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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×Chelsea】 お騒がせスアレス。最高のクロスと最低のハンド、そして最後はヘッド!

リヴァプールが意地を見せるか、負けられないチェルシーのモチベーションが勝るか。攻撃に自信がある両チームの戦いは、試合開始からボールがめまぐるしく動く好ゲームとなりました。グレン・ジョンソンの飛び出しをチェフがコースを切ってかわし、ラミレスのシュートをレイナが大きくフィスティングで弾くなど、あわやというシーンを経験豊富な両GKが好守でしのぎます。先制点はチェルシー。26分、マタのCKをニアに入っていたオスカルがヘッドでうまく合わせると、さすがのレイナも指先でさわるのがせいいっぱい。ボールはそのままゴール右隅に吸い込まれます。

チェルシー優勢とはいえ、決して悪くなかったリヴァプールでしたが、ロジャース監督は後半開始から積極的な采配を見せます。コウチーニョOUT、スタリッジIN。するとこれがドンピシャ。始まって10分はスタリッジのショータイム。ジェラードへの完璧なスルーパスはチェフがシュートを足に当ててCKに逃れ、左足で打った渾身のミドルがゴールポストを叩きます。そして52分、DFからのロングフィードを右サイドでヘンダーソンが落とし、スアレスが最高のクロス。これに反応したスタリッジが3度目の正直とばかりに左足で軽く合わせ、同点!古巣にその実力を見せつけるかのようなスタリッジの華麗なプレイで、流れは完全にリヴァプールに傾きました。

しかし、リヴァプールの時間は同点からたった5分で終わりを告げることになります。水を差したのは、スタリッジへきれいなラストパスを通した同点の立役者、スアレス。相手のCKを手に当てるという意味がわからない最低のハンドでPKを献上し、アザールがこれを難なく決め、1-2。特段危ないボールでもなかったので、意図したものではなく、前に立っていた選手に視界をさえぎられて当たってしまったというのが真相でしょう。しかし、なぜ手を上げていたのか…。スタリッジの奮闘を台無しにする不用意なプレイをしたあげく、冷静さを失った彼は、イヴァノビッチに噛みつくという暴挙に出ます。主審が見ていなかったので、ピッチに別れを告げずに済みましたが、自業自得のうえに自暴自棄という最低の行為。ああ…。

この後、決定的なチャンスを創れず焦るリヴァプールに対して、攻撃的な選手を下げ、ベナユン、モーゼス、ランパードを投入して逃げ切りを図るチェルシー。残り時間が減っていくにつれ、リヴァプールが攻勢を強めますが、シェルヴィやヘンダーソンがチャンスで再三、枠を外すなど、惜しいシーンはありながらもチェフを脅かすことができません。一方で、F.トーレスがゲームに参加できておらず、前線で時間をうまく使えていないチェルシー。私は、中盤をいじるより、F.トーレスをランパードあるいはデンバ・バに代えたほうがいいのではないかと思いながら観ていました。采配ミスとまではいいませんが、逃げ切り策を徹底できなかったツケを、彼らはこの後きっちり払うことになります。

追加タイムは6分。ボールを支配するのはホームの赤いユニフォームですが、ここぞというところで息が合わず、シュート体制に持ち込めません。あと1分をきり、これは勝負あったと思ったその時、最後の最後でやってくれたのは、最高のキレを見せていたスタリッジと、最低のキレ方を見せてしまったスアレスのコンビでした。右サイドでボールをキープしたスタリッジが、ゴール前でダヴィド・ルイスとイヴァノビッチの間に入り込んだスアレスを見逃さず、左足でCBふたりの間に落ちる完璧なクロス!これをエースが外すわけはなく、強いヘッドがチェフの手を弾き飛ばし、2-2の同点!

その瞬間、両手を上げて歓喜するロジャース監督と、ガムを噛みながらうつむくベニテス監督が対照的でした。

結局ドローで終わったこの試合。ホームのリヴァプールが最後まであきらめず、非常にエキサイティングな好ゲームだったと思います。マン・オブ・ザ・マッチを選ぶとすれば、5度の決定機を創ったスタリッジと、逆にそれらを2点に食い止めたチェフでしょう。前半41分のスアレスの右足や後半、フリーのジェラードが打ったコントロールシュートは、入って当然といっても過言ではないナイスシュートです。

それにしても、極上のヒールですね、背番号7は。PKをもらうのが好きなのは知ってましたが、わざわざプレゼントするとは思いませんでした。最高のクロスと最低のハンド、そして最後はヘッド。やっぱりこの男か…と本日、3度目の絶句。(写真著作者/Dean Jones)

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