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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Reading】 感動のアーセナル!久々に見たヴェンゲル・サッカーの真髄

相手は今まで引き分けたことすらなく、全勝している最高のお客様、レディング。しかもホーム、エミレーツでのゲーム。負けるわけない、負けるわけにはいかない1戦は、順当勝ち以上の最高の試合でした。これぞアーセナルのパスサッカー!4-1というスコア以上の大差。立役者は、トマシュ・ロシツキ

背番号7のいいところは、判断が早く余計なモーションなくパスを出せるところと、絶対に後ろに戻さないといっていいくらい、前にパスを出し続けるところです。ロシツキのシンプルなパスワークがチームに加わっただけで、アルテタがアグレッシブになり、カソルラのプレーにいい遊びが入ります。前半11分、カソルラの速いクロス性のボールに、アフリカから帰ってきてから絶好調のジェルヴィーニョが合わせ、いきなり先制。早い時間に点を獲ったことで勢いがついたアーセナルが躍動します。

ロシツキがシンプルにボールをさばき、カソルラやジェルヴィーニョが前を向いてフリーでボールを持てるシーンが増えることで、中央でショートパスを素早く回して崩す攻撃が機能し、レディングは防戦一方。ある5分間のボールポゼッションがアーセナル95、レディング5という、バルセロナでもなかなかお目にかかれない数字が出るほどの一方的な状況。中央にレディングのDFが集まり、中がダメとなれば、ロシツキは左右にボールを散らし、サイドでタメを作っている間にラムジー、アルテタがセンターからフォローに入り、数的優位を作ってサイドを崩します。サニャがフリーで有効なクロスを上げるシーンをこんなに観たことがあるだろうか、というくらいの厚みのある攻めでした。

それでも前半は1-0、足りないのは、フィニッシュだけ。

その課題を解決したのはカソルラ。後半開始早々、ジェルヴィーニョがドリブルでDFを自分に集め、落としたボールをインサイドキックで狙い澄ました右隅への一発。これで勝負あり。1点差なら、油断やアクシデントで追いつかれることもありますが、この展開での2点差は致命的。ここから後は、アーセナルの攻撃練習のようなゲームでした。ジルーの3点めは、珍しく攻めたレディングの裏をつくカウンターから。4点めは、やはり好調を維持しているチェンバレンがペナルティエリアで倒され、アルテタが落ち着いて決めたPK。唯一、プレイが不安定だったモンレアルのミスから1点を奪われた以外は完璧な出来。アンリやベルカンプがいたころのアーセナルを思い出します。完勝で、チェルシーとは勝ち点2差。1試合多く消化しているトッテナムとも4差まで迫り、いよいよ来季のCL出場権の背中に手がふれるところまできました。

ほぼ全員、合格点をあげていいゲームのなかで、ロシツキ、ジェルヴィーニョ、カソルラに負けず、よかったのがラムジーです。アーセナルサポーターと話すとラムジーに厳しい方が多く、賛否両論あるようですが、彼は「バランサー」「つなぎ役」としては優秀。アルテタの横にいると、時としてジャック・ウィルシャーよりもいい仕事をします(ただし、右サイドなど攻撃的なポジションにいる彼は評価できません。想像力と技術不足)。昨夜も、あれだけ遠慮なくアルテタやサニャが上がれたのは、ラムジーがいたからではないかと思います。ディアビが大ケガをして今季絶望となった今、ラムジーが健在であれば、今後のゲームでもアーセナルらしいサッカーを見続けられるのではないかと期待しています。

チェルシーが敗れました。トッテナムとチェルシーの直接対決もまだ残っています。アーセナルは取りこぼしさえしなければ、日程と対戦相手が厳しい両者の上にいくでしょう。最大の敵は、自分自身。次戦はWBAとのアウェイ。こういう試合で、真価が問われます。
(写真著作者/Ronnie Macdonald)

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