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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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なぜ日本人はセンターで活躍できないか?~香川と吉田へのエール

プレミアリーグも残すところ全日程の3分の1、13試合となりました。ここまで吉田麻也は、厳しい洗礼を受けた9月のアーセナル戦以来、リーグ戦で22試合連続出場。香川真司はケガで2ヵ月休んだものの、プレミアでは出場した11試合のうちスタメン出場10試合。その多くをトップ下で過ごし、2ゴールを決めたほか、いくつかの重要なゴールの起点になるなどの活躍を残しています。

日本人選手が、欧州の主要リーグでセンターのポジションをまかされるのがいかに大変なことか、とりわけ香川の奮闘ぶりがどれだけ素晴らしいかをぜひ、お伝えしたいと思います。過去、欧州の主要4リーグ(イングランド、ドイツ、イタリア、スペイン)でフルシーズン、レギュラーとして真ん中のポジションで活躍した経験がある選手は中田英寿(ペルージャ・ボローニャで計2季)、中村俊輔(レッジーナで3季)、高原直泰(フランクフルトで実質1季)、長谷部誠(ヴォルフスブルグで実質2季)、そして香川真司(ドルトムント)だけです。ここにオランダとロシアを加えれば本田圭祐と小野伸二、準レギュラーで稲本潤一、といった具合です。

このなかで、中田と中村、長谷部は後にサイドにまわされ、高原もHSV時代は純粋なCFではありませんでした。日本人選手は、日本で活躍していたポジションより横へ、後ろへスライドすることが多いですね。スピードと器用さ、正確さは評価されるものの、シュートへの意識が低く、シュート力、ロングキック力、フィジカルが弱い選手が多いので「強いシュートやパスと高いディフェンス力が必要なセンター」はまかせにくいのでしょう。「横スライド派」は上記4人に加えて岡崎、ハーフナー・マイクあたり、「後退派」が小野、奥寺康彦、長谷部(彼は横にも後ろにも、ですね)といったところでしょうか。現在、海外に所属している多くのプレイヤーがサイドで働いており、日本は”サイドバック天国”とでもいうべき状況です。

つまり、「主要リーグの上位クラブにおいて、センターで3シーズン以上プレーしたのは小野と香川のみ」「CBでレギュラーを獲ったのは麻也が初めて」ということなのです。香川は決してパワーのある選手ではありませんが、状況判断力と瞬発力、両足のキックの正確さを武器に中央で機能しており、吉田はF.トーレスやファン・ペルシ、スアレスなどを相手に立派に通用しています。サイドにまわることなく、継続的にセンターのレギュラーで結果を出せるかどうかはこれからですが、少なくとも彼らが先人たちが歩いたことのない獣道を突き進んでいる、ということについては拍手とエールを送りたい。

香川にはチャンピオンズリーグでの活躍とリーグ、カップ合わせて10得点を、麻也には残り全試合フル出場とチームのプレミア残留を達成してほしいと祈っています。ほんとうに凄いぞ、がんばれ!

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