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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Saints×MAN.CITY】レジェンドの離脱、弱気な攻撃陣…マン・シティの得点力激減の理由!

プレミアリーグ2020-21シーズンの最大の話題は、ミケル・アルテタ率いるアーセナルの不振ですが、彼らに負けず劣らずマンチェスター・シティの異変にも注目しています。2017-18シーズンはプレミアリーグレコードの106ゴール、昨季も不振といわれながら102ゴールを決めた攻撃陣は、13試合で19ゴール。サウサンプトン、レスター、ウェストハム、アストン・ヴィラ、リーズより少ないゴール数は、リーグ11位という信じられないポジションに留まっています。順位のほうは、6勝5分2敗でリヴァプールに8ポイント差の6位。1試合消化が少ないので、まだまだ射程圏内ではありますが、攻撃陣のパワーアップがなければ取りこぼしは減らないでしょう。

プレミアリーグの公式サイトで主要スタッツを見ると、チャンスメイクとゴールに関するスタッツの激減は顕著です。914本で1位だったクロスは、212本で15位。85本を通して1位だったスルーパスも、13本で3位に甘んじています。266本でぶっちぎりのTOPだったオンターゲットも68本という並みの数字に落ち着いてしまい、95本のリヴァプール、74本のリーズ、71本のチェルシーに次ぐ4位。1試合あたりのオープンプレーからのゴール数は1.92から1.08に下がり、セットピースからのゴールも0.45から0.21と半減しています。

全体のスタッツもさることながら、「デブライネ依存度」のUPも気になるところです。クロス比率は33%から36%に上がり、スルーパスは38%から46%と大きく伸びています。最大の要因は、アグエロの長期離脱とダヴィド・シルヴァの退団でしょう。昨季プレミアリーグで16ゴールを決めたエースが3試合ノーゴールとチームに貢献できておらず、代役のフェラン・トーレスは9戦1発1アシスト、ガブリエウ・ジェズスも7戦2発1アシストと結果を残せていません。アグエロがいないため、マークが厳しくなったスターリングも12試合4ゴールに留まっており、2019-20シーズンの20ゴールに届くペースではありません。

昨季のダヴィド・シルヴァは、6ゴール10アシストでチャンスクリエイトは11回。レジェンドのポジションを埋めるフィル・フォーデンは、2ゴール1アシストでチャンスクリエイトは1回。将来が楽しみな20歳に同じ仕事をしろとはいえませんが、マン・シティの黄金時代を築き上げてきた2人のビッグネームの不在は、攻撃に関するスタッツに忠実に反映されています。稀代のプレーメイカーとレロイ・サネが抜けたシーズンに、フェラン・トーレスを加えただけという夏の補強は足りなかったといわざるをえません。

19日に行われたセインツ戦も、苦しいゲームでした。開始当初はプレスに戸惑っていたマン・シティは、ジョアン・カンセロのミドルをGKマッカーシーがビッグセーブでしのいだ10分過ぎから反攻スタート。15分に左からのFKをボレーで決めたロドリは、オフサイドだったスターリングの関与で今季プレミアリーグ初ゴールを取り消されますが、1分後にベルナルド・シウヴァとの連携でデブライネが右サイドを突破し、グラウンダーをもらったスターリングが右足で蹴り込みました。ここまではよかったのですが、マン・シティの攻撃陣はイニシアティヴを取れず、セインツの猛攻をさばくシーンが増えていきます。

21分にカイル・ウォーカー=ピータースからパスを受けたウォルコットが右足で狙うと、エデルソンが右に反応してセーブ。こぼれ球をダニー・イングスがトラップしていれば…と悔やまれる決定機でした。27分には速攻を仕掛けたジェネポのサイドチェンジがウォルコットに通り、ダイレクトの折り返しをダニー・イングスがヘディングシュート。後ろからチェックしたルベン・ディアスがPKを取られてもおかしくないシーンでした。

バートランドのパスが右のウォルコットに通った34分のピンチは、クロスに飛び込んだチェ・アダムズが惜しくも触れず、後ろにいたジョン・ストーンズのクリアはあわやオウンゴール。ハーフタイム直前のダニー・イングスの負傷リタイアがなければ、違う結果で終わっていたかもしれません。両者ともに守備重視で、少人数のアタックの応酬となった後半も、マン・シティは決定機を活かせませんでした。

54分にスターリングが出した縦へのスルーパスでデブライネが抜け出し、中央から走り込んだベルナルド・シウヴァにグラウンダーが通るも、右にまわり込んで打ったシュートはミスキック。70分には、ベルナルド・シウヴァのラストパスでデブライネがフリーになりますが、バートランドに詰められるのを嫌ったのかボックス手前で打ってしまい、ボールはマッカーシーの懐に収まりました。

78分のギュンドアンの左足ミドルは、好調のGKが右に弾き出します。92分に右から上がったデブライネが中央のスターリングにパスを通すと、ボックス左でフリーになったのはベルナルド・シウヴァ。今季プレミアリーグでノーゴールのレフティがニアに決めるかと思いきや、自分よりゴールに遠かった逆サイドのマフレズに浮き球のラストパスを送り、26番の左足のボレーは浮いてしまいました。

かくして0-1辛勝。「長いシーズン、こんな試合もある」といいたいところですが、1-0の勝利が3回、1-1のドローが4回のマン・シティは、こんな試合ばかりです。セインツは簡単に勝たせてくれる相手ではありませんが、スパーズ戦で5失点、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドには3失点を喫しています。昨季までの獰猛なチームなら、完勝していたのではないでしょうか。ゴール前でマークを外したアタッカーたちの弱気が印象に残った一戦でした。

年末年始は、エヴァートンとチェルシー。WBA戦をドローで終えた後、ゴールが少ない理由を問われたペップは、「ひとつのボールをゴールに入れないといけないから」「ゴールを決められないから」と、とぼけまくっていました。打開策はあるのか。ライバルを競り落とせるのか。昨季は4勝2敗、2018-19シーズンは4勝3敗と、12月は苦手な季節ではありますが…。


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