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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Watford×Chelsea】強気なトゥヘル采配が結実!ツィエクの1発で貴重な勝ち点3をゲット!

2週間ほど前に、ワトフォードに4-1で敗れて指揮官を飛ばされたチームのサポーターとしては、メンバーを落として戦うトゥヘル監督はオーラを纏っているように見えます。プレミアリーグ14節、会場はあの試合と同じヴィカレージ・ロード。カンテ、チルウェル、コヴァチッチは負傷欠場ですが、リース・ジェームズはオーバーワークにつきお休みとされています。

チアゴ・シウヴァ、ハドソン=オドイ、ジョルニーニョ、ヴェルナーにも無理をさせず、ベンチスタート。中盤センターは、プレミアリーグに未だフィットしていないサウール・ニゲスと、開幕当初は構想外に見えたロフタス=チークという初めてのコンビです。GKメンディ、3バックはチャロバー、クリステンセン、リュディガー。WBはアスピリクエタ&マルコス・アロンソ。前線はメイソン・マウントとプリシッチの前にカイ・ハヴェルツという布陣です。

開始早々から、押しているのはワトフォード。プレミアリーグ5ゴール5アシストのデニスは要注意です。6分にフェメニアがクロスを入れると、アスピリクエタの腿に当たったボールが右隅に飛びますが、今季プレミアリーグでのセーブ率91.2%を誇るメンディが外に弾き出しました。9分、ワトフォードにアクシデント発生。ハイクロスを上げたマシナが太腿を痛めてリタイアとなり、ラニエリ監督はダニー・ローズをピッチに送り出しました。

アーセナル戦でウイークポイントとなっていた元スパーズのレフトバックは、プリシッチやメイソン・マウントのアタックに対応できるでしょうか。この間にスタンドでもアクシデントがあり、両チームの選手がドレッシングルームに下がっていきました。どよめくヴィカレージ・ロード。イエローとブルーのシャツが戻ってきたのは、25分を経てからでした。心臓発作で倒れたサポーターは、適切な処置を得て病院に運ばれ、無事だったようです。

中断前は不安定だったチェルシーは、リフレッシュして試合に臨みたいところです。18分、相手のクリアをロフタス=チークがヘッドで跳ね返すと、ボックス右に走り込んだメイソン・マウントのシュートが右のポストにヒット。プレミアリーグ首位チームの先制ゴールのきっかけは、左サイドでフリーになったマルコス・アロンソに気づいたリュディガーの浮き球でした。

ボックス脇に入った左WBが中央にグラウンダー。キャスカートと対峙したカイ・ハヴェルツは、右脇でノーマークだったメイソン・マウントにフィニッシュをまかせました。インサイドで蹴ったボールがゴール左に決まって0-1。32分にプリシッチが仕掛けたカウンターは、カイ・ハヴェルツへのラストパスが遅れ、ラインズマンの旗が上がりました。

35分、クレヴァリーが右から入れたクロスをジョアン・ペドロがヒールで左に流すと、フリーだったダニー・ローズのシュートはメンディがセーブ。ワトフォードが追いついたのは、43分でした。自陣でロフタス=チークから奪ったシソコが前にいたデニスに託すと、フェイントでリュディガーを翻弄したウインガーが巧みな股抜きシュートを左隅に収めました。

前半終了間際に、デニスのスルーパスをゴール前でもらったシソコは、ミスキックでチャンスを逃してしまいました。折り返しは1-1。プレミアリーグ参入以降、2試合めの先発だったサウール・ニゲスはデュエルで弱く、またもハーフタイムを越えられずに終わりました。後半のピッチに立ったのは、チアゴ・シウヴァ。チャロバーを中盤に上げて守備を締めるということのようです。

49分に左から仕掛けたプリシッチは打てず、落としてもらったロフタス=チークのシュートはブロックされてしまいました。ジョアン・ペドロのスルーパスでクレヴァリーがラインの裏に出た57分のカウンターは、パスコースを読んで20メートル以上走ったメンディが足元に飛び込むファインプレー。60分にチャロバーが足を痛めてリタイアすると、代役はジョルジーニョかと思いきや、ハキム・ツィエクで勝負です。

さらに69分、アスピリクエタに代えてロメウ・ルカク。トゥヘル采配が結実したのは72分でした。リュディガーが左に展開すると、マルコス・アロンソが頭で縦に流し、メイソン・マウントがボックスの左脇を突破。正確なグラウンダーがニアに転がると、ツィエクのボレーをバッハマンが上に弾き切れず、ボールはネットの天井に突き刺さりました。

81分、デニスのスルーパスでボックス右を突破したジョアン・ペドロは、メンディにコースを塞がれて打てず。直後にカイ・ハヴェルツのクロスを頭で合わせたツィエクの一撃は、バッハマンがキャッチ。シュート数13対8、オンターゲット6対4と首位を上回ったワトフォードは、決定機を活かせず競り負けてしまいました。

昨季の後半戦のブルーズなら、1-1で終えていた展開でした。守備のスペシャリストを2人も削ってアタッカーを足し、勝ち切ってしまうのがトゥヘルのフットボールの進化です。公式戦12試合&プレミアリーグ8試合連続無敗。トロフィーを獲得するチームの勝負強さに触れたような気がした一戦でした。

最後に…スタンドで倒れたサポーターの病状の安定に胸をなでおろすとともに、迅速な対応で命を救ったメディカルスタッフ、協力した観客のみなさん、長い中断の後も変わらずに戦った選手たちに、拍手を送りたいと思います。(メイソン・マウント/写真著作者/Brian Minkoff London-Pixels ハキム・ツィエク/写真著作者/Дмитрий Пукалик)


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“【Watford×Chelsea】強気なトゥヘル采配が結実!ツィエクの1発で貴重な勝ち点3をゲット!” への1件のコメント

  1. n より:

    ローテーションのコンディションが万全ではない中、なんとかアウェイの3ポイントは価値があります。負傷者が累積し、チャロバーも深刻な気配、ハードな12月を乗り切れるか、、ちょっと苦しくなってきました。

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