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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

冬の移籍、マン・シティ、ハリー・ケイン…MNFに出演したウェイン・ルーニーの見解!

プレミアリーグの名物番組「マンデー・ナイト・フットボール(MNF)」にて、ウェイン・ルーニーがジェイミー・キャラガーと激論を交わすのは初めてだったそうです。ワトフォードがチェルシーに圧勝したゲームを分析しつつ、自身のこと、冬に移籍した選手のことを語るルーニーのトークは非常に的確で、われわれの元キャプテンのインテリジェンスをあらためて感じました。「今夜は楽しい。もっとテレビの仕事もしたいけど、最終的にはマネージャーだね」とおっしゃっておりましたが、ルーニーが望みどおりにプレミアリーグのクラブを指揮するようになれば、イギリスのマスコミにとっては大きな損失なのではないでしょうか。昨今、選手やレフェリーの失態を咎めるご意見番のような存在が圧倒的に多いなか、選手目線でポジティブに語れるエヴァートンの10番は、ファンを盛り上げてくれるエンタメ装置として相当いい仕事をするのではないかと思います。

当日のやりとりから、いくつか興味深い発言をピックアップしてみましょう。サー・アレックス・ファーガソンに対するリスペクトは、ルーニーらしい独特の表現です。「マネージャーとして最高だった。特にマンマネジメントはベストだ。すべての選手の裏表を把握していた。選手を放出する方法すらわかってたね。ピッチで私にリアクションさせる術を心得ており、ナニにドリブルをやめさせろといわれたこともあった」。自身については、No.9のポジションがベストだとして、「ボックスに入り込む本能がある。下がって他の選手を前にいかせることもできる。ボックスのなかでは常に9番でいたい。ヘディングでうまく決められないのが不満だったんだけど、ハードに取り組んでやれるようにしたよ」とコメントしています。

ルーニーの知性が最も輝くのは、他の選手について見解を求められたときです。プレミアリーグで見てきたなかで、最高のフィニッシャはルート・ファン・ニステルローイだと語る10番は、最近話題になっている3人のプレーヤーについて納得感のある評価をしています。「彼は、彼があるべき場所にいったと思うよ。練習のときから才能溢れる選手だと感じていた」と、ヘンリク・ムヒタリアンについて話し始めたルーニーは、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの違いについて、明快に整理しています。

「マンチェスター・ユナイテッドでは彼が望む自由を与えられなかった。ドルトムント時代のようなプレイはできなかったね。アーセナルは、周囲の選手がオフ・ザ・ボールで動き、キープもしてくれるから、より多くのゴールやアシストを決められるはずだ。彼は、ここから始まる」

一方で、マンチェスター・ユナイテッドに移籍したアレクシス・サンチェスについては、クラブにとって完璧な選手だとリスペクトしています。「攻撃性、パッション、欲望がある。彼は勝者だ。マンチェスター・ユナイテッドに欠けていたのは、ロメウ・ルカクのまわりでプレイし、彼を押し上げられる選手。サンチェスはやるだろう。ユナイテッドに加入し、周囲の選手を5~10%高めてくれたテベスみたいにね」。ルーニーの表現は無駄がなく、わかりやすく、的確です。プレミアリーグ得点王のハリー・ケイン評にも耳を傾けてみましょう。現在最高のストライカーで、アラン・シアラーのようにどこへでもいける選手と絶賛しながら、そのキャリアについてこんなことを指摘していました。

「トッテナムが2年以内にタイトルを獲得しなければ、クラブを離れるんじゃないかな。最初のモチベーションはゴールだけれど、それはいずれトロフィーに変わる」「トロフィーは、選手を次のステージに連れていってくれるもの。今季のハリー・ケインがマンチェスター・シティにいてプレミアリーグを勝ったら、ファンはクリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシのように評価すると思う」

マンチェスター・シティといえば、気になる発言が…。「マンチェスター・ユナイテッドがマンチェスター・シティを追い抜くのは、来季も難しいだろう。マン・シティは4~5年前のバルセロナのレベルに達している。グアルディオラはバルセロナに倣って土台を整備した。さらに1~2人の選手を夏に獲るんだろうね」。いやー、悔しいのですが、思わずうなずいてしまいそうになります。いいですね、ウェイン・ルーニー。5月にもこのスタジオにお越しいただき、2017-18シーズンの総括をぜひ聞かせていただければと密かに期待しております。

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“冬の移籍、マン・シティ、ハリー・ケイン…MNFに出演したウェイン・ルーニーの見解!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    スパーズファンには悪いが俺もケインは移籍するべきだと思うな。
    イングランド人で国外で活躍したのはハーグリーブス、マクマナマンくらいじゃないかな。
    オーウェン、ベッカムは及第点だと思うけど実力ほど活躍できなかったし。
    もしケインがレアルに行ってCLやリーガで得点王にでもなればイングランド史上最高の選手になれるし、バロンドール狙える実力は間違いなくある訳でそうなるとスパーズよりレアルの方が可能性が高い。クラブへの愛着は凄いしお金を選ぶ人間ではないから国内に移籍する事はないと思う
    し、そうなるとレアル以外移籍先はないでしょうね。まぁケインがトッティやジェラードの様にトロフィーよりクラブへの愛着を優先する選手だとしても素晴らしいけどね。

  2. yuto より:

    ルーニーは周りを広く、正確に見えているだけに的確なコメントをしていますね。
    選手を鼓舞するパッションだけでなく、優れた戦術感を持ち合わせている選手はなかなかいないものです。
    もしかしたら、将来的にはコンテやシメオネのような名指揮官になれるのではと感じたメディア出演でした。(戦術的に優れたペップのような姿も想像できますね)

  3. タムコップ より:

    選手目線で議論に幅を持たせてくれるコメントはネビル兄もよく残してくれていましたね。
    ピッチ上で起こっていることを最も間近に観察できる立場なので、より深く、しかし客観的に考えを組み立てられるのでしょう。
    現役選手からの嘘偽りないチーム評は、自チームに色眼鏡をかけて見てしまうファンからしても貴重で、見逃していたウィークポイントや実は諸刃の剣である長所まで、的確に斬っていくのでさすがです。
    ルーニーに限らず最近引退したレジェンドのコメントをもっと聞く機会が欲しいですね。

    —–
    相手がキャラだったこともあり、スカウス訛り50%増しでしたね笑
    管理人さんのおっしゃるとおり、現役ということもありますが非常に分かりやすいコメントを随所に散りばめていて「イングランドのNo.9」目線を堪能できました。

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