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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×MAN.UTD】 今季最悪!香川真司に救われたマンチェスター・ユナイテッド

いや、ほんとうにひどかったですね、マンチェスター・ユナイテッド。特に前半です。上位クラブ相手でも、こんなに攻められない姿を見ることはないでしょう。ボールを持っている選手がパスを出すのが遅く、しかもどこにパスを出すか読めてしまう単調な攻撃。左MFでスタメン出場した香川でしたが、中盤の底まで下がっていって組立てに参加し、味方が中盤で前を向いてボールを持てるようにパスコースを探しますが、もらう動きが少なく、後ろで回している時間が長くなります。センターMFに入ったルーニーは前節ほど機能せず、ファン・ペルシは完全に消えていました。ボールの取られ方も悪く、危険な形でウエストハムのカウンターを喰らうシーンが目立ちます。

香川にとっては、ゲームの全得点、全失点に絡む濃密な夜でした。17分の失点は、香川とルーニーの息が合わず、ワンツーがずれたところを拾われて決められました。この日、さんざんラファエウとバレンシアを苦しめたジャーヴィスが左からマイナスのクロスを上げ、キャロルがヘッドで落としたところをヴァス・テがダイビングヘッド。ただでさえ攻めあぐんでいるところで先制点を奪われ、サー・アレックス・ファーガソン監督の表情が見る見るうちに険しくなります。

これを取り返したのが香川の見事なアシスト。左に流れたファン・ペルシに自ら出したボールのリターンをフリーで受け、きれいなドリブルでひとりかわすと、ゴール前2メートルでフリーになったバレンシアへやさしい折り返し。バレンシアの今季初ゴール、そしてチームで19人めの得点者を生み出した完璧なパスは、トップスピードでも細かいフェイントが使える香川らしいプレイでした。

1-1で折り返した後半、開始直後にファン・ペルシとルーニーの絡みからフィル・ジョーンズがあと一歩のところまで迫るなど、スタートはよかったマンチェスター・ユナイテッドでしたが、時間が経過すると徐々にペースを奪われ、55分にはディアムに左足でカーブをかけた美しいミドルシュートを決められてしまいます。このシュートの直前、左サイドの守備で、ボールを持っている選手に香川が寄りすぎて、フォローに入った選手を完全にフリーにしたのが伏線となってしまいました。中盤でボールに関わる時間が長かったのはいいのですが、自陣でパスを奪われるなど、珍しく危険なミスが多かった香川。この失点の瞬間、ゴールを見つめて呆然と立ち尽くしていましたが、おそらく直前のポジショニングを悔やんでいたのでしょう。

さあ、1点をリードされたマンチェスター・ユナイテッド。この状況を打開すべく、ルーニーを下げギグスを投入したサー・アレックス・ファーガソン監督でしたが、ギグスもミスが多く、攻撃は単発。ロングクロスからファン・ペルシが放った美しいダイレクトボレーもGKヤースケライネンにブロックされ、あげくオフサイドの判定。香川真司は前線の狭いスペースでボールを受けようとしますが、誰もそこに出そうとしません。せっかく受けられるポジションに入っているのにもったいないと思いながら、残り時間が減るのを絶望的な気分で見ていたその時…。

77分、ゴール中央にすっと入った香川に、彼をいちばんうまく使えるキャリックから速いパスが入ります。香川はこれを左足で軽く流すと、足を出してくるDFより一瞬早く、強烈な左足シュート!ボールは左ポスト、右ポストとピンボールのように跳ね、落ちたところにファン・ペルシ!ウエストハムの守備的な布陣に打ち手を失っていたチームを救ったのは、またも香川真司のスピードでした。

この後、香川に代わって入ったチチャリートにチャンスがありましたがシュートには至らず、ドローのまま試合は静かに終わりを迎えます。あまりに出来が悪く、負けを覚悟したゲームでしたが、窮地に立ったチームを救う香川のシュートで何とか勝ち点1をゲット。残り5試合、あと2勝で優勝決定です。

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