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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Aston Villa】 真夏の夜の悪夢…アーセナル、ケガ人続出で20年ぶりのホーム黒星スタート

 プレミアリーグ開幕直前にチームの支柱、アルテタを大腿部の故障で欠くことになり、若いセンターMFの成長度が問われるアーセナルと、もう降格争いはごめんだとばかりにエースのベンテケを残留させ、デンマークリーグの点取り屋、ニクラス・ヘレニウスをはじめ6人を補強したアストン・ヴィラ。この試合、アーセナルがどう攻めるかよりも「昨年、厳しかったアストン・ヴィラの守備がどこまで粘れるか」がポイントだと思っていました。

開始6分、ロシツキが左サイドで出したスルーパスにチェンバレンが抜け出し、絶妙な右足アウトのセンタリングをこれまた完璧なタッチでジルーが決めたときは、ガナーズの大量得点さえ想像したくらいです。アストン・ヴィラの課題は何も解決していない、好調ロシツキとウォルコットを彼らは止められない、と。ここからしばらくは、アーセナルの時間。ラストパスに精度を欠くものの、ボールを支配してアストン・ヴィラのDFラインを揺さぶり続けます。

しかし23分、それまで沈黙していたアグボンラホルにドリブルで中央を簡単に割られ、足元に飛び込んだGKシュチェスニーがPKを献上。ベンテケの左隅を狙ったシュートは止められたものの、浮いたボールをすかさず本人がヘッドでフォローして同点。1-1となると、ここからが真夏の夜の悪夢の始まりです。

29分/ギブスが目の上を切ってジェンキンソンに交代。
45分/動きのよかったチェンバレンが負傷し、カソルラに交代。
61分/アグボンラホルのドリブルにスライディングを仕掛けたコシールニーが、
   先にボールに足をかけながら判定はPK。ベンテケに2点めを許し、逆転。
67分/コシールニーが2枚めのイエローをもらって退場。これも微妙なジャッジ。
86分/同点を狙って全員ハーフラインを越えていた裏をつかれ、アントニオ・ルナが独走、1-3。
94分/ハイボールの競り合いで首から落ちたサニャが交代。

ただでさえモンレアル、ヴェルマーレンを負傷で欠くDFラインが、たった1時間の間に3名いなくなる非常事態。20年ぶりの開幕ホーム黒星発進という屈辱よりも、チームが崩壊しかねないDFのリタイアのほうがより痛かったでしょう。

ゲーム全体を振り返れば、アーセナルのほうがボールを支配し、チャンスの数も圧倒的に多かったのですが、GKとの1対1をロシツキが2本外し、カソルラがフリーで打った左足ボレーも絶好調だったアメリカ代表GKグザンに止められるなど、フィニッシュとラストパスに精彩を欠いたことが敗戦の要因となりました。ウィルシャーがボールを持ち過ぎて中盤が窮屈になり、自陣でボールを奪われてピンチを招くシーンもあるなど、想像以上にアルテタ不在の穴は大きそうです。GKシュチェスニーは判断ミスが多く、シーズンを通じてゴールをまかせておけるレベルにありません。昨季後半とほぼ変わらないメンバーで開幕を迎えたはずなのに、予想外に厳しい状況を迎えてしまったアーセナル。現状戦力フル活用で乗り切るのか、補強で穴を埋めるのか。今季は移籍で去る主力がおらず、いいスタートをきれる見込みでしたが、フタを開けてみれば例年と変わらず、早々にヴェンゲル監督の手腕が問われているようです。(クリスティアン・ベンテケ 写真著作者/Delval Loïc)

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