代表で初のハットトリック!プレミアリーグ屈指のアタッカー、スターリングの飛躍に期待!
スターリングが過小評価されていると指摘したのは、ポール・ポグバ。同感です。2017-18シーズンはプレミアリーグ33試合18ゴール11アシスト、今シーズンは27試合15ゴール9アシスト。直近2シーズンについては、エデン・アザールやサディオ・マネよりも高く評価されてしかるべきでしょう。ミケル・アルテタやレロイ・サネとともに磨き上げた中央に斬り込むプレイは、プレミアリーグ屈指の切れ味。2018-19シーズンは、57本のシュートのうち32本を枠内に収めており、精度は確実に高まっています。
残してきた実績に対してさほど評価されないのは、スター揃いのマン・シティで埋もれがちだからか、あるいはイングランド代表で結果を残していないからか。後者であれば、これから変わるのではないでしょうか。22日に開催されたユーロ2020予選のチェコ戦で、スリーライオンズでは初のハットトリック。ハリー・ケインと前線でコンビを組んだアタッカーは、4点に絡む大活躍でウェンブリーに詰めかけたファンを盛り上げました。5-0で大勝したイングランドのゴールシーンを振り返ってみましょう。
先制ゴールは、24分。負傷したエリック・ダイアーの後を継いだロス・バークリーが中盤でハリー・ケインに預けると、ジェイドン・サンチョがラインの裏に走るのを見たエースが必殺のスルーパス。近年のハリー・ケインは、パサーとしても秀逸なタレントです。右サイドを突破したサンチョが中央にグラウンダーを送ると、スターリングがスライディングボレーで押し込みました。18歳のラストパスはイメージよりも前方に流れましたが、さすがはスターリング。彼ほどの快足アタッカーでなければ触れないボールだったと思います。
2点めは、前半終了間際の46分。左からチルウェル、デル・アリとつながり、スパーズのプレーメイカーがおしゃれなヒールパスをスターリングに通すと、4人の間を強引に割って入った11番がGKの前で転倒。レフェリーは迷わずPKスポットを指差し、ハリー・ケインがGKパブレンカにぶつけながらも左のサイドネットにねじ込みました。後半も主役はスターリングです。62分、カイル・ウォーカーが速攻を仕掛け、前線に縦パスを入れると、ノバクのクリアがトマシュ・カラスに当たってゴール前のスターリングへ。最初はパスを考えた11番は、左隅へのコースが開いているのをみてフィニッシュに切り替え、ワンステップの左足シュートをポストの内側に当てました。
絶好調スターリングの3発めは68分。カウンターを仕掛けたロス・バークリーが左にいたスターリングに預けると、切り返しから放ったシュートがチェルストカの肩に当たり、パブレンカの逆を突きました。ハットトリックの直後にスターリングはお役御免となり、カラム・ハドソン=オドイが登場。18歳135日でイングランド代表の最年少出場記録を更新したチェルシーのアタッカーは、84分に思い切りよく左からシュートを放ち、トマシュ・カラスのオウンゴールを誘発します。チェルシー所属ながら他クラブへのレンタルが8年続いているカラスにとっては、無残な90分となりました。
この試合の前まで、スターリングの代表における戦績は50試合4ゴール。彼が評価を高められなかったのは、ポグバが気にする人種差別よりも、レッズからマン・シティへの強引な移籍、国際舞台で振るわなかったこと、やんちゃな振る舞いなどヒール扱いされやすい要素が重なったからではないかとあらためて思いました。であれば、これから2年は過去のイメージを変えるべく結果を残す季節。プレミアリーグでは既にトップクラスのラヒム・スターリングが、2020年に欧州全土から拍手を送られるのを期待しましょう。チェコ戦は、素晴らしいパフォーマンスでした。(ラヒム・スターリング 写真著作者/Антон Зайцев)
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