【Sunderland×MAN.UTD】 視線はFAカップ!2戦連続の静かな90分
結果には満足ですが、まあつまらないことこのうえなし。2戦続けてのアンチクライマックス。マン・オブ・ザ・マッチを挙げるとすれば、安全運転のサスペンション役を全うしたキャリックか、ゴール前を締めきったヴィディッチか。いずれにしても、この夜の出来でチェルシーに勝つのは難しいでしょう。
試合をややこしく、つまらなくしたのは、ひとえにファン・ペルシの絶不調ぶりでしょう。彼にボールが出ると、必ずキープして2回、3回と切り返し、相手を抜いてシュートしようとするので、そこで攻撃の流れが止まります。サンダーランドDFバーズリーのマークが緩すぎたこともあって、左足の強シュートから1点は獲りましたが、彼が周囲を見て適切なプレイを選んでいたら、もっとラクに勝てたでしょう。そして、次なる戦犯はバレンシア。あれだけ相手をかわしたのに、シュートが打てるボールを1本も出せないのでは、点が入るべくもありません。
香川は悪くなかったと思います。このゲームの命題は勝ち点3で、「早くゴールを奪って、点をやらずに逃げ切る」ことが大事だったとするならば、ドリブルでハーフラインを越えてくる選手をしっかり追いかけ、いつもより低い位置まで下がって中盤の組み立てに参加するというプレイぶりには及第点をあげていいのではないでしょうか。ただし、いかんせんゴールが遠かった。下がるゆえにボール奪取した時にいいタイミングでゴール前に入れない、という年明け直後の悩みを再現したような状況。それでも、6分に右サイドからアシュリー・ヤングにドンピシャで合わせたクロスや、34分に縦に抜け出し、2人のDFの間を優しいタッチでフリーのアンデルセンに通したラストパスなど、いちばん点の匂いがする選手ではありました。
さて、のらりくらりとレディング戦、サンダーランド戦の180分をやり過ごし、気がついてみればプレミアリーグ7連勝。そのうちクリーンシートが6試合と、あれだけ不安定だったディフェンスが結果を出しています。さらにいえば、11月にノーウィッチに3敗めを喫してからの18試合で何と16勝2分!スウォンジーを崩し切れず、トッテナムに勝っていた試合の終了直前に追いつかれた2試合以外はすべて勝利。そのうち1点差勝ちが9試合です。「他チームがだらしない」などという声もあるようですが、サー・アレックス・ファーガソンが「過去最強」と口走ったこともあるくらい、今年のチームがここぞというところで強いことも事実です。30試合で25勝はプレミアリーグ最多勝利記録。それだけに、レアル・マドリード戦の…いやいや、これを語り出すと長くなるのでやめましょう。さあ、次戦は4月1日、本命のFAカップです。最後に、試合後のサー・アレックスのコメントを紹介して、この稿を締めることとしましょう。
「後半は厳しかった。サンダーランドの戦いぶりを称賛しなければいけないね。我々には2、3人の負傷者がいて、GKも負傷した。非常に厳しい戦いだった。我々はあと8試合で4勝を挙げなければならない。次にホームで行なわれるマンチェスターC戦に集中しなければいけない」
…「サンダーランドを称賛」「厳しい戦い」「あと8試合で4勝を挙げなければならない」などなど、たった3行のコメントに、狸オヤジが心にもないことをよくいうわ、という言葉がこれでもかと入っています。ここがこの方の凄いところ。チームの慢心を警戒して、浮ついたことを一切口にしません。頼もしい、最高のマネージャーです。
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