偏愛的プレミアリーグ見聞録

過去3シーズンのプレミアリーグで3勝2分1敗。マンチェスター・シティにとって、クリスタル・パレスはときどき足をすくわれるやっかいな相手です。ザハ欠場は幸運ですが、2018年12月に2-3で敗れた時、スーパーショットを決めたタウンゼントも侮れません。ペップ・グアルディオラ監督は、ロドリ、フォーデン、ジョアン・カンセロをベンチに待機させています。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、ルベン・ディアス、ジンチェンコ、MFフェルナンジーニョ、ギュンドアン、デブライネ、FWスターリング、ガブリエウ・ジェズス、ベルナルド・シウヴァ。慎重に立ち上がったマン・シティは、3分過ぎから徐々にポゼッション率を高めています。

サイドにパスは通るものの、いいクロスが入れず、シュートが打てないホームチーム。12分にギュンドアンが放った強引なミドルは、DFに当たってしまいました。左右に散らすフェルナンジーニョのロングフィードは、速く攻められれば効果的ですが、キープしたウイングが後ろに戻すシーンが目立ち、クリスタル・パレスの守備陣は余裕をもって対応しています。19分、エデルソンが前に出ているのを見て浮かしたエゼのロングシュートは枠にいかず。23分にフェルナンジーニョの楔のパスがガブリエウ・ジェズスに入り、落としを受けたギュンドアンが右に展開すると、切り返しから放ったデブライネの左足ミドルはファーポストの左に外れました。

24分のショートコーナーから、スターリング、ギュンドアン、デブライネが連打するも、ゴール前に引いたミリヴォイェヴィッチやマッカーシーが必死にブロック。マン・シティの先制ゴールは、27分の右からのCKから生まれました。クリアを拾ったスターリングのサイドチェンジがキッカーのデブライネに戻ると、中央に上がった完璧なクロスをジョン・ストーンズが頭で押し込みました。レギュラーに定着したCBは、今季プレミアリーグ初ゴール。クリスタル・パレスは、前に出なければならなくなりました。

ジンチェンコとカイル・ウォーカーが中に絞り、中盤に厚みを持たせている水色のシャツは、38分に追加点のチャンスを創りました。右サイドでのパス交換からベルナルド・シウヴァがニアに浮かすと、ギュンドアンがバックヘッドで中央にフィード。飛び込んだガヴリエウ・ジェズスのダイビングヘッドは、GKグアイタの正面にいってしまいました。前半は1-0。セーフティーリードに持ち込みたいペップは、スターリングとベルナルド・シウヴァのポジションを入れ替えています。

押していたマン・シティが2点めを決めたのは56分。きっかけは、またもCKでした。ボックス手前でクリアを拾ったギュンドアンがタウンゼントをかわして右足を振り抜くと、ボールはグアイタの指先を抜けて右隅に吸い込まれました。60分にベルナルド・シウヴァが下がり、フィル・フォーデン。68分の3点めもCKです。ルベン・ディアスのヘッドをグアイタがセーブすると、リバウンドを左足で叩いたジョン・ストーンズの一撃がGKの脇を抜きました。

勝利を確信したぺップは、71分にギュンドアンとデブライネを下げ、フェラン・トーレスとジョアン・カンセロを投入しました。相変わらずマン・シティの守備は強固で、クリスタル・パレスのシュートは2本のみ。エデルソンがセーブ率75.8％でプレミアリーグ5位に留まっているのは、ルベン・ディアスとジョン・ストーンズがオンターゲットを許さないからです。88分、スターリングが直接FKを右隅に収めて4-0。今日のゴールは、すべてセットピースからでした。

クリスタル・パレスは、オンターゲットゼロでタイムアップとなりました。9戦連続無敗のチームは、この間2失点。リヴァプールが主力の負傷と攻撃陣の不振で苦しんでいる今、優勝候補筆頭は守備が格段によくなったマン・シティなのではないでしょうか。次節のアストン・ヴィラ戦は、失点の少なさでワンツーを占めているチームの対決です。グリーリッシュ、エル・ガジ、オリー・ワトキンス、ベルトラン・トラオレがマン・シティの最終ラインにどう立ち向かうのかに注目しましょう。