、スローに傾いたアタックをスピードアップさせるボールは、しばしば決定機を呼び寄せています。ギャンブルが多いため、成功率は45.1%と高くないのですが、これもまた今のガナーズに欠かせない要素のひとつです。

3つめは、サリバとのコンビネーション。ガブリエウと冨安は、現地記者のインタビューに通訳を介さず答えられるぐらいに英語が上達しているのですが、リールで3年8ヵ月を過ごしたCBには、フランス語というプラスアルファの武器があります。武闘派のイメージがありますが、実は学習意欲が高く、「テレグラフ」の取材に対して「彼とは、ほとんどフランス語」と答えています。

「リールでは、多くの時間をフランス語で過ごしていた。だから、フランス語でコミュニケーションを取る方がラクなんだ。彼は明らかに素晴らしい選手だね。毎日、彼から多くのことを学んでいる。彼とともに物事に真剣に取り組む必要があるときこそ、そうするようにしている」(ガブリエウ・マガリャンイス)

常に課題解決に取り組み、行動を変えてクリアしていく人物であることは、2021-22シーズンのプレミアリーグでもらったイエロー7枚とレッド1枚を、昨季はイエロー5枚、今季は2枚に減らしているという事実が証明しています。真摯な姿勢は冨安も負けないところですが、コルニーにいるとすぐにわかるといわれる大声とパッション、フレンドリーな性格は彼の真骨頂です。

冨安にしてみれば、ガブリエウの代役より、相棒としてプレイするほうがやりやすいのではないでしょうか。ジンチェンコとキヴィオルが相次いで加わった2022-23シーズンからは、左サイドのカバーリングのクオリティが上がりました。1月にクラブの月間最優秀選手賞を獲得した「ビッグ・ガブ」は、今やチームに不可欠なキャラとなっています。今季こそ、ビッグタイトルを!


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