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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Saints×Chelsea】 チェルシー慢心、吉田麻也は安心、セインツ会心!

己を過信したのか、敵を見くびったのか。

4月1日のFAカップ準々決勝に備え、前節よりメンバー4人を入れ替えてマンチェスター・ユナイテッドが勝利した15分後、そのFAカップでの対戦相手であるチェルシーは、前節より7人を入れ替え、敵地セント・メアリーズにてサウサンプトンとのアウェイゲームに臨みました。2時間後、チェルシーが得た結果は、勝ち点ゼロ。ターンオーバーは失敗に終わりました。マンチェスター・シティとリヴァプールを破り、アーセナルと引き分け、マンチェスター・ユナイテッドに残り3分までリードしていたセインツのホームでの強さを、ラファエル・ベニテス監督はどう捉えていたのでしょうか。1月にホームで2点差を追いつかれて引き分けており、彼らの攻撃力に対する苦い記憶はあったのに…。

チェルシーの最大の敗戦理由は、「ジェイ・ロドリゲスに自由にやらせ過ぎた」こと。先制される前から彼には再三突破を許し、修正する時間があったにも関わらず無策のまま、ゴールを許してしまいました。前半23分のセインツ先制のシーンは、右サイドでリッキー・リー・ランバートへのプレッシャーが甘く、彼からパスを受けたロドリゲス、ワンツーの相手となったデイビスをそれぞれフリーにしてしまい、ロドリゲスに中央を完全に割られてしまったもの。これだけマークが緩ければ、ガストン・ラミレスをコンディション不良で欠いていたとしても、攻撃のタレント豊富なセインツがチャンスを見逃すわけがありません。

10分後にCKからテリーがヘディングを決め、追いついたものの、その2分後にはリッキー・リー・ランバートに見事なFKを叩き込まれます。1-2で前半を終えることになったチェルシー。ベニテスにとっては、やはり誤算だったことでしょう。FAカップのために選手を温存したい気持ちはやまやまですが、「最優先はCL出場権」と公言していた彼のことです。さすがにこうなれば、勝ち点3をもぎ取るべく仕掛けてくるだろうと思いましたが…。

後半は、サウサンプトンのディフェンス陣が見事でした。特に素晴らしかったのが、吉田麻也。前半はパスミスや、中途半端な対応からフェルナンド・トーレスに抜かれるなどのピンチがありましたが、後半のF.トーレスやモーゼスに対するチェック、セットプレー対応、カバーリングは完璧。チェルシーの攻勢に慌てることなく、決定的なシュートを打たれる場面もなく、追加点の芽をヨミとポジションのよさでつぶしきりました。フォンテ、フォレンと力のあるDFがいるサウサンプトンで、ポチェッティーノ監督が吉田麻也を外さないのは、ディフェンス全体を見渡せる視野の広さと統率力、そして前線へのフィードのよさがあるからだとあらためて思いました。

一方、チェルシーの選手起用には疑問が残ります。今季、プレミアリーグでは45分以上のまとまった時間を使われたことがないマルコ・マリンをいきなり先発させ、攻撃のキーマンをまかせたこと。劣勢に立たされた後半の最後のカードが、他選手との連携がいいとはいえないベナユンだったことです。F.トーレスが鼻をケガしてフェイスガードを付けてプレイしている状態でもあり、最後は当然、デンバ・バだろうと思っていました。言葉でどう言おうが、実際にやっていることは「FAカップ最優先!プレミアリーグは5位でもOK」という采配です。結果、トッテナムに順位をひっくり返され、アーセナルが勝ち点2差に詰め寄ってくるという大ピンチ。今後の対戦相手が上位の中でいちばんきついにも関わらず、本気で勝ちにいっていない姿勢が気になりました。

とはいえ私も、先日の記事で「サウサンプトンには負ける」と書いたぐらいですから、この結果は想定内。こうなったらますます大事なのは「ここまでして獲りにいったFAカップ」のほうですね。明日、マンチェスター・ユナイテッドと激突します。注目です。

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