欧州のトップスコアラーに駆け上がったモハメド・サラーの記録はどこまで伸びる!?
2014年1月にバーゼルからチェルシーに移籍したサラーは、その後の1年でプレミアリーグ13試合2ゴールと期待外れ。2015年の冬にフィオレンティーナにレンタルされると、セリエAで16試合6ゴールと得点力の片鱗を見せ、2015‐16シーズンから2年を過ごしたローマでリーグ戦65試合29ゴールと完全復活を果たしました。昨夏、リヴァプールに3750万ポンドで移籍することが決まったとき、不要説を唱えたファンや評論家がいましたが、彼らの瞼の奥にはチェルシー時代の残像が焼き付いていたのでしょう。当時のレッズはコウチーニョ、フィルミーノ、マネの3トップで戦うと目されており、サラーの居場所はないようにみえたのは確かです。しかし私は、当初よりいい補強だと思いました。クロップ監督のチームは前線の負傷に備えて選手層に厚みを築く必要があると考えており、うまくフィットしてくれればコウチーニョを中盤に下げて攻撃的な布陣で戦うというオプションもあったからです。
あれから9ヵ月。私の予想は、外れました。サラー獲得はいい補強などではなく、最高の補強。スカッドに加わったのはサイドのバックアッパーではなく、プレミアリーグを代表するアタッカーでした。彼がブレイクした最大の理由は、クロップ監督の起用法でしょう。チェルシー時代の4-2-3-1のサイドではなく、4-3-3の右。「守備の負担が減った」という言葉からもう一段踏み込んで、「後方に戻らなくてもよくなった」という表現のほうが的確です。2月に「FourFourTwo」が、ゴール量産の理由について語った本人のコメントを紹介しています。
「クロップ監督の戦術で、今までよりもゴールに近いポジションでプレイしている。これまでの監督に求められた位置よりも最前線に近い。得点のチャンスをものにするために、いつもゴールの前にいる。練習でも監督によくいわれるよ。ゴールに近いポジションにいろ、と」(モハメド・サラー)
スティーブン・ジェラードは、サラー大ブレイクの仕掛け人が「君は他のプレーヤーのお膳立てをするウイングではない。中に入ってアタックし、メインマンになってほしい」といっていると証言。ゲーゲンプレスを標榜する指揮官と新エースに関する話を聞けば聞くほど、かつてアーセン・ヴェンゲル監督がアンリやファン・ペルシをストライカーとして開花させたことを思い出します。「彼は道半ばだ。メッシと比べられたくはないだろうね」。継続的に結果を出し続けることの重要性を語ったクロップ監督は、「エジプティアン・メッシ」はさらに幅と奥行きのある選手になれると信じているのかもしれません。
「BBC」が、サラーが欧州5大リーグのトップスコアラーになったと報道しています。36ゴールを叩き込んだレッズのウインガーの後ろには、35ゴールのハリー・ケイン、34ゴールのリオネル・メッシとインモービレ、33ゴールのクリスティアーノ・ロナウドとカヴァーニといった錚々たる顔ぶれが続いています。プレミアリーグは残り7試合で、上位対決はチェルシーのみ。マンチェスター・シティとの同国対決となったチャンピオンズリーグは最大5試合。サラーはどこまでゴールを積み上げるでしょうか。2009-10シーズンにプレミアリーグで29ゴールを挙げたドログバのアフリカ人最多ゴールは軽く抜くとして、あのイアン・ラッシュが1983-84シーズンに叩き出したシーズン47ゴールのクラブレコードに届くでしょうか。プレミアリーグもチャンピオンズリーグも、そしてワールドカップも…。右から斜めに入ってくるストライカーのプレイを、夏まで満喫させていただきましょう。
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チェルシー時代のサラーはどこにでもいる使い捨てのサイドの選手という印象でした、しかし、ここまで成長するというか、使い方が間違ってたと言うのか、正直今の活躍には非常に驚いています。
サラー以外にも他のポジションにコンバートする事で化けそうな選手がいっぱいいそうですね。
エバートンとマンチェスターユナイテッドには