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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

足を上げる必要など、どこにもなかった。三笘薫が受けた悪質なチャージについて思うこと。

そのシーンは開始11分。左サイドでターンした三笘薫が、縦に突破を図った瞬間でした。中から体を寄せたホルゲートが右足を振り上げると、スパイクの裏が腿の内側に食い込み、倒れた三笘は激痛を耐えながら右手を挙げています。負傷とアジアカップで5試合を欠場し、復帰したばかりだったブライトンのキーマンは、シーズンを失ってしまったのではないかと震えました。

ホルゲートが最初にメディアを賑わしたのは、エヴァートンに所属していた2018年1月でした。FAカップ3回戦のマージーサイドダービー。1-0で負けていた試合の前半に、怒りを爆発させる理由などなかったはずです。左サイドに流れたボールを追って、スローインを得るべく体を入れたフィルミーノを突き飛ばしてスタンドに送り込んだシーンに、なぜかカードは出ませんでした。

このときも「レッドカード」「危険な行為」という声が挙がったのですが、イングランドU-21代表に選出されていたCBは、その後の6年で何も学ばなかったようです。2020-21シーズンはイエロー9枚、翌シーズンから3年連続のレッドカード。スパイクの裏でアタッカーを削ったのは、今回が初めてではありません。

おそらくクリアが空振りしたのだと思われますが、相手が目の前にいるのに足を振り上げたら危険と心得ている大半の選手は、つま先でプッシュするでしょう。三笘薫が大事に至らなかったのは、左足を浮かしたタイミングであり、ヒットした瞬間に軸足を踏ん張らずにスライドさせて倒れたからです。「悪意はない」という言葉が不要なほど、悪質なチャージでした。

「デイリー・スター」が「プレミアリーグ史上最悪のタックル」と表現したファールは、レフェリーからは見えづらかったようです。最初のジャッジはイエロー、VARで確認してレッドにスイッチ。誰もが納得のジャッジの後、試合が何事もなかったように始まったのは、三笘薫が無事だったからにほかなりません。

10人のシェフィールド・ユナイテッドを攻め立てたブライトンは0-5圧勝。「BBC」の投票のMVPは、最後の2発を決めたアディングラですが、ゴール&アシストゼロの三笘が推されても違和感はなかったでしょう。20分の右からのCKをパスカル・グロスがファーに浮かし、ルイス・ダンクの折り返しをブオナノッテが押し込んだ後、2点めと3点めは三笘の手柄です。

ランプティのパスでボックス左を突破した23分のチャンスは、マカティーが両手で背中を押したのが見えたのに、笛は鳴らず。真後ろにいたレフェリーが見えなかったのはともかく、VARは指摘しなかったのでしょうか。追加点は1分後。パスカル・グロスがゴール左に浮かしたボールを三笘がスライディングで叩き、GKが弾いたこぼれ球をウェルベックがプッシュしました。

75分の3点めは、三笘の素晴らしいクロスをウェルベックと競ったジャック・ロビンソンがオウンゴール。左サイドを制圧し、デュエル全勝だった三苫はこの仕事で役割を終え、アンス・ファティに後を譲りました。今はただ、次節のエヴァートン戦も彼のプレイを楽しめる幸運を喜ぶしかありません。

感情論に基づく厳罰は、当事者の認識を変えないので、再発防止に寄与するとは思えません。クラブと本人から声明があったほうがいいのではないでしょうか。今回の件を明確に「事故に至らなかった危険な行為」として記録に残し、繰り返さないよう努めてもらうために。


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