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【Saints×MAN.CITY】 マンチェスター・シティ、自滅、崩壊、後退…。

こんなにひどいマンチェスター・シティはこの2年間、見たことがありませんでした。

前半、ダヴィド・シルバがその存在をアピールしたのは、40分過ぎに打ったシュートぐらいではないでしょうか。彼がこれだけ機能しないのは珍しいことです。ナスリは全く試合から消え、何もできず。両SBのサバレタとクリシーは簡単にサイドの突破からクロスを許し、CBのハビ・ガルシアはボールに寄りすぎてバランスを崩してしまい、中でフリーの選手を量産。比較的調子のよさそうだったジェコとヤヤ・トゥレも抑えられ、ギャレス・バリーに至っては、MFの選手がこんなに直接的に失点に絡むのは珍しいといえるくらい、致命的なミスを再三犯してしまいました。

年末年始の過密スケジュールの後、FAカップとプレミアリーグを並行してこなし、このミッドウィークには各国代表の親善試合があるなど、試合の多いこの時期、疲労が選手の体を蝕んでいたのでしょう。それにしても普通、肉体の疲れからスピードが落ちたり微妙なプレーに影響が出たりすることはあっても、基本的な技術レベルまで落ちることはないものです。この日のシティは、攻めあぐむ以前にビルドアップの段階でフリーの選手がパスミスを連発するなど、体の問題だけでなく集中力やモチベーションも低かったように感じました。

失点の形が最悪です。1点めはギャレス・バリーが自陣でのドリブルをさらわれ、一気に2対2の状況。裏からゴール前に侵入してきたロドリゲスに誰もついてこず、彼がフリーで打ったシュートのこぼれをパンチョンに流し込まれます。2点めはGKジョー・ハートの大失態。真正面に飛んできた腰の高さのボールをトンネルするという珍しいミスからスティーブン・デイビスに押し込まれます。3点めはまたもやギャレス・バリー。左サイドからリッキー・リー・ランバートがドリブルで持ち込んだものの、中には誰も入ってきておらず、苦し紛れに出したグラウンダーをバリーがクリアしようとして、ゴール右隅に絶妙なオウンゴール。まだ後半3分で、追いつく時間は充分に残されてましたが、試合はここで終わったといってもいいでしょう。タイムアップの笛が鳴るまで、試合は終始セインツペース。ミルナーやコラロフの投入も状況を打開するに至らず、あっさり勝ち点3を失いました。いつもどおりプレーしていたのは、アグエロだけ。シティ、自滅。

セインツは、最初から明らかに勝ちにいっていました。前線からしっかりプレッシャーをかけ、奪取したボールをシンプルにランバートやロドリゲスに預け、中盤やサイドの選手が押し上げていきます。トリッキーなコーナーキックを仕掛けて失敗し、カウンターからジェコに決められたシーン以外はDFラインのバランス、統率もとれており、吉田は全体を見渡しながらこまめに指示を出し、ジェコやアグエロと1対1にならないように丁寧にカバーリングをしていました。

それにしても、彼らは決して3点獲れるような攻撃ができていたわけではないので、ポチェッティーノ監督からすれば「してやったり」だったでしょう。就任直後のこの時期に難敵を下すことができたことで、チームの結束が高まりそうです。一方、シティはコンパニの不在、バロテッリの放出の影響が如実に表れています。この日はテベスもベンチ外で、劣勢に立たされたとき、切れる有効なカードがミルナーしかありませんでした。今後も休ませたい選手を使い続けるしかなく、連覇を狙うどころか下を気にしなければならない状況を迎えるかもしれません。マンチーニ監督、正念場です。

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