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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「プレミアリーグですべてのタイトルを手に入れた」ペトル・チェフが今季限りの引退を発表!

勇敢でクレバー。インテリジェンス溢れるオトナのプロフェッショナルで、アーセナルのチームカラーにふさわしい守護神でした。ペトル・チェフ、引退。「プロになってから20年が経った。引退するのにふさわしいタイミングだと思う」と、今季限りでスパイクを脱ぐことを表明した36歳のGKは、アーセナルで最後のトロフィーを手にしたいと語っています。プレミアリーグ443試合出場、2006年10月に頭蓋骨陥没の重傷を負ってヘッドギアがトレードマークとなってからは366試合。クリーンシート202試合はプレミアリーグ史上最多で、セーブ数が1000を超えるのはチェフ(1005本)とワトフォードのベン・フォスター(1001本)のみです。チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグを制し、プレミアリーグ4回優勝、FAカップ5回制覇を誇るチェコの英雄は、名実ともに史上最高のGKです。

1999年にチェコのプルシャニでプロデビューしたチェフは、スパルタ・プラハ、レンヌを経て2004年の夏にチェルシーに入団しました。同じ年にエヴァートンからマンチェスター・ユナイテッドに入団したウェイン・ルーニーの移籍金は2560万ポンドでしたが、チェフは700万ポンド。モウリーニョ監督のチームで、クディチーニをベンチに追いやったチェコ代表は、初年度からプレミアリーグ694分連続無失点というレコードを残し、安い買い物であったことを証明しました。2005-06シーズンもプレミアリーグ優勝に貢献したGKがアクシデントに巻き込まれたのは、翌シーズンの8節に行われたレディング戦でした。スティーブ・ハントに頭を蹴られて意識不明となり、選手生命を危ぶまれたものの、驚異的な回復を見せて3ヵ月後のリヴァプール戦で復帰しました。

2008年に初めてチャンピオンズリーグの決勝に進出したチェフは、ファン・デル・サールを擁するマンチェスター・ユナイテッドにPK戦で敗れて準優勝止まり。リベンジを果たしたのは2011-12シーズンで、この年のCLは「チェフの大会」といっても過言ではないでしょう。バルサとのホーム&アウェイでは、プジョルの絶望的なヘッドをセーブするなど1-0、2-2の勝利の立役者となり、バイエルンとのファイナルではロッベンのPKをストップしました。4年前に敗れたPK戦でも、オリッチとシュヴァインシュタイガーを止めて4-3で勝利。チェルシーが初めて味わう欧州戴冠の原動力は、ゴールマウスに立ちはだかる絶対的守護神でした。

2014-15シーズンにクルトワとのレギュラー争いに敗れ、翌シーズンにアーセナルに移籍。レスターに優勝をさらわれたのは残念でしたが、最初の2シーズンは素晴らしいプレイを見せてくれました。昨季からミスが目立つようになり、2018-19シーズンはベルント・レノにポジションを奪われてしまいました。ロンドンをこよなく愛しているからといっても、ウェストハムやクリスタル・パレス、フラムなどでタイトルとは無縁のシーズンを過ごすという選択肢はなかったのでしょう。「オフ・ザ・ピッチでの人生にどんなことが待っているのか楽しみにしたい」というひとことでメッセージを結んだレジェンドは、ノースロンドンかウェストロンドンで指導者をめざすのでしょうか。

最後のFAカップをぜひ…といいたいところではありますが、直接対決を控えるクラブのサポーターとしては、トロフィーはヨーロッパリーグのほうでどうぞとしかいえません。本ブログにたびたび登場する相方のグーナーが、チェルシー戦とマンチェスター・ユナイテッド戦を現地観戦することになっておりますので、渾身のレポートを期待することにいたしましょう。素晴らしいGKを堪能させていただいた15年のプレミアリーグに思いを馳せながら、あらためて感謝の言葉を添えたいと思います。ありがとう、チェフ。私にとってのあなたは、いつの時代も極上のヒールでした。

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“「プレミアリーグですべてのタイトルを手に入れた」ペトル・チェフが今季限りの引退を発表!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ツェフも引退と残念なニュースが続きますね。
    私はレッズvsチェルシーのFAカップ決勝で、キャロルのヘディングシュートを指先でかき出されたセービングは忘れられないです、、、。(小さい事ですが笑)偉大なGKがまた一人ピッチから去りますね。

  2. グーナーです より:

    誰が言い出したか定かではありませんが、何度グーナー通しで「残念、そこはチェフ!!」と叫んだことか。
    それだけ彼がゴール前にいることには価値がありました。
    どんなストライカーがフリーで走り込んでこようと、「大丈夫、まだチェフがいる!」と焦ることはなかったです。
    可能であれば、「チェフ、イズ、レッド!」と言えるように、ノースロンドンでの今後の活躍を観てみたいものです。

  3. J より:

    チェルシー戦の雰囲気が楽しみですね!

    おそらくスタメンはレノでしょうが。

  4. エミリー より:

    レノにポジションを奪われた後も、いくつかの失点シーンにおいては、これはチェフなら掻き出してたなと思う事があった。
    それなりに優秀なキーパーがいたアーセナルだけど、マジのワールドクラスはチェフが久しぶりで、その貫禄と判断力、反応は本当に感動的だった。
    彼がアーセナルで引退してくれるのを誇りに思います。
    さっそくコーチに就任してもらいたいくらいです。

  5. C より:

    コメント欄からでもグーナーの心をがっちり掴んでいる様子が窺えますね笑。嬉しいような、ちょっぴり妬いちゃうような…笑
    チェルシーでの人気と実績も言わずもがなで、直接のライバル関係であるチームに移籍しながらも、両チームからこんなにも愛される選手は滅多にいません。
    キーパーとしては勿論、一人の人間としても偉大だったチェフ。寂しくなります

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