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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

香川真司、マタだけじゃない…明日が見えない不遇のベンチウォーマーたち(後篇)

香川真司、マタだけじゃない…明日が見えない不遇のベンチウォーマーたち(前篇)より続きます。マンチェスター・ユナイテッドのナニとアンデルソンのお話でしたね。香川真司の出場がないことが話題になるなか、このふたりがベンチを温めている時間もなかなかのもので、かなりお尻の温度が上がっているのではないかと思われます。今季のプレミアリーグでの出場時間は、ナニが33分、アンデルソンが71分。彼らの問題は彼ら自身にあるようで、それぞれ事情が違います。

ナニは、母国ポルトガルに戻れば立派な代表レギュラー。この国のレベルであれば、常時ワールドカップ予選に出るような選手は、クラブでもチームの中心であってしかるべきです。しかし現実は、アシュリー・ヤング、バレンシア、ギグス、ウェルベックより低評価。最近は、毎年のように移籍が取りざたされています。ナニの問題は、調子の波というより「スランプが長い」のと、悪いときのプレイがとんでもなく悪い(ようにみえる)ことでしょう。私が普段、TV画面に向かっていちばん叫んでしまうのは彼で、視野の狭いプレイを連発している姿を観ると、イライラはMAXに達してしまいます。冷静にそのポテンシャルをみれば、実は守備が下手でポカが多いアシュリー・ヤングよりナニのほうがいい選手とも思えるのですが、もう一段、平常心をキープすることを覚えなければ、来季こそはイングランド以外の国でプレイすることになりそうです。

そして、アンデルソン。彼が入ったときの期待感を思い出せば、現在の姿はとにかく残念です。アーセナルのベントナーともども、「将来はクラブの中軸となる存在」といわれながら、節制が足りず、運動量が少なく、90分を通じてきちんと働いたためしがありません。彼が持てる力を存分に発揮できる選手であれば、セスクだケディラだと大騒ぎしなくてもよかったはずなのに…。

すみません。アンデルソンのことを語り出すと、長いグチになりますので、切り替えましょう。トッテナムに目を向けると、ホルトビーとラメラが気になります。23歳とこれからの選手であるホルトビーは、今季のトッテナムの大量補強ではじき出された感があります。先日のチャンピオンズリーグを観れば、チームプレイができてまわりを使えるいい選手なのですが、プレミアリーグでの冷遇ぶりはどうしたことでしょう。現在のトッテナムにおける中盤のフォーメーションは、センターをパウリーニョとエリクセンで固め、攻撃の中心はデンベレ。その周りを走るのが、若手の成長株タウンセンド、シグルズソン、シャドリで、アーロン・レノンが戻ってくれば右サイドをまかされるでしょう。ホルトビーとラメラは、3番手~4番手を争っている状態。得点やアシストなど、目に見える結果でアピールしないと定位置奪取は厳しそうですね。

ラメラについては、入団したばかりでもあり、適応中なのでしょうが、昨季ASローマで15点を獲ったその得点力を活かそうとすると、ソルダードやデンベレと戦わなくてはなりません。マンチェスター・ユナイテッドにおけるチチャリートのような、スーパーサブになってしまうのはあまりに惜しいのですが…。ウルグアイの点取り屋、カバーニがパリでサイドにまわされ苦労していますが、ラメラもまた、いろいろなポジションをこなせることが、却って仇になるかもしれません。

そしてリヴァプールでは、ケリーとアレンです。ケリーは伸び悩み感ありありですね。グレン・ジョンソンがケガをしても、その穴を埋めるのはどうやらコロ・トゥレ。先にスタメン起用されたウィズダムが不安定な守備をみせているので、チャンスはあるのでしょうが、層が厚くなったリヴァプールで彼が活躍しているイメージが湧きません。アレンのほうは、ケリーよりは楽観視していいでしょう。ルーカスが好調なので、現状ではまったく出番がありませんが、FAカップたけなわとなれば、彼が必要なときが来るはずです。そう、リヴァプールが難しいのは、欧州でのゲームがなく、キャピタルワンカップも早々に負けてしまったので、頭数の割にゲームが少ないことですね。さらにベンチウォーマーたちに追い打ちをかけるように、ロジャース監督が「1月に補強したい」といっています。このうえは年内に価値をアピールできないと、ただでさえ寒いリヴァプールの冬が相当身に沁みることになりそうです。

最後に、チェルシーです。ここでは、その去就が話題になりがちなF.トーレスは多少なりともゲームに出ているのでまだいいとして、やはりマタとデンバ・バですね。モウリーニョ監督は中盤はスピード重視、トップはフィジカルや対人プレイ重視。マタのほうはようやく使われるようになりましたが、ウィリアンがフィットしてくれば、このふたりは結局、完全に構想から外れるとみます。果たして彼らは、「オスカルとエトー中心」を公言するモウリーニョ監督に「間違っていた」といわせることができるでしょうか?その昔、スペインで、ファビオ・カペッロから構想外とはっきりいわれことに発奮し、超人的な運動量と献身的なプレイでそれを覆したデヴィッド・ベッカムを思い出しますが、今回はサッカー哲学と好みの問題なので、並のアピールでは難しいでしょう。マタは近いうちにスペインに帰るのでしょうか。それとも、フランスの2大お金持ちクラブ?まさか、プレミアリーグの名門での指揮に苦労している、あの新監督が…。(写真著作者/ナニ:Gordon Flood ルイス・ホルトビー:DerHans04)

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