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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×Chelsea】3人のCFを4人のCBが完封!チェルシーの無敗は9戦でストップ!

プレミアリーグ開幕から4連勝とロケットスタートを決めたエヴァートンは、その後の7試合を1勝2分4敗と失速。6節まで2勝3分1敗とパッとしなかったチェルシーは、直近のプレミアリーグ5試合を4勝1分とエンジンがかかり始めています。本拠地グディソン・パークに優勝候補を迎えるアンチェロッティ監督は、ゴドフリー、ミナ、マイケル・キーン、ホルゲートを最終ラインに並べる守備的な布陣をチョイス。失点を回避し、ワンチャンスを活かしてリードしたいところです。

対するランパード監督は、好調ジルーを2試合連続で先発起用しています。GKエドゥアール・メンディ。DFリース・ジェームズ、ズマ、チアゴ・シウヴァ、チルウェル。中盤センターにカンテとコヴァチッチ、2列めにメイソン・マウント、カイ・ハヴェルツ、ヴェルナーが構える4-2-3-1でしょうか。開始2分、メイソン・マウントが左サイドから仕掛けたカウンター。中央でグラウンダーを受けたカイ・ハヴェルツが自分で打たずにリース・ジェームズに流すと、右足のシュートはゴドフリーがブロックしました。

エヴァートンの最初のシュートは6分。シグルズソンをポストに使ったリシャルリソンがボックス左から右足で狙うと、力が入らなかったボールはメンディが悠々とキャッチします。9分のCKは、ミナのヘッドが枠の上。ポゼッションをとっているチェルシーは、カイ・ハヴェルツとリース・ジェームズの息が合わないのが気になります。21分、ピックフォードのロングフィードをカルヴァート=ルーウィンがヘッドで浮かし、自ら落下点にいこうとした瞬間、飛び出したメンディが押し倒してPK。シグルズソンのキックがゴールの真ん中に転がり、エヴァートンが望外の先制点をゲットしました。

25分にリース・ジェームズが右を狙ったFKは、ピックフォードが左に飛ぶビッグセーブ。右からのCKがファーに流れると、走り込んだリース・ジェームズの渾身のダイレクトショットはニアポストに弾かれます。28分の右からのFKは、ジルーがヘッドでズマに落とすも左足ボレーはGKの正面。36分、右から上がったコヴァチッチが速いボールを中に入れると、ヴェルナーはボレーを打ち上げてしまいました。39分、右サイドでパスをもらったイオビが中央のシグルズソンに預け、速攻スタート。ラストパスをもらったリシャルリソンの左足シュートは、メンディがニアと読んでセーブしました。

40分、ロングフィードに反応したピックフォードと、メイソン・マウントに押されたミナが激突。こぼれ球がジルーの足元に落ちますが、ドゥクレが体を張ってボレーをブロックします。前半は1-0のままで終了。後半のキックオフから1分、チアゴ・シウヴァが左足で浮かしたボールに、飛び出したピックフォードがパンチ。これがメイソン・マウントの足元にいってしまいますが、ループシュートはバーに当たってゴール裏に消えていきました。

52分、カイ・ハヴェルツのシュートブロックからカウンター。左サイドでシグルズソンからパスを受けたリシャルリソンが、ドリブルでカットインして放ったシュートは、メンディが左に弾き出します。54分のシグルズソンのFKは、クロスバーをかすめて追加点ならず。63分にカルヴァート=ルーウィンがチルウェルに倒されたシーンは、PKのジャッジの後、VARによってオフサイドが発覚しました。

ランパード監督は、フィットしていたとはいえないカイ・ハヴェルツを68分に諦め、タミー・アブラハムを投入。ヴェルナーが消され、ジルーにチャンスボールが入らないまま、残り時間は15分を切っています。左サイドに張るタミー・アブラハムは脅威とならず、運動量豊富なアランとシグルズソンがシュートレンジをカバー。81分のメイソン・マウントのFKは、右のポストを叩きました。

直後、コヴァチッチに代わって19歳のビリー・ギルモア。83分にシグルズソンをアンドレ・ゴメスにスイッチしたアンチェロッティ監督は、イオビをトム・デイヴィス、リシャルリソンをジョンジョ・ケニーに代えて時間を遣いました。エヴァートンが悠々と逃げ切り、9節のフラム戦以来の3ポイント。ツィエクがいればジルーが活かされ、プリシッチがいればヴェルナーが危険なエリアに入るシーンを増やせたのではないでしょうか。タミー・アブラハムは機能せず、ヴァルナーはゴドフリーに封じられました

タイムアップの笛が鳴った瞬間、選手たちはガッツポーズ、サポーターはスタンディングオベーション。攻撃力があるコールマンとディーニュの穴を、守備力という別な魅力で埋めたゴドフリーとホルゲートが見事でした。チェルシーのアタッカーたちにとって、アランとドゥクレもうっとうしかったのではないでしょうか。守ってワンチャンスというアンチェロッティのゲームプランが完璧にはまったナイスゲームでした。

プレミアリーグ9戦連続無敗という記録が途切れたチェルシーは、ウイングばかりが筋肉を傷めて続々とリタイアし、機動力を失ったのが激痛でした。年末は、ウルヴス、ウェストハム、アーセナル、アストン・ヴィラと曲者だらけのドローを切り抜けなければなりません。指揮官の采配が戦績を左右する大事な季節。ランパード監督の前線の動かし方をチェックしていきたいと思います。(エドゥアール・メンディ 写真著作者/Дмитрий Пукалик)


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