イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Arsenal×Liverpool】 それはないでしょ!シュチェスニー

圧倒的にいいサッカーをしていたのは、アーセナルでした。カソルラとウォルコットがキレキレ。カソルラにボールが収まれば、必ず危険なところ、嫌なところにパスが出てきます。どんな球でもこともなげにトラップでき、しかもその後のアクションが早いので、ディフェンスは後手を踏みやすいのです。ウォルコットは、好不調の波が激しく、よくないときは完全にゲームから消えてしまうのですが、この日は非常に積極的に前線に顔を出し、レイナが珍しく全く反応できなかった同点ゴールをはじめ、質の高いシュートを何本も打っていました。特に後半は左サイドを完全に制圧し、あれだけの数のチャンスがあったのに、なぜ…2-2?

ディフェンスの脆弱さと、最後の最後での決定力。いま一歩足りなかったアーセナルは、上位が軒並みドローで終わるなか、そこに食い込んでいくことができませんでした。ホームだったこともあり、勝ち点2を失った、という評価が妥当でしょう。リヴァプールの決定力、とりわけここぞというときに必ず枠をとらえるスアレスとスタリッジの精度の高さもありますが、先制されたシーンは右サイドで転んだサニャがボールをさらわれたことがすべて。転ぶ、というのは決してアクシデントではありません。あのシーンは、サニャが見るべき選手を複数抱えてしまい、どこをガードするのか一瞬、判断できなくなったことでバランスを失ってしまったのでしょう。左から出たグラウンダーをスタリッジに合わせられ、一発めはシュチェスニーがブロックしましたが、こぼれ球を拾われた後のスアレスの2発めは、止めることができませんでした。またしてもアーセナルは、ミスから先に点を奪われ、ゲームを難しいものにしてしまいました。試合への入り方のまずさがなかなか改善できません。

そして2点めを獲られたのは、シュチェスニーの対応のまずさ。ヘンダーソンがアーセナルの左サイドからドリブルしてきたとき、中にはリヴァプールのFWは誰もおらず、DFは3人が対処できる状態。にもかかわらず、GK含めた4人が何もできないまま、決められてしまいました。シュチェスニーは、出ていかなくてもよかったでしょう。もし出るのなら、きっちり足元に飛び込まなければいけません。ゴール前を留守にして前で構えたものの、中途半端なポジション取りのために、まったく対処できないまま、簡単に左足で流し込まれてしまいました。アクロバティックなドリブルをしたわけでもないのに、あっさり決めることができたヘンダーソンが、いちばん驚いているかもしれません。

シュチェスニーは、飛び出すかどうかの判断と、出方そのものがいずれも中途半端。これ以外にも、出なくてもいいところで出て、ボールを触れずにピンチを招くシーンがあり、不安定なプレーに終始しました。それはないでしょ、シュチェスニー。大物GKの移籍の噂が出るたびに、マンチェスター・ユナイテッドとセットでアーセナルの名前がよく取りざたされますが、チーム関係者もマスコミも彼のプレーに眉をひそめていることは、想像に難くありません。

ただし、この後のアーセナルは素晴らしく、0-2になった直後から怒涛の反撃。ウィルシャーのFKを、キーパーがいちばん対応しにくい足元にきっちり落としたジルーのヘッドでまず1点。その3分後、右サイドで縦に当てたパスを、ポストプレーがうまいジルーがダイレクトで横に流し、ウォルコットが決めた2点め。たった10分で鮮やかに追いつき、その後も圧倒的に押していのですが、あと1本が決まりませんでした。ジルーが何本か外してしまいましたが、ラストパスと走り込みのタイミングがいまひとつ、合わなかったですね。アルテタのPK失敗を思い出しますが、今年は、あと一歩で獲れずにドローで終わり、勝ち点を失うことが多いのが気になります。4位奪還への道は、依然、険しい道です。

チャンスは少なかったものの、ちょっとしたミスを突くのがうまく、効率よく点が取れたリヴァプールと、試合を支配し、圧倒的な数の決定機を創り出し、しかし追いついただけで終わったアーセナル。リヴァプールにとっては、納得せざるを得ないドロー。アーセナルにとっては、涙目の勝ち点1。いや、勝ち点2をロストしたことよりも、これから3週間、SBのギブスを失うことのほうが痛いでしょう。左サイド、アンドレ・サントスで耐えるのでしょうか。大丈夫かな…。

—–

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す