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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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重かった背番号7、長く続く不振…アレクシス・サンチェスが復活するために必要なこと。

リヴァプールでの輝きがあまりにも眩しかったフェルナンド・トーレスは、チェルシー時代の停滞を揶揄するファンが多い選手ですが、2012-13シーズンにはプレミアリーグ36試合8ゴール、公式戦64試合22ゴールでチャンピオンズリーグ制覇に貢献しました。負傷の影響もあってプレミアリーグになじめなかったラダメル・ファルカオは、マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーでプレミアリーグ36試合5ゴール。厳しい2シーズンではありましたが、直近1年の彼よりもリーグ戦では高い得点率で終わっています。

彼…2018年1月にマンチェスター・ユナイテッドの7番を背負ったアレクシス・サンチェス。イングランド史上最高額の週給39万ポンド(約5600万円)で話題になったアタッカーは、入団後の13ヵ月でプレミアリーグ26試合3ゴール、公式戦37試合5ゴール。CLでは未だノーゴールで、スールシャール監督就任後もFAカップ4回戦のアーセナル戦で決めた1発に留まっています。

昨秋には「冬のマーケットでパリ・サンジェルマンに移籍する」と騒がれた男は、チャンピオンズリーグのラウンド16で、パリのアウェイ勝利に貢献してしまいました。シュートもチャンスメイクもゼロ、コントロールミスはラシュフォードの4回に次ぐ3回。相変わらずのボールロストの多さで、完敗の理由のひとつとなりました。「BBC」によると、クラブOBのフィリップ・ネビルが「現在の彼はあまりにもひどい」とコメント。「トップフォームを取り戻すには10試合以上を必要とする。交代でインパクトをもたらすのは彼ではない」と、低いパフォーマンスを嘆いています。

問題は、フィジカルではなくメンタルなのでしょう。1試合あたりのシュート数は、プレミアリーグで1.1、チャンピオンズリーグでは1.0と少なく、アーセナル時代に冴えていたスルーパスは2本しか決めていません。スールシャール体制になり、サイドの選手が中央に入ることを求められるようになっても、7番のパフォーマンスは変わらず。スールシャール監督は、「アレクシスについては何ともいえない。自分でトップフォームを取り戻すしかないだろう。彼が高いレベルのプレーヤーであることは誰もが知っている」と語り、極度の不振は気持ちの問題であると示唆しています。

高額サラリーというネックさえなければ、マンチェスター・ユナイテッドは冬にサンチェスを売っていたのではないでしょうか。スールシャール監督が、負傷者さえいなければ今の彼を起用する気がないのは明らかで、残り3ヵ月で変化がなければ次のシーズンは違うユニフォームを着ることになるでしょう。復活のための適切なチョイスは、「週給39万ポンドを捨てて、王様として扱ってくれるスペインのクラブに移る」なのではないかと思います。ファルカオがモナコに戻ってゴールの感覚を思い出したように、環境が変わればアーセナル時代の切れ味を取り戻せるかもしれません。

2017年7月に発行された「footballista Zine ARSENAL」にて、「結局アレクはどうなるの⁉ 全72ゴールを完全チェック」と題した記事を寄稿した者として、今の彼は見るにしのびないのであります。教訓は、「選手とクラブはお金ではなく愛でつながるべし」でしょうか。2人の監督も、周囲の選手たちも必ずしも彼を歓迎していなかったということが、不振の背景にあるのではないかと思います。フィル・ネビルさんがこんなことをいっています。「彼は愛を必要としている。それはスールシャールが取り組むべきこと」。そうですよね…。

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“重かった背番号7、長く続く不振…アレクシス・サンチェスが復活するために必要なこと。” への1件のコメント

  1. むん より:

    アーセナル最終年みたいに、1トップとしてならアグエロ並みに
    活躍できると思うのですが、ルカクやラッシュがいますからね。

    2列目だと持ちすぎ&ロストが目立つんですよ。
    あーもったいない。

    更新ありがとうございます。

    —–
    愛に関して言えば、ヴェンゲルさんの右に出るものはいないでしょうね、とこの記事を読んで思いました。

    溺愛、寵愛、そんな言葉がぴったりです。でもそれが信頼の表れとなり、彼はアーセナルで輝けたんですかね。

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