【Arsenal×Norwich】美しすぎるアーセナル。5発のダイレクトパスは今季プレミアリーグのベストゴール!
18分、中盤でウィルシャーがボールを受け、周囲をうかがいますが、ノーウィッチのディフェンスに特段、穴はありません。しかし、ここから一気にギアチェンジすると、7秒後には1-0です。ウィルシャーがカソルラにはたいたボールをダイレクトで再度もらうと、ジルー、ウィルシャー、ジルーとすべてワンタッチ。まったく対応できないノーウィッチのDFの間を縫って、最後はウィルシャーがゴール左隅に転がしてフィニッシュ!10番に真っ先に駆け寄ったのはもちろんジルーです。あまりに美しすぎる3人のコンビネーション。こういった遊びのあるパスワークは、自分たちのサッカーに自信がないと出てこないものです。
精神的にダメージの大きい一発を喰らったノーウィッチは、そのままゲームのペースを握られ、37分にも左サイドを突破したギブスからのセンタリングをジルーに合わせられるなど、押されっぱなしです。それでも前半は何とか1-0でたたみ、後半に望みをつなぎますが、唯一のゴールの予感は相手DF、サニャのパスミスという状態で、ほぼノーチャンス。後半の興味は、「アーセナルの追加点はいつ入るのか」に絞られます。ホームチームの懸念は、テッティと交錯したフラミニの負傷退場の影響ぐらい。しかしこれも、代わって入ったのがラムジーとなれば、まったくマイナスはありません。
ノーウィッチにとって絶望的な2点めは、58分。これもまた見事なカウンターアタックでした。自陣ゴール前で奪ったボールがすかさずカソルラに渡り、そこから右サイドを走っていたジルーに展開。ジルーのクロスは、中央に走り込んだエジルの頭にピンポイントで届き、完璧なヘディングシュートがゴール左隅に吸い込まれます。いつもなら、出し手と受け手は逆ですが、調子のいいときはどんな形でもゴールが決まるものです。これで勝負あり。70分に、ノーウィッチはハウソンが2-1と迫るゴールを決めますが、逆襲の予感はまったく漂ってきません。
ラスト20分は完全なるホームチームのペースです。たびたびミドルシュートでGKルディを慌てさせていたラムジーのゴールが決まったのは83分。左からペナルティエリアに侵入し、ウィルシャーのパスを受けると、左右に2回、キックフェイントをかましてDFを振りほどき右足でゴール。さらにダメ押しは88分のロシツキのクロス。左サイドからの完璧なボールがファーサイドでフリーになっていたラムジーを捉え、落としたボールをエジルが蹴り込み、4-1。中央突破あり、カウンターあり、サイド攻撃ありのフルコースは、グーナーでなくてもテンションが上がります。
彼ららしいサッカーでホームゲームをきっちり勝った絶好調アーセナルは、これで単独首位です。シーズン開始当初は、「大物獲得がない」「FWとDFを獲れ」とあれだけ叩かれていたガナーズですが、フタを開けてみれば「移籍市場で最も成功したクラブ」です。タイトル獲得を語るにはまだ早いですが、ヴェンゲル監督を糾弾した方々は、そろそろお詫びの言葉を考え始めたほうがいいかもしれません。
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