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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Saints】 香川&ルーニー、CLでもそのコンビを!

ミッドウィークのナイトゲームは困ります。ほぼ、間違いなくすべての試合の時間が重なります。ましてやマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルが重なると大変です。家族ふたり、テレビは1台。それでもまだ、わが家は民主的で、ジャンケンです。ファーストレグ、双方パーで譲らずドローの後、セカンドレグでパーを決められ、相方がテレビで日本語解説、私がPCで英語解説というポジションで、それぞれの戦いが始まりました。

さて、サウサンプトンとのホームゲーム。今週に入ってから、インタビューを受けたサー・アレックス・ファーガソン監督は、「(つい先日、サウサンプトンの監督に就任した)ポジェッティーノはよく知らない。前任のアトキンスはよくやってたじゃないか」と、セインツを挑発するような発言をしておりました。相変わらずの狸っぷりですが、過度に感情的でネガティヴなコメントをするのは、彼が相手を警戒している何よりの証拠です。実際、試合が始まって3分で、サー・アレックスの慎重な姿勢が正しかったことが証明されてしまいました。

サウサンプトンが、スタメンにリッキー・リー・ランバート、ロドリゲス、ガストン・ラミレスを並べてきたことにまずはびっくり。そうか、引き分け狙いではなく、勝ちにきているのか。そして2度目の驚きはキックオフ早々、落胆とセットでやってきました。今季、よくやっているものの致命的なポカが多いキャリックが、中途半端なバックパスをデヘアへ。余裕のない若いGKがこれを処理できず、奪ったロドリゲスが難なくゴールに転がし、1-0。いきなりビハインドをしょってしまいます。

この暗雲を吹き飛ばし、チームを晴れ間に導いたのが、香川真司でした。8分、中盤でセインツがカットしたこぼれ球が香川の足元へ。彼はこれを、何の躊躇もなくダイレクトでルーニーへ浮き球スルーパス。香川から出ることを読んで走っていたルーニーは、右足で簡単にGKの脇を抜き、さっそく同点。さらに10分には、右からのクロスを左サイドで受けたルーニーが香川に落とすと、これを左足で枠ぎりぎりにシュート!残念ながらボールはポストを叩き、追加点はなりませんでしたが、ダイレクトで短いパスのやりとりができるルーニーと香川のコンビネーションが、チームにリズムをもたらします。24分にもこのふたりのやりとりから惜しいチャンスがあり、勝ち越すのは時間の問題、という雰囲気でした。俗にいう「ゴールの匂いがぷんぷん」というヤツです。

26分、勝ち越し点を演出したのは、ここまでいいところがなかったファン・ペルシ。右からのFKを、左足でカーブをかけて逆サイドのエヴラにピンポイントで合わせます。これをエヴラが中に折り返すと、再びルーニーが右足で無人のゴールに流し、2-1。30分には、ルーニーが絶妙のタイミングで中央の香川へ。香川は落ち着いて左でフリーになっていたファンペルシの足元へ丁寧なパス。ファンペルシのシュートは惜しくも外れましたが、勝利はもちろん、大量点の予感さえ漂ってくる前半でした。

しかし、マンチェスター・ユナイテッドのショータイムは、予告もなくここで終わりになります。後半、ピッチに戻ってきたのは、別なチームのような凡庸な集団でした。左サイドにいた香川と右のウェルベックを入れ替えたのが悪かったのか、中盤でのパスミスが相手に勢いを与えてしまったのか。特に気になったのが、センターMFとDFの間のスペースを、リッキー・リー・ランバートをはじめとするサウサンプトン攻撃陣に余裕をもって使われてしまうこと。この試合では何とかしのぎましたが、モウリーニョとマドリードの面々は、許してくれないでしょう。のらりくらりだったトッテナム戦よりさらに余裕のないアップアップぶりが続きます。たまりかねたサー・アレックスは、ポジションどりが悪いスモーリングをリオへ、アンデルセンをラファエウにスイッチ。ファン・ペルシのヘッドやルーニーの飛び出しなど、いくつか単発のビッグチャンスはあったものの、試合のペースを完全にセインツに握られ、最後までハラハラしどおしでした。

サウサンプトンは、すいぶんいいチームになりましたね。ディフェンスからの配球がよくなったこともあって、FWがボールを持つ頻度が上がりました。この日のシュート数は11対21で、アウェーのセインツが倍の本数を記録していることを見ても、積極的に攻めていたことがわかります。ディフェンスラインは、何回か裏を取られることはありましたが、後半はかなりよかったんじゃないかと思います。吉田も積極的に攻撃にも参加し、まずまずの出来でした。

今後に向けた最大の収穫は、香川とルーニーの呼吸が今までにもまして合ってきたこと。ルーニーがいれば、トップ下でなく左サイドでも、香川が持ち味を発揮しやすくなります。逆に懸念は、なかなか改善しないディフェンスの緩さ。「獲られても獲り返し、相手よりも多ければいい」というサッカーは、ホーム&アウェーのノックダウン方式のチャンピオンズリーグでは通用しないと思います。サー・アレックスと選手たちに託すしかありませんが、ホント、心臓に悪いので、早く鉄壁のディフェンスラインを創ってください。そしてデヘアくん、自信持ってプレーしようよ。ボールはちゃんとキャッチしてね!

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