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【MAN.CITY×Tottenham】無気力な攻撃と崩壊したDF陣…大丈夫か?トッテナムとヴィラス・ボアス監督

何とまあ、大味なゲームでしょうか。攻め合い、殴り合いではあったものの、高速パスとハードマークで締まりのあるゲームだったマージーサイド・ダービーと比べて緊張感が感じられず、両チームとも、これではプレミアリーグ優勝など難しいだろうな、と想わせる出来でした。マンチェスター・シティVSトッテナム。熱戦を期待していただけに、非常に残念です。この試合は、開始直後からワンサイドゲームの予感が漂い始めます。崩れたのは、アウェイ、トッテナム。

試合開始は、トッテナムボールのキックオフ。積極的に前線からプレスをかけてくるマンチェスター・シティのFWを見て、DFからGKロリスにバックパス。組み立てなおそうとしたところ、ロリスがまさかのミスキック!グラウンダーのボールは何とアグエロの足元に入ります。アグエロはワンタッチしてすかさずシュート。これはロリスに弾かれますが、右サイドからフォローしたヘスス・ナバスがロリスの頭を越え、左サイドネットに吸い込まれるスーパーシュートを放ち、マンチェスター・シティが労せず先制。開始からたった13秒の出来事でした。

GKのミスからの失点は、他の形よりもチームの動揺を招くものですが、ここからしばらくはとにかくひどいゲームでした。マンチェスター・シティは、アグエロを除いてパスが不正確。トッテナムはレノン、ホルトビー、ラメラという初顔合わせの攻撃陣が全くかみあわず、ポジションはかぶるわパスは通らないわでサッカーの体を成していません。そして、両者ともDFラインが落ち着かず、簡単にドリブルで抜かれてピンチを招きます。5分に右からのクロスの流れ球をフリーのラメラが中途半端なシュートで外し、7分にはネグレドとのワンツーからアグエロがゴール前で完全にフリーになり、ループシュートを放つもロリスに止められますが、この2発とも入ってもおかしくないシュートでした。レベルの低いミスの応酬が30分過ぎまで続きましたが、この流れにピリオドを打つ、ふたつめの致命的なミスが34分に発生します。犯人は、またもウーゴ・ロリス。

1発めのミスでナーバスになったのでしょうか。丁寧にいこうとし過ぎたゴールキックがまたも敵の正面にいってしまい、フェルナンジーニョのヘッドがフリーのナスリへ。ナスリの浮き球パスは、さらにゴール前でガラ空きのアグエロへ。アグエロのシュートはロリスが弾きますが、こぼれ球をネグレドが左足ボレー。ゴールの中に入ってブロックしようとしたMFサンドロのオウンゴールを誘発し、2-0です。これは、痛い。マンチェスター・シティからすれば、プレゼントのような2発。トッテナムはこれで完全に崩壊します。

2-0となってから落ち着きを取り戻し、雑なプレイが消えたマン・シティに対し、トッテナムはDFが大混乱。ラメラが守備で機能しないため、左サイドのフェルトンゲンはヘスス・ナバスとサバレタの侵入をまったく止められず、CBのカブールとドーソンは中央に飛び出してくるネグレドとアグエロを捕まえることができません。41分、右サイドを突破したヘスス・ナバスがゴール前でカブールとドーソンの間に入ってフリーになったアグエロにラストパス。アグエロが左足インサイドで流し込んで3-0。

後半になると、さらにワンサイドが加速します。50分には自陣からの2つのワンツーで完全に抜け出したヤヤ・トゥレが中央を一人旅。GKを引きつけてから右でフリーとなったアグエロに流し、アグエロは無人のゴールに蹴るだけのイージーなシュートで4-0。5点めはオフサイドぎりぎりのポジションで球を受け、DFと入れ替わったネグレドの強シュート。55分で5-0です。このままではどこまで点差が開くかわかりません。その後もネグレドがゴール前どフリーでヘッドをふかし、ヤヤ・トゥレが気負ってシュートを打ち上げるなどのプレイがあり、マンチェスター・シティは7~8点獲れるチャンスがありましたが、追加点は92分のヘスス・ナバスのこの日2点めにとどまり、結局6-0です。マンチェスター・シティの怒涛の攻撃というより、トッテナムの無気力サッカーといったほうがぴったりのゲームは、ようやく幕を閉じました。いやあ、後半はさすがに観てるのがしんどかったですね…。

アンドレ・ヴィラス・ボアス監督は、なぜデンベレ、シグルズソン、タウンゼントを外したのでしょうか。ミッドウイークにヨーロッパリーグがあるといっても、こちらは1次リーグ突破確実で、相手はトロムセILです。来週のプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドと戦いますが、これは本拠地ホワイト・ハート・レーンでのゲームで、マン・シティとの一戦よりも重要視しなければならない理由もありません。いくら何でも捨てたわけではないでしょうが、これだけの惨敗をすれば、ミスを連発したロリス、混乱のなか90分間右往左往しただけのカブールとドーソン、周囲と合わず何もできなかったホルトビーやラメラには後遺症は残るでしょう。

大補強から3ヵ月経って、未だにめざすサッカーがわからない状態。ヴィラス・ボアスさんの未来も危ないかもしれません。ラメラ、ホルトビーを中盤やトップ下で活かすなら、ソルダードやアデバヨルのような足元に欲しがるタイプより、チチャリートやF.トーレスのように裏に走り込めるFWのほうがいいと思います。運動量もコンビネーションもなく、ただサイドから個人で打開するだけのサッカーを何とかしないと、プレミアリーグのトップ10からも外れてしまう恐れすらあります。層が薄すぎるDFラインは1月に補強するとして、12試合で9点しか獲っていない攻撃をどうするのか、いよいよ決めないといけませんね。マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、サウサンプトンなどプレミアリーグ上位との戦いが続くトッテナム、今季最大のピンチです。

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“【MAN.CITY×Tottenham】無気力な攻撃と崩壊したDF陣…大丈夫か?トッテナムとヴィラス・ボアス監督” への2件のフィードバック

  1. プレミア大好き! より:

    ソルダードは足元で欲しがるタイプではないよ
    デフォーやチチャよりの裏に抜けてエリア内で勝負するタイプでしょう
    個人的にはアデバに期待したい

  2. makoto より:

    プレミア大好き!さん>
    なるほど。リーガ・エスパニョーラやスペイン代表で、彼がDFを背負ってボールを受けているシーンばかり観慣れていたので、裏に抜けるのが得意、という印象はないですね。もし、プレミア大好き!さんの見方が正しいとすれば、「彼が得意な形になるシーンがあまりにも少ない」「ホルトビーは彼にいいパスを供給できておらず、ラメラもコンビネーションを作れていない」という表現になりますね。

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