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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【QPR×MAN.CITY】 シティ、最後はあきらめて、眠るように。

FAカップも入れれば、ここ5戦、1点も獲られていないシティと、FAカップでミルトン・キーンズ・ドンズ(リーグ1所属=3部相当)に一時は0-4とされる惨敗を喫したQPR。つい3日前のこの結果を並べれば、「シティの先制点は何分だろうか。何点差で勝つのだろうか」と考えるのが普通でしょう。しかし、ひとつだけ、忘れてはならないことがあったのです。このホームチーム、控え選手大量投入で崩壊した前回の試合はあくまでも例外。「いつものメンバー」であれば、ここ10試合で3回しか負けていない、”やっかいな最下位”なのでした。

試合は開始当初から緊張感が漂い、ぎこちない入り方。前半10分まで両チーム、パスミスの応酬。10分過ぎ、ジュリオ・セーザルがCKをポロリとやったところを、至近距離からレスコットが打つも、シュートは大きく上に外れます。このピンチで目覚めたのか、元インテルのエースキーパーは、この日大当たりでした。

シティは、相手の右サイドを執拗にシルバとアグエロで突破。左から速いラストパスを出し、中に侵入したテベスやバリー、サバレタが狙うという攻撃を展開します。19分、この日いちばんのハイライトシーン到来。ダヴィド・シルバが縦に抜け、軽く浮かした折り返しをサバレタが倒れ込みながらヘッド、バーを直撃!22分には、苦しまぎれのクリアボールを拾ったハビ・ガルシア、あわやのロングシュート。

この後は、お互いにひとつずつビッグチャンスを迎えるも、両キーパーがスーパーセーブ。38分QPR、最初で最後の惜しい攻撃。カウンターからターラブトがドリブルで抜け出しGKと1対1、左足シュートはハートが肩で止めて先制ならず。42分、今度はシティ。ギャレス・バリーがゴール右隅を狙ったボレーは、打った瞬間、誰もがゴールと思ったであろう一発。しかしこれを、ジュリオ・セーザルが指先で弾いてコーナーに逃れます。

この試合、実質的にはここで終わっていたのかもしれません。後半は一転、こう着状態が続きます。シティは圧倒的にボールを支配しながらも、QPRに守り方をマスターされ、縦に抜けられず、中にクロスを出せず。ペナルティエリアの前には常に3~4人のディフェンスがおり、クロスは弾かれ、入ってくる選手をケアされるので、シティは左右に球を回すことしかできなくなってしまいました。全く機能していなかったナスリをジェコに代えたものの、彼に合わせることもできず、ただ時間が過ぎていきます。ダヴィド・シルバの強烈なミドルはテンションの高い守護神ががっちりキャッチ。72分にヘッドの折り返しをフリーで受け、アグエロが放ったボレーは天高く外れます。81分、シルバが左にはたいてそのままニアサイドに入り、ジェコからの折り返しを左足で流すも、またもやジュリオ・セーザル!

守備に多大な体力と集中力を費やしたQPRには、攻撃は望むべくもありませんでした。カウンターのチャンスがあっても、それは「休息の時間」と化し、最後は足がつったり、ヒザに手を当てて休む選手が続出。攻め疲れたシティ、守り疲れたQPR。最後は両者ともがあきらめて眠るように終わりました。QPRにとっては望み通り、シティにとっては痛恨のスコアレスドロー。このつまづきで、明日、首位が勝てば7点差に逆戻り。赤い背中が遠くなりました。

シティのアラ探しをするより、QPRの守備をほめるべし、というのが感想です。シティはナスリ以外、特段悪い選手はいなかったのではないでしょうか。ジュリオ・セーザルに、少なくても2点、持っていかれましたね。

観ていて悲しかったのは、試合終了直前に交代で入ったパク・チソンに対する味方サポーターからのブーイング。惨敗のFAカップで、彼はスタメンだったのですが、途中交代で下がるときに、ホームにも関わらず「ざまあみろ」といわんばかりの歓声が挙がったそうです。マンチェスター・ユナイテッドから今季、鳴り物入りで入団し、当初はキャプテンを任されていただけに、ファンの失望は深いのでしょうね。出場機会を失った選手にできることは、日々の練習で監督を振り向かせることしかありません。ユナイテッド時代の献身的なプレーと勝負強さに感謝しています。心折れることなく、もう一度、彼らしい姿を見せてほしい。期待しています。(写真著作者:Майоров Владимир)

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