レジェンド、退団。地元メディア「レスター・マーキュリー」の岡崎慎司特集に感謝します。
クロード・ピュエルの下でチームが苦しんでいたとき、「オカザキを出せ」といい続けてくれた地元メディア「レスター・マーキュリー」は、最後まで日本代表FWの理解者でした。「Shinji Okazaki’s best moments in a Leicester City shirt, including that incredible bicycle kick(レスター・シティのシャツを纏った岡崎慎司の最高の瞬間、あの信じられないバイシクルも)」と題した最新のレポートは、プレミアリーグ4年めの今季をもってクラブを去ると明言した33歳のベテランストライカーの名シーンを、情感たっぷりに伝えています。
プレミアリーグ113試合14ゴール4アシスト、108本のシュートと41本のオンターゲット、3本をクロスバーやポストに当て、16回のビッグチャンスを逃したストライカー。プレミアリーグの公式サイトで彼が残したスタッツをピックアップすると、こうなります。対して地元メディアは、どんなに数字を駆使しても表現できない稀有な存在として、岡崎慎司の足跡を語っています。
「彼は常に、2016年のタイトルを獲得したレジェンドと認められ、その戦績はシティのおとぎ話のなかに位置付けられている。過去4年は、ジェイミー・ヴァーディーがゴールを決めるために必要としたパートナーに最もふさわしい存在でもあった」
記事が振り返る最初の1発は、2015年8月に行われたアップトン・パークのウェストハム戦におけるプレミアリーグ初ゴールでした。「狭いエリアでターンする能力はすぐに明らかになった」「すべてのショットにストライカーとしての本能が感じられた」「公式戦19ゴールの大半が近距離からのものだった」と、岡崎の特徴を端的に記しています。2016年1月にスパーズ戦で決めたFAカップ初ゴールについては、「いわゆるボックスのなかのずるいキツネだったが、守備のために走るのも好きだった」「あの有名なフィッシュアンドチップス大好き発言があった」などといったエピソードを交えて紹介。さらに4つのメモリアルゴールをピックアップし、それぞれ素晴らしい瞬間だったと激賞しています。
2016年3月、本拠地キングパワーのニューカッスル戦で決めた「信じられないバイシクル」。チャンピオンズリーグで決勝トーナメント進出を確実にしたクラブ・ブルッヘ戦のボレーは、フクスのクロスにピンポイントで合わせた「クオリティフィニッシュ」でした。2017年5月にマンチェスター・シティ戦で決めた美しいボレーは、ヴァーディーの後ろからゴールに近づき、オルブライトンのクロスをジャストミートしたもので、ロブ・タナー記者は「個人的なお気に入り」とひとこと添えています。
記事は最後に岡崎慎司のベストパフォーマンスを選出しています。2017-18シーズンのプレミアリーグ17節、セント・メアリーズで行われたサウサンプトンとのアウェイゲーム。「日本代表のチームメイトである吉田麻也があらゆる種類の問題を引き起こした」と描かれた1-4の快勝劇で、彼は2ゴールを決めて主役の座をゲットしています。2017年12月13日は、ストライカーとしての能力を知らしめた最高の日であるとともに、レスターのサポーターたちにゴールをプレゼントした最後の日になってしまいそうです。
「プレミアリーグで活躍したストライカー」と初めて呼べるわれわれの同胞を、4年間支え続けてくれた「レスター・マーキュリー」に、感謝の気持ちを伝えたくてこれを書きました。時に誇らしく、時に勇気づけられた数々の記事をありがとうございました。彼のプレミアリーグにおけるキャリアの(おそらく)最後に、素敵なギフトのような特集を配信していただいたことも、忘れずにいようと思います。
岡崎慎司に向けて感謝やねぎらいの言葉を記すのは、最後の2試合を終え、新しいクラブが発表されてからにしましょう。私のお気に入りはチャンピオンズリーグ唯一のゴール、クラブ・ブルッヘ戦のボレーですが、これから行われるマンチェスター・シティ戦とチェルシー戦のいずれかで書き換わるかもしれません。
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素晴らしいご紹介をありがとうございます。
岡崎選手のメンタルと戦略的な思考をいつも励みにしています。自身のポジションを繰り返し補強されても、腐るどころかフィジカルで劣る自分がいかにチームに必要とされるかを問い続け、監督とコミュニケーションを取って出場機会を掴んで来ました。その上で点を獲りたいという彼本来の目標は十分に達成できませんでしたが、葛藤まで含めて彼の挑戦を讃え続けたいです。
レスターマーキュリーへの感謝を私も忘れません。