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アーセナルを救えるか!? ジャック・ウィルシャーの完全復活を「スカイスポーツ」がデータで解説!

「問題はクオリティや才能、決断力ではなく、一貫してトップにいられるかどうかだ」。イギリスメディア「スカイスポーツ」のニック・ライト記者の言葉に、深くうなずくサポーターは多いのではないでしょうか。2011-12シーズンのプレミアリーグを負傷で棒に振って以来、フルシーズンで活躍したことがないジャック・ウィルシャーには、レンタル先のボーンマスが必要とするなら放出してもいいのではないかとさえ思っていました。エディ・ハウ監督のチームでプレミアリーグ27試合出場と存在感は残したものの、終盤戦でウィルシャーが先発しなかった9試合をボーンマスは5勝4分と無敗で走り抜けており、復活したといえるほどの出来ではありませんでした。時折いいパスを出すMFなら、アーセナルには何人もいます。ジャカを軸としたチームには、もうひとりのレフティの居場所はないと見切っていたのです。

2017-18シーズンが始まってしばらくは、ウィルシャーの主戦場はカラバオカップとヨーロッパリーグ。開幕前に「彼はレギュラーとしてプレイするべきで、それができるチームへ行くのも選択肢」と語っていたヴェンゲル監督は、ジャカとラムジーのコンビをファーストチョイスとしており、10番については戦力としてカウントしているかどうかも怪しい使い方でした。11月までのプレミアリーグ14試合で、ウィルシャーの出番は4試合65分のみ。9月のELのボリゾフ戦ではベストパフォーマンスとほめていたものの、ゆっくりフィットさせようとしているのか、ガス抜きのためにピッチに出しているのかわからない時間が長く続きました。

転機が訪れたのは12月でした。アーロン・ラムジーが負傷で戦線を離脱すると、ヴェンゲル監督は直前のボリゾフ戦でゴールを決めていたウィルシャーに中盤の真ん中を締める役割を託しました。プレミアリーグ17節のハマーズ戦からの6試合はすべて先発フル出場。ラインの裏に落とす柔らかいロングフィードや、狭いスペースに斬り込むドリブルを見て、サンティ・カソルラの代わりを務められるのはやはり彼しかいないとあらためて思いました。このたびの「スカイスポーツ」のレポートは、興味深いデータを示しながらウィルシャーが完全復活を遂げたことを伝えています。

90分あたりのドリブル数3.2は、プレミアリーグのセントラルMFのなかではNo.1。被ファール数3.6は、リシャルリソン、アシュリー・バーンズ、チチャリート、エデン・アザールをかわしてリーグでトップの数字となっています。負傷を心配するサポーターにとっては盛り上がるデータではありませんが、彼のドリブルやフェイントが相手を混乱させているのは間違いありません。ボーンマスでプレイしていた2016-17シーズンは1試合あたりのスプリントが46回で、今季は56回。平均走行距離は10.7kmから11.0kmに伸びています。「ボールを持っていないときでも、彼がどれだけインテリジェンスがあってフットボールをわかっているかを見せてくれている」。シュコドラン・ムスタフィは、トップフォームに戻った10番に極上の賛辞を残しています。

ウィルシャーが素晴らしいデータを残しているのは攻撃面ばかりではありません。90分あたりのボール奪取数8.9はアンカータイプのエンディディやロメウより上で、9.1のネマニャ・マティッチに迫る数字です。前回のユーロ予選でホジソン監督がウィルシャーをアンカーで起用して批判されましたが、しつこいマークとセンスあふれるロングフィードを見ると、元イングランド代表監督の主張もわかる気がします。

アレクシス・サンチェスやエジルが移籍問題で騒がれているなか、後半戦のアーセナルを支えるキーマンはジャック・ウィルシャーなのではないでしょうか。チェルシー戦のケガが軽傷だったのは何より。今週末の「古巣」ボーンマス戦に間に合うかどうかはわかりませんが、ビッグロンドンダービーで見せてくれたような胸のすくようなゴールとテンポのいいパスワークで、苦境に陥っているチームを救っていただければと思います。グーナーのみなさんは、「Jack Wilshere goes back to Bournemouth as a key figure for Arsenal」と題されたレポートに、ぜひ目を通してみてください。ニック・ライトさんのプレーヤー分析は密度が濃く、週末の楽しみのひとつです。

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“アーセナルを救えるか!? ジャック・ウィルシャーの完全復活を「スカイスポーツ」がデータで解説!” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    確実に言えるのはウィルシャーはシーズン中にまた怪我をするということだけ。
    いくら才能があっても負傷癖がついてしまった選手はトップレベルのプレーを継続することはできないと思う。

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    それがなぜ、「確実」なのですか?

  3. Itohaji43 より:

    ここ最近のウィルシャーは素晴らしいですね。特にファーストタッチで相手をかわすプレーはさすがです。あとはシーズンを通して怪我してプレイできるか?ラムジーとの相性はどうか?が後半戦の見どころだと思います。

  4. 名無し より:

    ジャックはスタッツ上は数字を残しているのですね。
    ただ、アーセナルを毎試合見ている身としては、もう一つ気の利いた選択が出来ていない印象です。
    ジャカを孤立させたり、DFからの組み立てに困っているときにサポートしたりと言った動きができず、
    結局エジルが下がってその役割を…となっているので
    ここで気の利いたことができるかどうかですね。
    と言ってもこれは怪我前から引っかかっていたことではありますが。
    ファイナルサードでも無理な中央突破や狭いところへ突っかけて奪われているので、
    以前彼はセスクやピルロ、シャビへの憧れを口にしましたが
    そうではなく今最も見習うべきは引退したばかりの先輩であるロシツキではないでしょうか。

  5. makoto より:

    Itohaji43さん>
    フルシーズンプレイして、自信を得てほしいですね。

    名無しさん>
    どこでがんばっていただくかでお手本は変わりますね。私はカソルラかフェルナンジーニョです。

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