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【Cardiff×Saints】吉田麻也、最高!セインツは9試合ぶりのプレミアリーグ完封勝利

久しぶりに、彼らしいプレイを見せてくれました。プレミアリーグ第18節、カーディフVSセインツは、6試合勝利がなかったセインツが0-3完勝。病気欠場となったCBデヤン・ロブレンに代わって入った吉田麻也は、昨季コンビを組んだフォンテと並んで左CBとして出場。カーディフFWフレイザー・キャンベル、MFオデムウィンギーを完封し、次戦以降につながる評価を手にしました。

今季のセインツは、2点以上差をつけられて完敗したのは、アウェイのアーセナル戦、チェルシー戦のみ。これ以外はすべて、勝ち負けに持ち込んでいます。ここ6試合で2分け4敗という数字だけ取れば、調子を崩しているようにみえますが、この間はアーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、ニューカッスル、トッテナムと立て続けにプレミアリーグ上位と当たる厳しい組み合わせで、想定外だったのは本拠地セント・メアリーズでアストン・ヴィラに3発喰らって負けた1戦だけです。MFワニヤマの離脱で、鉄壁だった守備が弱くなっているのは確かですが、不調というより「上位の壁は厚かった」というのが妥当な見方でしょう。

まさに「中堅以下には負けませんよ」と証明するかのように、カーディフ戦は好調な滑り出し。前半14分、中盤でパスカットした瞬間、前がかりになったカーディフDF陣の裏をついて、ララーナとジェイ・ロドリゲスが縦に走ります。ボールを持っていたMFシュナイデルランがうまかったのは、ゴールには近かったもののオフサイドポジションにいたジェイ・ロドリゲスを避け、右サイドのララーナに完璧なタイミングでロングボールを通したこと。この一発のパスで一気にふたりがフリーになり、縦にドリブルで持ち込んだララーナはジェイ・ロドリゲスに軽く流すだけ。早い時間の先制点で、地力にまさるセインツがペースをつかみ、カーディフは劣勢に追い込まれます。

2点目は20分。右サイドにいたチャンバースから横パスを受けたリッキー・リー・ランバートが、ファーサイドでゴール前に走り込んだジェイ・ロドリゲスを見逃さず、ふわっと浮かせたピンポイントのクロスを合わせます。これほどホスピタリティの高い最高のボールが出れば、テクニシャンのロドリゲスは楽勝の右足ボレーで流し込むだけ。その7分後には、ホームチームが絶望となる3点めです。ショートコーナーを後ろに戻し、角度を変えて中央に入れたクロスをジェイ・ロドリゲスがヘッドで落とし、フリーで受けたランバートが右足ボレー。これで勝負あり。カーディフのDFラインは、一発のあるセインツ攻撃陣をフリーにさせ過ぎました。

14節のアストン・ヴィラ戦、今季プレミアリーグ初出場となったゲームでは、吉田麻也の不安定な守備が敗戦の要因となってしまいましたが、この日の彼は見違えるような出来でした。開始早々、サイドに流れたボールを追って左サイドに飛び出したプレイは、簡単にクロスを入れさせてしまい、ウィッティンガムのフリーのボレーシュートを招きましたが、その後は完璧。時間が経つにつれ、彼の長所である前線へのフィードがうまく通るようになり、フォンテとの息も合ってきます。吉田麻也のパスのよさは、タイミングです。DFを背負っている選手に対して、受けやすい状態になったときに速いパスを通すので、これが増えれば攻撃の起点として機能します。この日は、守備も攻撃も余裕を持って対処できており、まさしく「いい時の麻也」でした。

試合後のマスコミの採点も上々。スカイスポーツは7点をつけ、「いいインターセプトがあった。MFオデムウィンギーがペナルティエリア内に侵入してきたときも、彼の躊躇を見逃さずタックルを仕掛けた」とポジティブに評価しています。まだ1試合よかっただけで、次戦デヤン・ロブレンが戻れば、フォンテとのポジション争いに敗れてベンチスタートとなりそうですが、ひとつひとつのチャンスをきちんと活かすことが重要。少なくとも、トッテナム戦でオウンゴールしてしまい、ホーム惨敗の戦犯となったホーイフェルトよりは、ポチェッティーノ監督の優先順位は上がったでしょう。チームも吉田麻也もすっきりした完勝で、セインツは年末年始のエヴァートン戦、チェルシー戦にいい形でチャレンジできます。それにしても、中2日、中2日でこの対戦相手は厳しいですね…。よくも悪くも、これがプレミアリーグです。(アダム・ララーナ 写真著作者/Sfcwiki789)

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“【Cardiff×Saints】吉田麻也、最高!セインツは9試合ぶりのプレミアリーグ完封勝利” への1件のコメント

  1. makoto より:

    見たけどほんとにいいプレーでしたね!
    レベルは違うけど北京五輪のいいときを思い出させてくれました。
    吉田麻也に関しては出れないから移籍したほーがいいと言うひとがいますが断固反対ですね。たしかに出場してなんぼだと思いますがプレミアリーグの中でも5本の指に入るであろうロブレンの素晴らしいプレーからは学ぶべきものがたくさんあると思います。彼もまだまだ若いのでここでポジションを勝ち取ることができたら今後の大きな自信になると共にプレミアリーグの強豪たちとマッチアップすることは毎試合ほんとうに貴重なものとなると思います。
    彼には日本代表もかかっていることだしがんばってもらいたいですね。
    よした

    —–
    ウィルシェアさん>
    賛成です。「移籍=ポジション確保」でもないですし、「出たいから移籍」となると、大抵はクラブのレベルを落とすことになります。彼の実力ならプレミアリーグで十分通用しますし、ぜひ再度、レギュラー獲得してもらえればと思います。

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